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最後の項目で、職業選択せず人間のまま異世界転生してしまった俺、ステータスだけはよかったのであきらめずひたすら周囲に媚びてたらいつの間にか成り上がれた件。  作者: 1010
第一章 「雑用編」

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第2話「媚びが効かない女」

レオンと2人で街道を進む三日目。

野営を繰り返し、俺の役割は完全に定着していた。

朝の準備、夜の警戒、ルート提案。戦闘は一切なし。

レオンは文句を言わず、むしろ頼りにし始めている。


「次はあの街だ。ギルドで依頼探すぞ」


レオンが大剣を肩に担ぐ。

街は冒険者の集まる中継地。転生者も多いはずだ。


街の入口で、騒ぎが起きていた。

人だかりの中心に、ローブ姿の女性。

黒髪。鋭い目。20代前半に見える。

足元に魔物の死体が5体。焦げ臭い。


「だから、詠唱効率が悪いって言ってるの」

女が周囲の冒険者に説教中。

「魔力流の方向が逆。基礎からやり直しなさい」


冒険者たちがムッとした顔。

明らかに転生者。魔法帝だ。


(ミレイか)

ステータスから察するに、知力特化の魔法使い。

剣聖レオンとは対極。感情より論理優先タイプ。


「すみません、お話聞かせていただきました」

俺は自然に近づき、低姿勢で声をかける。

レオンは少し離れて見守る体勢。


ミレイが冷たくこちらを見る。

「何?野次馬?」


「いえ、感心して。あなたの魔力流理論、初めて聞きました」

技術的な理解者アピール。いつもの媚び。


「で?」


無表情。

効いてない。


(まずい。レオンには通用したのに)

レオンは「すごい!」で落ちたが、

この女は称賛をスルーするタイプだ。


「具体的に、どの部分が理解できたの?」

試すような目。

浅いと見透かされる。


(ステ知力40の出番だ)

転生時に盛った知力が、ここで活きる。


「魔力の逆流制御ですね。通常は安定優先ですが、

あなたは不安定域を意図的に使って爆発力を出してる。

制御を一歩間違えると自爆リスクですが、

その境界を維持する技術が凄いんです」


即興で解析。

ステータスのおかげで、頭が回る。


ミレイの目が、初めて動いた。

「…続けて」


食いついた。


「だから、通常の5次元魔力流じゃなく6次元まで展開してる。

計算上、出力は理論値の180%になりますが、

詠唱負荷が3倍になるはず。それをどうクリアしてるんですか?」


完全に専門領域。

俺は魔法使いじゃないが、観察と知力で追いつく。


沈黙。3秒。

ミレイが小さく息を吐く。


「…頭いいのね、あなた」

初めての評価。


「転生者?職業は?」

鑑定魔法らしきものを軽くかける。


「人間です。職業選択で時間切れしました」

正直に。弱みを見せる。


「バカみたい」

ミレイが鼻で笑う。

でも、敵意はない。


「でも、無駄にステータス高い。知力40は異常よ」

ステータスが見えたらしい。


「それなら使えるかも。レオン、あんたの雑用?」

レオンに視線。


レオンが肩をすくめる。

「戦えねえけど、観察は確かだぞ」


ミレイが俺を見る。

「明日から3人で動く。文句ないでしょう?」


命令口調。

でも、仲間認定だ。


「光栄です。僕でよければ」

軽く頭を下げる。


その夜、宿屋。

レオンが酒を飲みながら言う。

「ミレイは気難しいが、火力は本物だ。お前が引き込んだな」


「運が良かっただけです」

謙遜しつつ媚び。


ミレイが部屋から出てきて一言。

「次は聖女ルナを探すわ。あの回復が揃えば完璧」


パーティ3人目。

俺の立ち位置は、ますます明確に。


戦えない分、仲間を繋ぐ役。


(これでいい)

ステータスが高いおかげで、理解力と魅力が効く。

職業なしのハンデを、媚びで埋める。

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