第1話「ステータス上げすぎた結果」
光に包まれた瞬間、頭の中にステータス画面が浮かんだ。
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【転生者ステータス配分】
残り時間:10:00
初期値:全10
自由ポイント:無制限(上限50)
最初は慎重に振り分けた。
でも、すぐに欲が出てきた。
全ステータスを極限まで盛れば最強じゃないか、と。
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体力:10→30(+20)
筋力:10→25(+15)
敏捷:10→35(+25)
知力:10→40(+40)
運:50(+40)
魅力:45(+35)
【配分完了まで9:58】
(これで基礎は完璧だ。次は職業で最適解を…)
画面が切り替わる。
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【職業選択画面】
残り時間:00:15
◯剣聖(攻撃特化) ◯魔法帝(魔力無限)
◯聖騎士(防御鉄壁)◯弓神(遠距離支配)
◯召喚王(軍団指揮)◯鍛冶神(装備作成)
(全50種表示中)
(どれが最適か…?魔王出現率、相性、成長曲線を計算して…)
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残り時間:00:03
慌てて一覧をスクロール。
剣聖は単独戦強いが集団弱い。魔法帝は魔力枯渇リスク。聖騎士は機動力不足…
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残り時間:00:01
(全解析7秒必要!間に合わ…)
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【時間切れ】
【職業:人間(無選択)】
【転生実行】
視界が白く染まる。
草原。風が草を揺らす。
周囲に十数人の転生者。皆、目を輝かせている。
「剣聖ゲット!これ最強だろ!」
金髪イケメンが大剣を振り回す。
「魔法帝だよ?火球一発で魔物全滅w」
ローブの女性が炎を放つ。
「聖騎士!不死身パーティ組もうぜ!」
鎧男が盾を掲げる。
華々しいスタート。
対して俺のステータスは…
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名前:アキラ
職業:人間
体力:30 筋力:25 敏捷:35
知力:40 運:50 魅力:45
スキル:なし
ステータスだけバグってるのに、職業なし。
戦闘力はただの人間。詰んでる。
(いや、待て)
高い知力と魅力。運S。
これ、戦闘以外で活きる。
生存戦略は一つ。
強い奴に媚びて、寄生する。
ゴブリンの群れが現れる。
転生者たちがスキルを競う中、一人目立つ男がいた。
金髪。剣聖。レオンだ。
華麗な剣技でゴブリン3体を瞬殺。
でも…
(隙だらけだな)
ステータス低いゴブリンでも、次の攻撃は読める。
右後方、茂みから一体が飛びかかる。0.8秒後。
「レオンさん!」
自然な距離で声をかける。
驚かせず、信頼感を出す。
「右後ろ、飛びかかります!下がってください!」
レオンが振り向く。
反射的に剣を振る。
ゴブリンの首が飛ぶ。
「…おい、どうやってわかった?」
息を切らさず、笑顔で返す。
「観察してました。レオンさんの剣技、完璧すぎて敵の動きまで読めましたよ」
初媚び。技術的な称賛を混ぜる。
レオンが鼻で笑う。
「戦えねえのか?」
「はい。職業選択で時間切れして、人間のままです」
正直に弱みを出す。
隠すと信用されない。
「バカだな。まあ、雑用なら使ってやるよ。荷物持て」
「ありがとうございます!」
深く頭を下げる。
プライド?そんなもの、生存より軽い。
その夜、野営地。
レオンが火を起こす横で、俺は荷物を整理。
水汲み。薪割り。情報収集。
(これでいい)
戦えないなら、使いたくなる存在になる。
ステータスが高いおかげで、疲れ知らず。魅力で好感度アップ。
運Sで、ピンチは避けられる。
レオンが独り言のように言う。
「職業なしでよく生きてんな」
「レオンさんがいるからです」
自然に媚び。
レオンが少し笑う。
そのとき、確信した。
正しく媚びて、正しく役立てばいい。
この世界、どうにでもなる。




