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6.前世の兄と再会しました

6 再会


「!」

「どうかされましたか?頭取?」


(いま、微かに妹の魔力の気配が)


「あれ?誰かと思えば兄さんだったんですか?はあ、警戒して損したかもしれない、あんな可愛い弟を怯えさせてしまったかもなあ」

「……フィオ、る?なのか」


そんなはずがない、妹は死んだ、そうのはずだ。その書庫にこの人物の見た目はこんなに違う。だがしかし、妹と同じ魔力の気配がする。


「ええ、生まれ変わりました」

「……頭取?」

「……こんの!愚妹があああああああ!!」

「っえ?ちょっ頭取!こんなとこで上級魔法使わないでください!どうする気ですか?!」

「問題ない! フィオルが空間を展開しているし、これが我ら兄妹の挨拶の仕方だからな!」

「脳筋上司!」


そう言いながら彼が放ったのは風の上級魔法。周囲に竜巻を発生させる魔法だ。


(さて、どうする?属性は知らんが記憶があるなら問題ないだろ?フィオル?)


「兄さんはせっかちですね」


パチンっ!


指を鳴らしただけ。そう、指を鳴らしただけで、風の上級魔法が全て消えた。


「私の今回の属性、雷と闇と空間なんですよ」

「ッッ!だからと言ってここまでできるわげが……いや、フィオルならありえるな」


フィオルが発動させたのは闇魔法、『ブラックホール』。広域魔法で、その範囲にあるもの対象を決め、それを全て消滅させることができる。だが、この魔法は本来闇魔法にはない。この魔法はフィオルがこの1ヶ月で編み出した魔法である。ちなみに、この魔法かなりの魔力が削られるのたが、フィオルの魔力は無限大。全く尽きておらずニコニコと兄の方へ近づいていく。それを見た、もう1人の男がフィオルの前に立ちはだかる。


「あんた一体何者なんですか」

「私?私はねぇ、フィオル。狼の獣人で前世の記憶持ち。前世はそこにいるエルフ、ルークの妹だったんだ」

「あっている、だから下がれ、リュー」

「わかりましたよ……頭取」


(どうやら、このリューという人は兄さんの今の部下みたいだな)


この数年?数百年?の間でどうやら兄は里の外に出て何かの組織の頭取をしているようだ。


「兄さん、私が死んでから何年経ちましたか?」

「100年しか経ってない」

「案外短いですね。あっ、私の刀持ってたりしませんか?」

「あるぞ」


そうやって兄がカバン(おそらくマジックバック)から取り出したのは私が現世で使っていた刀。名を雷光。雷属性が付与でき、フィオルの魔力にも耐えられるように兄が作ったものである。

見た目は柄と鞘、鍔が黒く、刀身は少し黄色がかっており、夜の雷を連想させる。

フィオルはそれを受け取ると自分の陰に放り込む。それを見ていた兄は少しため息をつくとフィオルに懐から取り出した紙を渡した。


「これは?」

「俺が今所属している組織と情報交換の場所だ。お前だったらうまく活用できるだろう。まあ、働いてもらうけどな」


そう言いながら不敵に笑っているあたり、腹黒さが滲み出ているな、なんでことを思いながらフィオルは素直にその紙をしまう。


「まあ、いいですよ。できる限りはやりましょう」

「おう、助かる」


そうしているとリューが兄に声をかけた。


「頭取、もう時間です」

「もうそんな時間か?時間が経つのはあっという間だな」


兄はフィオルの方を向くと手を振る。


「じゃ、またな」

「ええ、また」


そうやって、2人は別れた。

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