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4.愛しい人との再会(アレクside&???side)

 彼女と出会ったとき、僕は欠けていたパズルのピースが揃ったように満たされた。

僕の人生はそれまで欠けていた。

優しい両親、恵まれた環境、全てが満たされていた。だけど、僕の心はずっと欠けていた。そんな時だった。

両親が亡くなった。領地での視察中に馬車ごと落ちたらしい。前の日は別に大雨ではなかった。それより少し前に両親が懇意にしていた前リーセン侯爵夫妻が事故で亡くなった。そちらも似たように馬車が崖から落ちて下の川に流れた。運良く遺体は見つかったが亡くなっていた。

しかし、不自然すぎるのだ。それを報告してくれた屋敷の使用人も不審がっていた。今の侯爵になってからどうも動きがきな臭いと。彼は闇ギルドの人間だった。闇ギルド、と言っても彼が所属しているところはこの国の王からの依頼で各貴族を監視しているところだった。僕はそれをたまたま、視察に来ていた闇ギルドの長から聞いた。

そして、しばらくしてから僕に養子縁組の話が来た。これだけで僕は大まかなことを推測できた。侯爵が企んでいるであろう計画には前侯爵夫妻、彼らと懇意にしていた両親が邪魔だった。だから事故見せかけて殺した。そして、一人息子である僕は男児がいない侯爵家の跡取りとして生かされたのだろう、と。

侯爵かわ一体何を企んでいるのかは不明だが養子に入って僕は良かったと思う。幸せな家庭は失ってしまった。だから、復讐は当然だ。しかし、それだけを見て大切なものを失ってはいけない。

僕の大切な大切な人。()()()()()()()()()()()()


 △▼△


「げっ、今世こそってことか? 記憶を取り戻す前とはいえ……さすがだな」


 そう1人呟くのは、長い金髪を一つにくくり、その綺麗な碧眼を薄め渋い顔をしている生と死を司る神獣フィル。そんな彼の最近の悩みは転生したとある人物の心配である。ここで少し昔話をしよう。


 彼、フィルは元々人である。しかし、人というよりも別の、神に近い存在だった。

しかし、彼は、否、彼の一族は神と交わした契約を守れなかった。そして、彼と他の四つの一族の生き残りは大切な記憶を失い、永遠に近い時を生きることとなった。

それが、彼、生と死を司る神獣ブルーことフィルの過去だ。


彼は手を腰に置いてはあ、とため息を吐く。


「やっぱりアイツは執着強いと思うんだよな」


 そんなことをぼやいている彼のそばに来たのは創造神アイル。


「確かにねぇ。まあ、ちょうどいいと思うけど」

「そうか?っていうか、もう時間か。早く行かなきゃここの神域が壊れかねない……!」

「ふふ、破壊のは血の気が荒いもんねぇ」

「ほら、いくぞアイル」

「えー、にいちゃんって呼んでくれないの?」

「誰が呼ぶか!」


 フィルがアイルに追いつこうと走ろうとすると、急にフィルが水鏡の方を見た。


(未来のために必要だったとはいえ何もしないのは彼らに申しわけが立たない。だから、どうか今世では幸福に生きてくれよ)


 神がそんなに干渉していいのかはわからない。しかし、この先彼らがどう関わっていくのかは彼と、創造神であるアイルだけが知っているだろう。

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