▩ historia♯ 佰弐拾弐局 ▩ 〈蓮華草《希世乃、千明、シャゼラ》〉
「駅周辺らしいです。多分、ここら辺っす」
「栄えてるとこと外れのとこの境目辺りのとこかな?」
「一軒家ってことも考えづらいですし……」
「ん?」
「どうしたん?優寿」
「あそこに居るの、咲紅良ちゃんじゃないの?A.B.C-Gの」
「えっ!?はっしー!?」
「結憂の食い付きがキモい」
「キモいアイドルオタクのソレ」
「ビックリして鼻水出てきた」
「きたねぇな」
マジでビビった。
あの金髪でシュッとした顔立ちの女の子は……間違いない。はっしーや。橋本咲紅良ちゃん!!相変わらずのかっこ可愛い雰囲気でいらっしゃる。
ビックリして鼻水出てきちゃったもん。
隣のおじさんがしかめっ面でIQOS握りながらドン引きしてる。瑠々からティッシュ貰って鼻水拭いてから灰皿の隙間に捨てる。
本当は駄目だろうけど、既にタバコの空き箱とか隙間に挟まってるから………大丈夫だよね!!
「うー、あっ、あれ?こっち見てない?」
「多分、気付いてる」
「あらやだ、えっちぃ」
「結憂ってこんなキモかったっけ?」
「オタクこじらせたキモオタ感と、根っからのヤンキー感が混ざって余計にキモい」
「可愛い顔立ちが残念なり~」
「あらやだ、えっちぃって………じわる………」
「瑠々さんのツボがわかんないです」
「瑠々も瑠々で結憂に甘いからね。美紅さんみたいに甘いわけじゃないけど、優しいっていうわけでもないし」
「パパは優しい!!」
「お前は父親のそういうとこは似てないのな」
「思春期だもん」
「思春期でファザコン抜けてないのはだいぶ問題」
「綾姉さんは………?」
「論外」
「ロンっ!!」
「麻雀じゃねぇんだわ」
「楽しそうで何より」
「綾姉さんの弟子って、揃いも揃ってメンヘラを血族にかますって……そこまで師事しなくてもって思うのは私だけかな?」
「確かに瑠々さんもメンヘラでブラコンだわ」
「…………………………………」
「隼人お兄ちゃん大好き………ふははっ」
「結憂、後で覚えてろ」
「にぃに」
「辞めろ!!」
「えっ、瑠々って兄貴のことをにぃにって呼んでんの?」
「兄貴って呼んでんじゃないの~?」
「本人の前だけではにぃにって呼んでる。昔からずっと。私はにぃにと結婚する~って……今に至る」
「えー、隼人さんって結構モテるから……気が気じゃ____」
「……………………」
瑠々の殺気がマジでヤバい。
涙目になりながらカーリーさんのことをめっちゃ睨み付けてる。恥ずかしさと怒りと殺意が混ざって本人もどうしたらいいか分かんないみたいな感じなのかな?
無言でソレやられるのは本気で怖い。瑠々の図体でそれをやられるのは本当に怖いから。
「あっ、ごめん」
「兄貴の話は無しで」
「ヤバい拗らせ方してんじゃん……」
「まだフルオープンの結憂と綾音さんの方がマシだよ」
「意外とちゃんと女の子してる。対象がアレだけど」
「カーリーさん、本当に瑠々泣いちゃいますから」
「うぅ………」
「えぇ………」
「面倒臭いとかは思わないでください。いつもなんで」
「いつもじゃねぇから」
「怒んないの」




