23 総攻撃
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いよいよ会津王国攻めも大詰めです。
23 総攻撃
会津王国王都『景勝』にて、両軍は睨みあう。
これまでの戦いで豊臣軍は明石全登、片桐且元を失い、会津王国軍は大将軍、李舜臣を失った。
両軍とも、被害は大きい。だが、要所要所で豊臣軍は勝ちを拾い、勝敗の趨勢は豊臣軍に向きつつあった。
真柴は満を持して先鋒隊として小早川秀秋軍、豪姫軍を出撃させた。
中でも豊臣軍の最強戦力にして天空竜と称される豪姫軍は士気が莫大に高まる。
金色で塗り固められた天空竜の旗印が寒空に煌めき、天を衝く。
これまで『天空竜』と称される豪姫の活躍は凄まじいものがあった。
あの列国を震え上がらせた大将軍、李舜臣を女子の身で討ち取る功績は後世に残るだろう。
真柴はご満悦であった。『天空竜』豪姫の働きは凄まじく多くの敵将を討ち取っていく。
「皆の者! 秀頼様に歯向かう逆賊共を討ち払いなさい!
臆することはありません! 敵には大義がない! この私に続くのです!」
豪姫は駿馬に跨りながら自らの将兵に檄を飛ばす。
それを遠目から見て、真柴は何と苛烈な女子だと思った。
「豪姫殿に続け! 小早川軍一万六千の力を寄せ集めの有象無象に見せつけるのだ!」
小早川秀秋も負けずに自軍の兵に指揮を執る。それを見て真柴はこの二人の連携は完全無欠だなと思う。
この二人の戦いぶりを見て、真柴も戦いたくなってきた。
「小早川も豪姫も良い戦いぶりだな。私も出る。とっておきの秘密兵器を披露してやろう」
真柴は会津王国を滅亡させる為にとっておきの秘密兵器を幾つか用意してきた。
合図とともに巨大な大筒『国崩し』が大量に投入。
これは黒田官兵衛の入り知恵である。攻城兵器が必要になることを踏まえて、用意したのだ。
大筒は極めて高価な兵器であるが、豊臣の財力に物を言わせて金に糸目をつけなかった。
大筒から発射される玉が王都『景勝』を無尽蔵に襲った。
これにより、敵の前線の大将、元均と本庄繁長が、真柴が見ている前で憤死。
上杉四天王二人を瞬く間に葬り去り、会津王国の運命は直江兼続一人に託されるのであった。
「秀頼様。進言の許可を賜りたく……」
後ろから、側近、会津王国攻めの全体の副将である宇喜多秀家が秀頼に礼を取る。
「何だ? 申してみよ」
「会津王国は風前の灯でございますが、徹底的に叩く必要があります。
先鋒隊の豪姫と小早川を下げ、この私に指揮権をお渡しください。
この戦を早期に終わらせてご覧に入れます」
「良い。許す」
真柴は宇喜多秀家の意図を察し、指揮権を譲る。
すると、宇喜多秀家の声掛けと共に真柴が用意した大筒『国崩し』よりも大きい大筒に巨大な黒い塊が装填される。
宇喜多秀家の父……宇喜多直家は毒殺にも手を染める稀代の謀将。
子の宇喜多秀家は百戦百勝を掲げる武将である。
これは何かあるな、と真柴は考える。
「毒兵器か?」
真柴は容易に答えを導き出した。
やはり、その気質は彼の父、宇喜多直家から遺伝したのだ。
「如何にも。秀頼様、この仮面をお付けください」
ガスマスクという訳か。周りを見ると全員が仮面という名のガスマスクを装着している。
巨大な大筒から発射された黒い塊が王都の空に浮かび上がる。
それは夢の景色のように……否、死神とも言うべき物体が王都の空で拡散される。
生きとし生ける生命が一瞬にして朽ち果て、戦いは終幕を迎えるのである。
仮面で表情を伺えないが、きっと宇喜多秀家は不気味な笑みを浮かべているに違いない。
真柴は朽ち果てた王都を見て愕然としていた。
「秀家殿、これで戦は終わったのか?」
「いえ、直江兼続は私が毒兵器を使うことを読んでいる可能性があります。
地下空間から上杉景勝、そして淀殿と王都を脱出しているかもしれません。
我々は脱出口の出口で先回りして待ち伏せしましょう。
そして私が放った間者によりますと、秀頼様の御母上……淀殿は景勝と新たな子を設けました
名前は上杉三法師……五歳程の小娘にして秀頼様の妹君にございます」
宇喜多秀家は仮面の奥で不気味な笑顔を浮かべながら真柴に衝撃的な言葉を放った。
真柴は自分に妹が出来たと知って、複雑な気分であった。
これから自らの妹と出会うとなると真柴はどういう態度を取ればいいのか分からない。
だが、戦は終わった。真田一族がどれだけ強いか分からない。
しかし、会津釜山城で戦った伝説の大将軍、李舜臣ほどではあるまいと真柴は楽観視していた。
後は脱出口で上杉景勝達に引導を渡すだけだと、真柴は気持ちを切り替えた。
今回はここまで。
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