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15.とんとんふととん

私はキラーマシンなので2回行動できます。

「よし布団2つ、ベッドは1つ。誰がベッドで寝る?」


 布団を持ってきたまま累がそう言った。


「1人ずつ候補を出すというのはどう?」

「ありおりはべりいまそかり!!」

「ラ変だ、勉強の成果が出ているな。それ1年の範囲だけど。」

「私は揺衣ねえの案でいいと思うよ。」

「私もそれでいいよ!!」

「んじゃ3人で決めてくれ。俺は風呂に入る。」


 そう言うと累はさっさと部屋を出てしまった。


「じゃあ早速言ってみようか。じゃあ優飛からね。」


 どうしよう、私からになってしまった。正直誰でもいいと思うんだけど。……この2人顔がマジだ。


「……じゃあお姉ちゃんで。」


 どうせお姉ちゃんのことだから「私!!」とか言いそうだし、そうしたらお姉ちゃんがベッドとすぐ決まるから楽そうだ。


「じゃあ次は私が言おうかな。優飛!」


 揺衣ねえは相変わらず甘やかしてくる。私のことをまだ小学生か何かだと思ってるんだろうか。


「最後私〜!えっと、揺衣!!」


 ……予想外だった。まさか姉が揺衣と言うとは。そして気づいてしまった。全員バラバラだから決まってない。


「1対1対1……サドンデスだね!」

「凄い、何をどう計算したんだろう。」

「でもこれじゃ決まらないね。」

「いや、決まったよ〜!!」

「ほんとにどういう計算?」

「みんな同点で全員優勝〜!!」

「優勝……?」

「てことで3人でベッドで寝よう!!」

「狭くない?」

「狭くない!」


 3人で累のベッドに乗ってみた。


「狭い。」

「そりゃそうだ。」

「……ほんとになにやってんの?」


 予想通りの結末を迎えた。


「でもこうやって集まるの久しぶりじゃん!!たまにはってことで一緒に寝ない〜?」

「……たしかに久しぶりだね。」

「まあ、そうだね。」

「たまには狭いくらいがちょうどいいこともあるか。」

「そのまま2人ともむぎゅー!」


 お姉ちゃんが布団で寝っ転がる私と揺衣ねえをまとめてハグしてきた。


「お姉ちゃん暑苦しいよ。」

「ふっ(笑)飛跳はまだまだだね。こうやるんだよ?むぎゅー。」

「揺衣ねえも……全くもう。……むぎゅー。」



 風呂から出てきたらなんか俺のベッドの上にクソでかい団子があった。


「なにこれ、俺が風呂入ってる間に何があったんだよ。」

「誰がベッドで寝るか決めてた。」

「それは俺がそう言ったから知ってる。」

「じゃあそれでいいよ〜。」


 飛跳が完全に溶けてる。ほんとにこいつらなにやってんだろう。


「まあなんでもいいけどお前らもとっとと風呂はいって寝ろ。驚くべきことに明日学校だからな。」


 なんで俺たち月曜日にパーティーしてんの?


「え゛」

「お前よくこれでショックを受けられるな。」

「パーティーはこれからじゃないの?」

「さっき終わったところ。」

「え゛」

「で、累いつまでここにいるの?」

「え?」

「女の子の部屋に居座り続けるつもり?」

「いやここ俺の部屋。」

「もしかしてなにかするつもりなの?」

「ここ俺の」

「うわあ〜累ってばいやらしい〜!」

「今すぐ出ていきます。」


 【悲報】俺、自分の部屋出禁になる。


「くそ!こうなったらやけ食いだ!」


 冷蔵庫からプリンを出して食べ始める。さすが生クリーム入り。ありえないくらい甘い、つまり美味い。


「うめ、うめ。」

「ただ今より毒ガス訓練を開始する!!」

「うわあ!!びっくりした!」

「何ひとりでプリン食べてんの〜!!」

「いきなり背後取るなよ怖いなあ!」

「隙を見せる方が悪い!」

「お前『この人隙だらけだな……攻撃しよ』とか思ってねえ?やってること辻斬りだからな?それ。」

「パーティーは終わったんじゃなかったっけ?」

「ぐ……。」


 優飛まで現れるとは……。


「パーティーじゃなくてもお菓子は食べるだろ?」

「累って天皇誕生日にしかお菓子食べないんじゃなかった?」

「俺そんな思想強くねえよ。」

「独り占めはずるいんじゃない?」

「独りだから独り占めしてんだよ。」

「なんかごめん。」

「それより風呂入りに来たんだろ?はよ入れ。」

「覗かないでよ?」

「覗かねえよ。」

「じゃあお風呂いただきます。」

「はいよ。」


 飛跳と優飛がリビングから出て風呂場に向かう。というか2人だとうちの風呂ちょっと狭くね?まあいいか。


「覗かないでよ?」

「覗かねえよ!!」


 俺そんなに信用ねえの?



「お風呂いただきました。」

「お風呂ごちそうさまです。」

「浴槽食ったん?」

「パジャマパジャマパジャマ〜!」

「パジャマの場所わかったか?」

「今着てるでしょ。」

「それはそう。泊まりは久々だったから忘れてるかと思ったわ。」

「案外覚えてるもんだよ。」

「気がついたら着てるまであったね〜!」

「累ってまだ家1人なんだね。」

「なに?憐れみ?」

「いや、そうじゃないんだけどさ、海外出張長いんだね。」

「出張というか普通に引っ越したからな。」

「え、見放された?」

「違うわ!まあ英語そんなできねえし、まだではあるけど受験もあるからな。」

「ふ〜ん、寂しくないの?」

「なめんな。」

「ははは(笑)」

「揺衣が待ってんだろ、さっさと部屋いけ。」

「はいはい。また明日。」

「ば〜い!」

「おうお休み。」


 寂しいも何もしょっちゅう来てんだろうに。

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