30.なんちゅーか、らしくないんだよな
「立候補するからにはマニフェストを決めないとね。」
「え、もう決まってんだろ?」
「もう決まっているんですか?」
「累、何をいって……あぁ、そういう事ね。」
「おや、決まった、というより決めていたのかい?」
「ええ、決めてました。」
「決めてたな。」
「ほうほう、私にも教えてくれないかい?」
「いいですよ。累、一緒に言おうか。」
「おう、じゃあせーの。」
「「第二文学部の予算0円」」
「正気かい!?!?」
「司法を私物化しないでくださいよ。さすがにこの部が無くなるのは私も困ります。」
「おや、一華くんからそんな言葉が聞けるなんて。なんて素晴らしい部なんだ。」
「その部が今一番の危機なんですが?」
「さすがに冗談だろう?」
「ええ、さすがに。ですがマニフェストが決まらなければ本当にそうな」
「よし、一緒に考えよう。私も手伝うから。」
「じゃあ部長、揺衣の推薦の演説もやってもらっていっすか?」
「それは累がやって。」
「!?!?」
「累先輩、ファイトです。」
「すまない、累くん。君にきめた!!」
「俺ポ〇モンじゃねえんだぞ!!!!おかしいだろ!なんで知名度0のやつが学校の人気者の紹介するんだよ!!俺いらねえよ!!!!聞く耳持たねえよ!!!!」
「重累くん、演説ありがとうございます。」
「演説してねえよ!!!!」
「じゃあなにしてたの?」
「キレてた!!!!」
「累先輩。」
「あ゛あ!?」
「ファイトです。」
「俺さっきもそれ聞いたって!!」
雑談しながら作品を書いていると、気がついたら門限になっていた。
「忘れ物ないっすか?」
「任せてよ、私は部室に置いたものを忘れ物とは呼ばない。」
「住むな。」
「大丈夫です。」
「鍵とか忘れたりしてないか?」
「……いつの話ですか。」
「わり、からかった。」
「私も忘れ物ないよ。」
「おし、鍵閉めまーす。」
「ありがとう、累くん。じゃあお疲れ様〜。」
「お疲れ様です。」
「お疲れ様っす。」
「お疲れ様でした。」
「じゃあ、累。飛跳を迎えに行こうか。」
「そうだな。」
「おふたりとも、お疲れ様です。」
「おう、またな。」
「またね。」
部長と千葉と別れ、テニスコートに向かう。
「あれ、ゆいちに……累じゃん。ととぴー迎えに来た感じ?」
「なに?俺はオマケ扱い?」
「割り箸についてくる爪楊枝のような存在。」
「オマケだなあ……。」
「やほ、みっきー。飛跳って部室?」
彼女はみっきー。本名は知らん。俺がみっきーと呼ぶと怒る。なに?俺が夢ネズミの名前を呼ぶのは畏れ多いの?まっきーと呼ぶのは許される。なんなんだろうね。
「うん、今さっき部室入ってったとこ〜。じゃあととぴーに伝えとこっか?」
「それなら私から行くよ。」
「そう?じゃあ部室いこ〜!あ、累は来ないでよ。」
「行くわけねえだろ。」
女テニの部室だぞ。血迷っても入らんわ。
しばらくSNSをみて時間を潰す。ゴミみたいな内容のネタ文章ばっかり流れてくる。こういうのを見ていると、割と世の中何を言うかよりも、誰が言うかの方が大事なんだと実感する。ん、飛跳から連絡きた。
『人生のQEDを上げたい』
多分QOLって言いたかったんだろうな。というか人生のQOLって直訳したら『人生の人生の質』になって人生が被ってるゾ。(小さい野原し〇のすけ)まあ連絡が来たってことはもうすぐこっちに着くんだろうな。
「ただいま。」
「おつ〜。」
「はいただま〜。」
それから少ししたら揺衣が飛跳を連れて帰ってきた。あとなんか
「おつ。」
「やっぱさ〜、体って動かせば動かすほどいいね!」
「まあ健康にはいいよな。」
「今日のテニスの調子も結構良かったらしいよ。」
「いやほんとテスト期間ほんとにやってなかったの?って感じだよ〜。相変わらず強すぎ。」
「ほー。というか軟式から高校で硬式になったけどどうなんだ?」
「意外と硬式も向いてるかも!」
「まじ?なんか硬式の方が体格差影響あるって言ってたじゃん。」
「先生もちょっと心配してたよね。」
「ふっふっふ。私はそれを見越してジャンプ力を鍛えまくっていたのだよ。そしてPOWER!全てをねじ伏せるPOWER!!体格差なんてもはやハンデだよ!!!!」
「ととぴーもうちょっと身長高かったらダンクとかできそうだよね〜。」
「そしたらバスケやってたかもだから、みっきーと仲良くできてなかったかもよ〜?」
「え〜!じゃあナイスチビ!!」
「誰がチビだ〜!!!!」
「「あははははは!!」」
「テンション高ぇな。」
「まあこの2人はいつもこんな感じだよ。」
「……恐ろしいな。」
「というか俺ら飯行くんだけど、まっきーはどうすんの?」
「連れてく!!」
「わお。」
「ついてく〜!」
「さっすがあ!!」
「賑やかでいいね。」
「それって京都人的な感じ?」
「いや、本心だよ。」
「で、どこ行くの?」
「メルティージュエル。」
「近くにそんなカフェあったんだ?」
「いや、中華料理の店だな。」
「???」
「うん、店名が中華らしくなさすぎるのは俺も思ってる。」
ということで、4人でメルティジュエルに行くことになった。




