閑話その2〜橘勇気〜
詫びおまけ回です。第11話の裏ということで。
「「あいつ逃げた!!!!」」
風花さんがヒューン!と叫びながら帰ってしまった。……どうしよう。
「……。」
大井さんに睨まれてしまった。
「えっと……その……ごめん。余計なことしたね。」
「……はぁ。いいよ、気にしないで。」
気にしないでとは言われたものの、やらかした手前バツが悪い。
「……風花さん帰っちゃったね。」
「いや、飛跳のことだしどうせ帰ってないよ。」
「え、それなら近くに居るかな、すぐに探さな…」
「でも学校には居ないと思う。」
「……?」
どういうことなんだろう。
「どういうことなんだろう。」
「飛跳のことだから逃げる場所なんて決まってるよ。」
疑問が口に出ていたようだ。
「それならそこに行こうよ。」
「うーん……。橘くんはもう帰って大丈夫だよ。」
「僕はお役御免ってこと!?」
「違う違う。なんというかミスったのは私もってことかなあ……。」
何となく含みのある言い方だ。意味はよく分からないが、納得はいかない。
「大井さんはきちんと教えていたじゃないか。ミスったのは僕。大井さんは悪くないよ!」
「ん〜……。私はね、教えるのは上手いと思う。自画自賛だけどね、勉強は得意なんだ。」
「そうだよ!!だから僕が悪……」
「だからミスったんだよね。」
「?」
「分からないと思うよ?君には。」
「なんだよそれ。教える前に分からないって。」
僕は仲間はずれってこと?確かに3人は仲がいいのは知ってるけど、酷いじゃないか。
「そして私にも分からないことだよ。」
「……。」
「私たちはね、勉強が得意だしやるのが当たり前でしょ?」
「勉強は学生の本文。当たり前じゃないか。」
「だからね、勉強が苦手で逃げたい気持ちがよく分からないんだよ。」
「……そんなの弱さじゃないか。」
勉強をやらないのは逃げているだけだ。それは物事の本質を見失っていることだ。
「まあだからね、つまりは勉強を教える上手さと勉強する気持ちにさせることはイコールじゃないってこと。」
「……。」
そう言われると確かに納得できる。僕は誰かに勉強しろと言われなくてもやってきた。そこは僕の長所だと思っている。けれど、こう言われたらやる気になる、ということはピンと来ない。
「だからしばらくはほっとこうか。その道のプロに任せるとしよう。」
「……誰かいるの?」
「いるよ、そこだけは頼りになるのが。」
「へえ。」
「そこ以外はてんでダメだけどね。」
「なんだそれ(笑)」
「まあしばらくしたら私が鬼教官しに飛跳のところに行くよ。」
「僕はじゃあ教えるプロに任せようかな。」
「言うねえ。」
「まあでもしばらくはここにいるし、それまでは橘くん。」
大井さんが穏やかな表情でこちらを見つめる。
「教え方の勉強をしよっか。」
教え方を教える時も大井さんは鬼教官だった。
順番ミスったの放置しててすみません。




