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24.なんか楽しくなってきた

「してやられたよ。」

「ハッハッハ!」

「累って酷いよね。」

「ほんと累さいて〜!」

「おいおいおい、韓国語できゅうりはオイ、寝返んのかよお前ら。」

「可哀想に橘くん、前口上はやらなくても良かったんだよ?」

「やらなくてもいいのにやったことって言われると割とダメージになるね。」

「累にやらせたらよかったのにね〜。」

「おっと?それは話が違うぜ?セニョリータマルゲリータ、お前らだって共犯だろ。」

「私たち片方マルゲリータなんだ。」

「飛跳はマルゲリータだな。」

「なぬ!!」

「これはなにを争ってるの……?」

「累も飛跳も語感で喋ってるだけだから気にしなくていいよ。」

「なんだ飛跳!!」

「そっちこそ!!それなら累は誠意の丸刈りータをするべきだね!!」

「あぁ!?!?」

「ほらね。適当に喋ってるだけだよ。」

「……。」

「あ、というか次飛跳だよ、曲いれな〜。」

「おわあ!!私だった!!ん〜……じゃあこれ!!」

「ア〇ハ蝶か、いいじゃん。」

「最近ポ〇ノハマったから!!」

「マジ!?分かる!!いい曲多いよな!!俺も次ポ〇ノ入れよ。」

「……橘くん、このふたりは別に変なことを言ってるわけじゃないよ。」

「こっそり言わなくてもいいよ!!さすがにわかるし僕も好きだから!!」

「え、なんか興奮してるから間違えてるのかなと。」

「してないからね!?なんのこと!?!?」

「はははは!!」

「大井さんも適当に喋るねえ!!」



「やっぱいい曲だね〜!」

「お前がふざけるところがないくらいにはいい曲だよ。」

「風花さんってしっとりとした感じの歌い方もできるんだね……。すごく良かったよ。」

「んっふっふっふ!!」

「たまに声小さすぎて判定されてねえけどな。」

「ほんとに許せない〜!!この私の歌が聞こえないと!?」

「マイクもっと近づけてみたら?」

「まあありか。」

「たしかにそれはオオアリクイ!次やってみよ!!」

「あ、私も曲入れないとね。」

「なにを入れるんだい!!うー……やー!!!!!」

「お前何のエネルギーを貯めてなにをしたの?」

「質問。」

「んなことはわかってるんだよ!!う〜……!!」

「累もエネルギーを貯め始めた!!」

「……ふう。俺はエネルギーを貯めた。いつ叫ぶかは決めてない。」

「不発弾みたいなこと言い始めた。」

「はいはい。曲入れたよ、黙りなさい。」

「オーマイゴッドベイビー。」

「あぁ、私の神の赤ちゃん。」

「累、訳さないの。訳わかんないのが余計訳わかんなくなる。」

「『もっ〇け!セーラーふく』か。」

「うわ、急に冷静。」



「やっぱカラオケって4人くらいがちょうどいいよな。」

「歌いすぎても喉やるからね。」

「それ、まだ後半のデスボが響いてるわ。」

「累ほんと反省しないね。」

「確かにあれは凄かったね……。」

「世界最後の日かと思った〜。」

「俺そこまでなん!?」

「なかなかだよ。」

「まあ楽しかったらいいだろってことで。」

「それはそう〜!」

「橘はカラオケどうだった?」

「楽しかったよ、また行きたいくらい。」

「お、それなら良かったわ。また前口上聞かせてくれよ(笑)」

「それは勘弁して欲しいかも。」

「はははは!!」

「じゃあ帰ろうか。橘くんは逆方面だよね。」

「うん、じゃあまた来週!」

「おう、また月曜な。」

「またね。」

「ば〜い!」


 名残惜しそうにゆっくりと加速していった自転車が紫がかった茜色に溶けていったのをぼんやりと見送った。


「橘ってカラオケ行ったことなかったんだな。」

「去年は別のクラスだったから全然橘くんの人間関係とか知らないよね。」

「確かに〜。」

「まあ休み時間とかほとんど勉強するか本読んでそうだもんなあいつ。」

「わかる。なんか話すこと自体は好きだけど話しかけられにくいタイプって感じ。」

「お前じゃん。」

「おやぁ?累、私のこと友達少なそうとか思ってたのかな?」

「お前は余裕で話しかけにくいタイプだろ。俺がどんだけお前と女子の仲を仲介したと思ってんだ。」

「揺衣ってなんか近づきすぎちゃいけなさそうなオーラ出てるよね〜。」

「ほら、飛跳にすら言われてんぞ。」

「!?!?なぜ!?」

「お前ってナンパされないタイプの美人だから。」

「それどういうことなのかなあ!!」

「まあだから橘もお前も話したらおもろいけど最初のハードルが高すぎるってことだな。」

「わかる〜。」

「……褒められてるのか貶されてるのか難しいね。」

「褒めてるし貶してる。」

「まったくもう。」

「ねえねえ!私は?」

「飛跳は自分から話しかけるんだからハードルもクソもないだろ。」

「確かに。」

「話しかけるの好きだからね〜。」

「そんで話すと疲れるタイプだな。」

「え〜!!ひどい!!」

「まあ疲れるよ。」

「楽しいとその分疲れんだよ。」


「……。」


「……なに?急に黙るなよ。」

「えっと、累って私と話すの楽しいの?」

「すっげえ疲れる。」

「……そっか。すっげえ疲れるのか〜。」

「なんで嬉しそうなんだよ。」

「えへへ、私も疲れたから話さないよ〜。」

「なんだこいつ。」


 今日はなんかめんどくせえ帰り道だった。

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