舵取り
「いってきま〜す。」
妻と息子は日ハム 対 オリックス戦を観戦するために、親しい友達十数人と共にエスコンフィールドに出かけて行った。試合後は居酒屋で打ち上げをしてから、2次会はスナックでカラオケ同好会の仲間達と歌いまくるんだろうな。まだ中学生の息子だけは、早めに迎えに行くとしよう。
現実主義者である妻は、ファイナンシャルプランナーの資格を持ち保険会社に勤務している。
お金にならない活動に熱心になる変わり者の僕に呆れながらも、それを許容しようと努力している…理解は出来なくても、邪魔をしないでくれていた。
そして僕は、今回の女神様からの御神託を受け、それまでのの仕事や生活をガラリと変えた。
正確に言えば、自然農やスピリチュアルに傾倒していたこの2年程の生活を、それ以前の生活に戻しただけなのだが…。実際には、全く真逆に振り切った形になる。
彼女はそれに振り回されながらも、今回の人生の方向転換には大賛成であった。
「…私も魔女さんにセッションしてもらおうかな。」
そんな事を言い出した妻に、僕は正直驚いた。スピリチュアルなものに、今まで全く興味を抱いていなかったのに、いったいどういう風の吹き回しであろう。
普段は誰の助言も聞き入れる事のない僕が、たった一度の御神託で、これ程の影響を受けた。そのあり得ない事件が、余程気になったのかもしれない。
『家庭』という同じ船に乗る『家族』。僕達は、決してバラバラな個人の集まりではない。それぞれが役割を持ち、船は同じ方向に進んで行く。
僕は、ようやく『家庭』としての機能が働き出すのを感じていた。




