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戦う力

今の僕の戦闘力は、ゼロに近い。

年齢的にも、あと数年で還暦を迎えるのだから当然だとも思うが、そんな僕に女神様は戦えと言う。

確かに、若い時には多少腕節に自信があったが、それでも一般人相手の話で、格闘家や武道家相手には勝てる気がしなかった。

そして、今後敵になるのは、殺しの専門家だろう。


「接敵する前に殺されるな…。」


数年間狩猟をしていた経験から、銃は少し扱える。だが白の魔女によると、女神様は『侍になれ』と言っているらしい。『貴方が私を護っていた時は、侍であった』…と。侍は銃は使わない。


「せめて、もう15年…いや20年前だったらな…。」


日々、現場作業をこなしているので同年代よりは体力はあるだろうけれど、プロのアスリートでさえ引退している年なのだ。


「まだ逆上がりは出来るけどね…。これから持久力は上がりそうに無いし…。古武術の可能性を信じるしかないか…。」


去年の暮れから、古武流體術は始めている。だが、道場は東京にある為、金銭的な負担が大きく頻繁には通えなかった。だから、「健康維持の目的で年に数回指導を受ければ良いかな。」くらいの考えであった。


「集中して鍛錬しなければならないな。丹田を使えるようになれば、勝機が見えそうだ。」


武術で言えば、日本の古武道は世界最強だ。実戦で磨かれた殺しの技が詰まっている。確実に相手の命を奪えるだろう。


「高みは果てしないが、3年で少しは使えるようにならなきゃね。その時に間に合いそうにない。」


本当に、無茶振りですよ?山神様…。

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