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闇の暗殺者と幼き少女。  作者: 博多っ子
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第18話《ハジマリの少女》


 いつの時代か定かではない。


 ある山の中にその集落はあった。その地に少女は産まれてきた。その少女は別の場所からやって来た夫婦の子。


 余所者扱いはされずその集落に子供はいなかった為、、少女はそれはそれは可愛いがられ人々に愛された。特に腰まである長い黒髪は少女のお気に入りだった。


 そして少女が十歳になった時、その出来事は突然起きた。


 人々は少女を地下の監禁室に無理矢理連れて行き閉じ込める。


 少女は突然の出来事に困惑してしまう。


 時間とともに人間として扱われなくなり食料も食べさせてもらえなくなった。与えられるのは水だけだった。監禁した集落の住民は何も喋らず理由を言わない。


 少女は痩せた。


 少女は泣いた。


 少女は狂った。


 なぜ私がこんな目に?


 昔はみんなと一緒に笑っていたのに。


 なんで急にみんなの態度が変わったの?


 監禁され続け二ヶ月が過ぎ少女の体はもう限界だった。


 人は水だけの生活だったら一ヶ月が限界だというがそれでも少女は生きていた。


「はぁはぁ……ねぇ……なんで……私を無視するの」


 力なく横たわりもう立ち上がる事も出来ない。


 空腹という言葉はもうなかった。


 ただただ感じた事、それはもう私が死ぬと言う事だけだった。


 体は限界まで痩せ細り長い黒髪もかなり抜けはじめていた。


 もう私は死ぬ。


 それは分かっている事。


 だが理由が分からない。


 なぜ?こんな目に……


 その時、少女の耳から誰かの声が聞こえてきた。


 朦朧とする意識の中、必死に耳を傾ける。


 今までこの近くで集落の人々の会話は全くなかった。二ヶ月が過ぎ人々の緊張が緩んだのか、少女はとんでもない言葉を聞いてしまう。



『闇の生け贄まであとどれくらいだ?』


『もうすぐでしょ。彼女の生命が閉じる瞬間に実行しないと意味がない』


『これも村を守る為。仕方ないな』


……え、生け贄?私が?何で……


『母親と父親の処理は?』


『もう終わった。娘を返せとうるさいからな。やはり余所者は我らの事を理解出来ないらしい』



 その言葉が少女をどん底に叩き落とす。


 何で……パパと……ママ……を。


 怒りを通り越し憎しみが少女の頭を駆け巡った。


「なんで、パパとママを!?」


 力を振り絞り大声で叫び思いをぶつける。


『おい!今の話聞かれたぞ』


『別にもう隠さなくてもいいだろ』


 人々は少女の監禁場所の前に集まり出し口を開く。


『お前の命は今日の夜で最後だ。闇の生け贄になってもらう。やっと生け贄が出来る年齢になったんだ。長かった、この日は最高の一日となるだろ』


『ああ、女々《めめ》様。これでこの地に平和が訪れるんですね。全てはあなた様の為に私達は鬼となりましょう』


 横たわる少女に不気味な笑みを浮かべる人々達。


「女々?そんな人、私は聞いた事がない!」


『様をつけないか!生け贄の分際でこの集落の神を何だと思っている!!』


 そう怒鳴り散らし少女に罵声を浴びせる。


「神?そんなものの為にお母さんとお父さんを殺して私にこんな事をしたの?」


『十年に一度のこの夏が生け贄の時。お前が夏に生まれたのはまさに奇跡なのだ。もう話はこれまでだ。今日の夜、お前を女々様が祭られている神社の大木の横に埋めるとしよう』






……その夜少女は深い穴に落とされ人々から土をかけられる。







 暗い……とても暗いな……もう叫ぶ力はないよ。


 お父さん……お母さん……私は死ぬんだね。


 なんでだろうね……私達は……本当に不幸だね。


 ああ、もう光が見えなくなっちゃった。


 もう息が出来なくなっちゃった。


……………私は……………死ぬのか……………





 し………ぬ?………え?嫌だよ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。


 死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない。




 呪ってやる!!呪ってやる!!呪ってやる!!


 全てを呪ってやる!!全てを壊してやる!!


 私は絶対お前らを許さない!!





 ああ神様!!もし本当にこの惨劇を見ているなら私に力を貸してください。


 生まれ変わりでもいい。お願い!!


 この怨みを晴らしたい。

 この怨みを私は永遠に覚えておこう。







 怒りと憎しみが渦巻きながら少女は静かに目を閉じた。


 そして十年後……一人の少女によってその集落の人々は無惨な姿で全員惨殺される。








《現在》


「うぐぅぅ、いやあああ!!はぁはぁ、今のは……夢?」


 千夏は大声をあげ目を覚ました。息をゆっくり吐き、額の汗を手で拭う。


 水色のワンピースも汗を吸って色が変わっている。


「あれは……私?いや、私じゃないけど……あれは私だった」


「どうした?私の可愛い死神」


 すぐ横には東の殺人凶、Dの姿があった。


 二人は死島の砂浜におり夜の潮風を浴びていた。


「パパ」


「何だね?」


 千夏は死花を持ち上げ夜中の星空に掲げる。


「私は……誰なの?」


「……その問いに父の言葉が必要か?」


「いや、何でも……ない……」


 そして千夏は死花を下ろしこの場からゆっくりと去っていった。


「……まさか気付いて……いや、私の勘違いかな。それにしても問題はキルキラーだな。そろそろ奴ら殺人凶親子も動き出す頃合いか。この場所も騒がしくなりそうだ。ふははは!」


 そう笑い声を響きさせながら東の殺人凶は空を見上げた。


キャラクター《殺人凶》



東の殺人凶《別名、D》


・千夏の父親で記憶力の力を持つ殺人凶。北の殺人凶と同盟を組んでおり死島で暗殺者達を待つ。

ほかにも裏で…

示す言葉は嘆き。




西の殺人凶


・元、西の殺人凶の娘にして謎の多い若い女性。

ある場所へ行くと南の殺人凶に伝える。速力による攻撃は相手を瞬殺出来るほど。

示す言葉は絶望。



南の殺人凶《別名、ミュージックキラー》


・学生である若い殺人凶。本名、中原侑也。暗殺者、ダークミラーに激闘の末、左腕を斬られ敗北した。今は麻衣と言う少女と行動中。破壊力に関しては殺人凶の中でも最強と言われるほど。武器は鉄で出来た大きな槍。

示す言葉は恐怖。



北の殺人凶


・元医者であり子供を殺す事を楽しんでいる精神異常者。今は理由は不明だが東の殺人凶と同盟を組み暗殺者達を死島で待っている。かなりの実力者で戦闘能力がかなり高く、体を真っ二つにされても再生する異常な治癒力を持つ。プラナリアと言う生物のDNAがその能力を可能にしているらしい。 武器は腕に仕込んでいる短剣。

示す言葉は抹消。



古川千夏《別名、死神》


・正式にはまだ殺人凶ではない。悲惨な運命を嘆いている少女。育ててくれた親は本当の親ではなく虐待目的で預かっていただけであった。その運命を救ってくれたダークミラーと少しの間だが心休まる時間を過ごした。しかし実の父親、東の殺人凶に記憶を操作され闇に墜ちてしまう。戦闘能力はトップクラスで武器である鎌《死花》で圧倒的な実力を誇る。今までの悲しい出来事にさらに記憶を操作されたせいか精神が崩壊している。

示す言葉は不明。


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