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5.勉強は大切です

 

 あれから1ヶ月が過ぎた。あの日から私は勉強したり、アレクの侍従を決めたり、忙しい日々を送っている。そんな今日はアレクの魔法の訓練の日である。


「アレクシス様。ではやってみてください」


 そう言うのはアレクシスの勉強を見ることになったスーザン。彼女は魔法大学を卒業して一時期は家庭教師もやっていたそうなので魔法の扱い方をアレクシスに教えてもらっている。ちなみに、アレクシスの属性は火と氷だった。


(相反する2つの属性を持つのはかなり特殊だな……)


 ちなみに、私はこの1ヶ月でこの世界の知識をマスターし(前世と同じ世界に転生したからあまり変わっていなかった)魔法を学ぼうか悩んでいたが、叔父一家のこともあり魔力がないと思い込ませることにした。魔法に関しては前世と変わらない感覚だろうと思っている。しかし、問題は属性だった。私の属性は雷と時属性から派生した空間だった。


「アレクシス様、火魔法はもう問題ないところまで仕上がっていますね。氷魔法もそんなに問題はないですね」

「ありがとう、スーザン」


 日常生活では料理にも使われる氷魔法。圧縮し矢の形にして飛ばしたり最近ではそういうのも求められているためここはアレクの努力次第だろう。


「姉さん終わったよ」

「じゃあ次は私だね」

「え? どういうこと?」

「どういうって今日から剣術とか武術に関するものも初めていくでしょ?」

「なんでここで姉さんが?」

「まあ、まずは俺からですよ。アレクシス様、フィオル様」


 アレクが今日から始めるのは武術に関すること。主に剣術はウィルフレッドが担当することになっている。ここで私が出てくる理由は私の前世に関係がある。

 私の前世の職業は狩人。と言いつつも私の前世の種族であるエルフではこういうだけで人間の間では冒険者や暗殺者なんて言われていた。

 そんな私の得意分野は剣術から弓術、槍術、短剣術、暗殺術などなど様々。しかし、剣術は私の前世の国では刀を使っていたため、両刃である剣とは感覚が違うのか、単に私が慣れ親しんで来たものと違うのか、持った時にイラっとするのでウィルフレッドに任せている。


(いつか、刀を手に入れて振りたい。兄さん生きてたら作ってくれるかな。私と同じハイエルフだったから生きていると思うけど……)


「アレクシス様は筋がいいですね!」

「……そうなのか?」

「はい!」

「……」

(アレク、ちょっと照れてるな)


 そんなアレクを見て可愛いなと思っていると、剣術の稽古が終わったらしくアレクがこっちに向かってくる。


(もう1時間たったのか)


「姉さんは何を教えてくれるの?」

「逆にアレクは何がいい?」

「えっ……じゃあ短剣がいいな」

「ああ、持ち歩きやすいしね。なら最初は短剣術にしよう」


 そうやって私とアレクの訓練が始まったのであった。


 △▼△


 その日の夜――。

 フィオルは懐かしい気配を覚えて目を覚ました。窓の外にはなにもない。しかし、それはまやかしだ。気配は極限まで殺されてあるが、もう一人の気配の消し方が甘かった。否、相手がフィオルでなければその人物は気づかれていなかっただろう。

 隠し持っていたナイフを手に取りゆっくりとした足取りで気配がする方へと歩く。


(ここだ!)


 一瞬で相手に詰め寄り首元にナイフをあてる。もう片方の手でには細い針を持ち、もう一人の人物へと向けていた。


(ああ、やっぱり)


「久しぶりだね、兄さん」


 男の金髪がフィオルの肩にかかる。フィオルの首元にもナイフが当てられていた。


「……フィオル、なのか?」


翡翠の瞳をが零れそうになるくらい目が見開かれる。

彼は信じられないような目でこちらを見ていた。


「いったい、どういうことなんだ、フィオル。これは夢なのか……?」


彼こそがフィオルの前世の兄であるルークだった。


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