表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

終わらない、終わり

この作品は生成AIを使用して作成しています。

最初に、人は理解する。

「死ねない」と。


黒に呑まれた兵士は、確かに崩れた。

肉は解け、骨は砕け、形は失われた。

だが――


終わらなかった。

意識が。


「――――ぁ」


声にならない。

口はもう存在しない。

それでも“発声しようとする感覚”だけが残る。


どこが自分なのか、わからない。

腕も、足も、ない。

だが「ある」と認識してしまう。


存在しない四肢が、潰され続ける感覚。

裂け続ける感覚。

再生も、消滅もせず――

ただ“壊れ続ける”。


時間が、意味を失う。

一瞬が永遠に引き伸ばされる。

あるいは永遠が、一瞬に圧縮される。


どちらも同時に存在する。

「いつ終わるのか」という概念だけが残り、

その答えが、どこにもない。


城は崩れた。

街も消えた。

だがそれは「破壊」ではない。

“固定”だった。

崩れたままの状態で、止まっている。

瓦礫は落ちない。

煙は流れない。

炎は燃え続けるが、何も燃え尽きない。


その中で、人だけが“変化し続ける”。

壊れながら。

戻りながら。

また壊れながら。

ある貴族は、膝をついた姿勢のまま固まっていた。

助けを乞うその形。

だが首から上は、何度も崩れ、再構成される。

顔ができる。

目が開く。

理解する。

絶望する。

そして――崩れる。


それが、終わらない。


何百回も。


何千回も。


何万回も。



子どもの泣き声が響く。

いや、響いている“気がする”。


実際には音はない。

だが確かに、そこに“泣き続けている存在”がいる。

母親は、それを抱きしめている。

抱きしめる腕はすでに形を保っていない。

それでも、抱きしめている“つもり”のまま。

永遠に。


空には、裂け目が残っている。

そこから、何も落ちてこない。

だが“見られている”。

常に。

逃げ場はない。

どこにも。




そして――

それらすべての中心に、彼女はいる。

動かない。

ただ、立っている。


エリシアは、もはや人の形を保っていない。

輪郭は曖昧で、黒と光の境界が溶け合っている。

だが“視線”だけは、確かに存在する。

すべてを見ている。

すべてを知っている。

すべてを、終わらせない。


「……まだよ」

誰に向けた言葉でもない。

だが世界そのものが、それに従う。


壊れかけた意識が、再び“保たれる”。

完全に壊れることすら、許されない。


これは罰ではない。

復讐ですらない。

ただの“結果”だ。

積み重なった無視。

切り捨て。

沈黙。

そのすべてが形を持ち、

終わらない現象として定着した。


やがて、人は祈ることを覚える。

だが神は来ない。

来るはずがない。

ここにはもう、祈りが届く場所が存在しないからだ。


そして最後に残るのは、たった一つの願い。

「どうか、終わらせてくれ」

だがその願いは、



最も叶わないものとして、

この世界に固定されている。



地獄は完成した。


終わらないという形で。


そしてそれは、今もなお、


静かに、確実に、




“続いている”。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ