第5話「正式メンバーの条件」
サラの特別依頼が功を奏し、パーティのギルド評価が急上昇。
銅貨100枚以上の報酬が積み上がり、装備も一新された。
レオンは新大剣、ミレイは魔導書、ルナは上級ローブ。
俺だけ、相変わらず私服と荷物持ち。
「次は本物だ」
レオンがギルド掲示板を指す。
「オーク集団討伐(A級)」。報酬金貨10枚。
街の安全がかかった緊急依頼。
サラがカウンターから警告。
「死ぬわよ、あなたの構成じゃ。正式メンバーがいないと受注不可」
(来た)
ギルド規定で、A級以上は「正式パーティ登録」が必要。
俺はまだ「臨時雑用」。ここで正式メンバーに昇格しないと詰む。
「俺が正式メンバーになる条件は?」
レオンたちに直談判。
レオン:「お前がいないと戦闘リズムが狂う。OKだ」
ミレイ:「観察精度が異常。必要よ」
ルナ:「あなたがいると安心します!もちろん!」
全員一致。
でもサラが首を振る。
「ギルド規定よ。『実力証明』が必要。新入り人間がA級に耐えられる証明を」
(実力証明…戦えない俺に何ができる?)
サラが提案。
「オーク討伐の前哨戦。斥候任務を単独クリアすれば認めるわ。
敵の数、配置、弱点。完璧に調べて戻ってきなさい」
戦闘ゼロの偵察任務。俺向きだ。
森の奥。オークのねぐら近く。
茂みに身を潜め、ステータスをフル活用。
知力40で敵の行動パターン解析。
敏捷35で音もなく移動。運50で敵に見つからず。
魅力45で野生動物すら寄せ付けない。
観察結果:
オーク数:27体(戦士20・シャーマン5・ボス2)
配置:三段構え。シャーマンが後衛火力。
弱点:ボスは右足引きずり。シャーマンは視界狭い。
攻撃パターン:突進→魔法援護→包囲。
完璧なデータ。紙に地図を描く。
ギルドに戻る。サラに報告書を提出。
「これで依頼の勝算は92%です。シャーマン優先、ボスは右足狙い」
サラが地図を凝視。眼鏡の奥の目が輝く。
「…完璧すぎる。プロの斥候でもここまでやれないわ」
レオンが笑う。
「こいつがいりゃA級余裕だろ」
正式登録完了。
木製プレートに刻まれる。
「レオンパーティ 正式メンバー:人間(無職)」
オーク討伐当日。
俺のデータ通りに進行。
レオンがボス右足を狙い、ミレイがシャーマン火力、ルナが完璧回復。
戦闘時間、予想より半分。
大勝利。金貨10枚+街からの感謝状。
夜の祝杯。
レオンが肩を叩く。
「正式メンバーのお前がMVPだな」
ミレイ:「観察スキル、魔法より有用ね」
ルナ:「これからもずっと一緒ですよ!」
サラがカウンターから一言。
「次はS級狙えるわ、人間さん」




