23.音楽は鳴り続ける
これで勘弁してください
「とりあえず曲入れるか、誰から入れる?」
「僕初めてだから誰かにお願いしてもいい?」
「累でしょ。」
「累まかせた〜!」
「俺確定じゃねえか。じゃあこっから時計回りでいいか?」
「いいよ。」
「OK!」
「任せるよ。」
「じゃあ俺、飛跳、揺衣、橘で。採点入れるけどいいか?」
「橘くん次第だね。」
「任せた!!」
「僕あんま自信ないんだけど……。」
「音程バーあるから個人的には採点ありの方が歌いやすいと思うぞ。」
「そうなの?」
「そうだね。結構歌いやすいと思うよ。」
「うろ覚えでも何とかなりやすいよ〜。」
「じゃあお願いしようかな。」
「おけ、入れるわ。」
「手紙入れてよ〜!」
「ああ、確かに話してたもんな。じゃあそうすっか。」
「ん、いいね。」
「累の歌初めて聞くから楽しみだなあ。」
「あ、やべ、音量調整してねえや。」
「それならやっといたよ。」
「ナイス揺衣、天才。」
「だって累しょっちゅう忘れてんじゃん。」
「それな?累ってしょっちゅう忘れるからな。俺だけど。」
「はいはい、曲始まるよ?」
「お、え〜……幾度も桜が咲きは散り、落ちた涙も過去のもの。ひとつの手紙に答えを求めました。今ならそれに答えられます。重累で『手紙』です。」
「累めっちゃ歌上手いね!!!!」
「そうか?全然点取れてねえけど。」
「8割ってだいぶ凄いよ?」
「それはテストの話だろ。」
「まあでも表現力はめちゃくちゃ高いよね。」
「まあそこはこだわってるからな。」
「次私〜!」
「ハ〇太郎とっとこうたか。」
「僕も知ってるよこれ。」
「これ知らない方が激レアさんじゃねえの?」
「確かに。」
「前口上やる?」
「任せた!」
「俺が考えるの!?今から!?」
「いいじゃーん!」
「えー……さらさら瞬く木漏れ日が、やさしく心を温めます。小さな歩みもいつの日か遥かな旅になるのでしょう。聞いてください、風花飛跳で『ハ〇太郎とっとこうた』です。」
「とっとこー!走るよハ〇太郎!北風小僧のか〇太郎!」
「別人じゃねえか!!!!」
「大好きなのは〜!!」
「はい!せーの!」
「昼上がりの酒〜!!」
「酒カス!!!!」
「お前まじでふざけすぎだろ。」
「楽しかったらなんでもいいじゃ〜ん!」
「それはそう!」
「点もまあまあ高いから腹立つな。」
「じゃあ次私の番ね。」
「あ!これ累が歌ってるやつだ!」
「ド〇マツルギーいいじゃん!」
「累オススメの曲でしょ?私も結構好きなんだよね。」
「ナイスすぎ。」
「初めて聞く曲だ。」
「アニソンとかも歌ってる人だからワンチャン知ってる人じゃね?」
「そうなの?」
「ちょい待ってろ、調べるわ。」
「うん。」
「あ、これこれ。このアニメとか見てない?これこれ。一期のOPこの人なんだけど。」
「え!?そうなの!?僕この曲めっちゃ好きだよ!!」
「そうなん!?揺衣が入れたやつが俺この人の曲で1番好きなんだよね。」
「へえ〜!そうなんだ!!」
「だから揺衣に布教したんだけど、ハマったようで何より。」
「累にしてやられたね。」
「ハッハッハ。てか前口上しねえの?前奏なげえしまだ間に合うぞ。」
「誤魔化せると思ったんだけどな。……ドラマチックな物語に焦がれ憧れでも気づく。僕は脇役だった、主人公は僕じゃない。求められた役割に揺られ続けいつか全てを見失った。揺れる世界に1人の笑い声。その正体は……。大井揺衣、『ド〇マツルギー』。」
「……点たっか。」
「ふっふっふ。」
「曲教えた俺が点負けるのバカ悔しいんだが。」
「惨敗じゃ〜ん!」
「お前よりは俺の方が点高いです〜!」
「なにをぅ!!」
「大井さん、音程ほとんど外さなかったね。」
「任せてよ。」
「次歌うのハードル高くない?」
「大丈夫、そんなに期待してないから。」
「累!?」
「まあでも初めてなんだろ?初めてで上手かったら俺が悲しいからやめてくれ。」
「切実だ。」
「楽しく歌えればいいんだよ。」
「そうだそうだ!!」
「うーん……。」
「ほら始まるぞ。」
「あ、うん……何気ない日常を1つの影が掻き乱す。疑うべきは誰なのか、疑心暗鬼が渦をまく。答えはいつかわかるだろう。そう、『ひぐ〇しのなく頃に』。」
「そう来たか〜!!」
「まさかひぐ〇しとは思わなかったよ。」
「というか割と音当てんの上手いな。」
「でも高い音全然できなかったよ。」
「裏声ってなんか苦手な人は苦手だからな。」
「言ってること情報量0だね。」
「うっせえやい。」
「キーいじってみたら?」
「キー?」
「そう、音の高さいじれるんだけど結構変わるよ?」
「じゃあ次俺キーいじって歌う曲入れるわ。」
「何だろ。」
「じゃあこれで。」
「神っ〇いなか。」
「ピキピだ。」
「ピ〇キオピーのことそう略してるのお前だけだろ。」
「エーウ!デルジバゼヨ!」
「それス〇キだな。」
「よし、歌うか。」
「あれ?前口上は?」
「やらんやらん、あんなん毎回やってられん。」
「橘くんのが聞きたかったからそういう流れ作っただけだよ(笑)」
「ないす前口上〜!!」
「!?!?!?!?」
「いやあ、良かったわ。」
「僕騙されてたの!?!?」
「騙されてたというか俺らが黙ってた。」
ちゃんと前口上やってくれる橘の株はガッツリ上がった。




