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魔法学校で魔女と姿を入れ替えられて無実の罪で追放された私ですが、突然現れたドラゴンを下僕に従えて無双できました  作者: 秋名はる
最終章

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逃亡

ニグレスはフローレンスを連れてさらに飛び上がり、そのまま学園の入口の方まで後退した。

学問の前は広々とした広間になっている。この辺りにはまだ被害はなかったが、周りにいた生徒たちは、二グレスたちがやってきた闇属性寮のほうで大きな爆発音がして、更に黒煙が上がっている様子を眺め、尋常ではない様子だった。そこに更にドラゴンが現れたのを見て、更に動揺が広がっていた。


「ここまで来れば大丈夫だろう。フィフィ、怪我はないか?」

ニグレスが人型に戻ってフローレンスの方を覗き込んだ。


「私は大丈夫よ、ありがとう。

 あの閃光に当たらなかったから、魔力も奪われていないみたい。」

指には透き通った黄金色の魔法石が光っている。


「そうか、よかった。でも他に、痛むところはない?

 もしかしたら、僕の鱗に当たって怪我をしているかも。」


そういってニグレスはおろおろよ過剰にフローレンスのことを心配しだした。


「ニグレス、あなたなんだか前よりも過保護になっていない?」


二グレスは昔フローレンスを傷つけてしまったことが思い出されて心配性になっているのだろう。

フローレンスは呆れ返ってしまった。

しかし、念のため周辺を確認すると、確かに少しだけ腕のところに青っぽいあざができてしまっている。


ニグレスは青ざめた。


「あのね二グレス、私あなたがいなくなってから光魔法学生として何年も学んできたのよ。以前のようにみくびってもらっては困るわ。」


そう言ってフローレンスが指をパチンと鳴らすと、呪文も唱えていないのに、青あざが跡形もなく一瞬で消え去った。


「言ったでしょう、私治すのは得意なの。

 それよりも、これからどうしましょう。

 思っていた最悪のことが起こってしまったわ…。」


フローレンスは闇属性料の方を振り返って不安そうに呟いた。


「_そうかな? 僕は君を失うという最悪の事態だけは回避できてほっとしているところだけれど。でも確かにこれではまだ全ての脅威が排除できたわけではないな。」


「このままでは学園どころか国中が危機に陥ってしまう。

 あの厄介な鏡をなんとかしなければ。」



二人で顔を見合わせて苦慮している時、不意に背後の方で声が聞こえた。


「おーい、フローレンス! 無事か?」


振り返ると、学園から出た街の通りの先に、王立騎士団の一団がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。先頭に立っているのは、ラファエル大魔導士だ。

昨日の晩、フローレンスに言われた通り、森の洞窟に向かいもう帰ってきたらしい。


「やはり君の言った通りだったよ。」


ラファエル大魔道士は、今朝方森の洞窟に到着し、その中でフローレンスが言った通りカエルの魔物と遭遇した。彼女は歓喜のあまり泣き喚いて最初は何を言っているかわからなかったが、少しずつ事情を説明していくうちに確信が持てた。


「私も最初は信じがたかったが、彼女の言うことは偽りではないだろう。」


「そうでしたか、とにかく、真実が明らかになってよかったです。」

自身の疑いがようやく晴れることとなり、フローレンスもほっと胸を撫で下ろした。


「あの娘は今頃他の衛兵隊に付き添われてこっちに向かっているんだ。元の姿を取り戻す間、保護しなくてはならないから。」


「それより、学園のこの騒ぎはなんだ?

 一体私がいない間に何があった?」


ラファエル大魔道士はそう言って、学園の後ろの方を指さした。彼女に事情を聞こうと、一歩フローレンスの方へ詰め寄ると、するとすかさずニグレスが間に入って、彼女を自分の背に隠すようにしてラファエル大魔導士を威嚇するように睨みつけた。


「ああ君か、君もやはり彼女の元へ戻ったのだな。」


「そうだ。フィフィを巻き込むことになってしまったのは後悔している。でもこうするしかなかったんだ。」


ニグレスはそう言って後ろを振り返った。

学園の奥では黒煙が上がっていて、向こうのほうからメキメキと建物の崩れる音が聞こえてくる。


「とにかく、まずはヴィオレッタを止めなくちゃ。」

フローレンスは二人の間に割って入ると、ラファエル大魔導士に事情を説明した。


「ヴィオレッタは生徒達の魔力を吸収して暴れ回っています。被害はすぐにでも学園中に広がってしまうわ。

 なんとかして止めなくちゃ。」


「いいやフィフィ、君はここで待つんだ。元々は僕が蒔いた種なのだから。自分でなんとかするよ。」

そう言って、二グレスは一人で渦中の中に飛び込んでいこうとする。


「そう言うわけにはいかないわ。危険すぎる。」


「二人とも、危険すぎる。」ラファエル大魔道士が制した。


「ただ確かにこれは厄介だな。吸魂の鏡は禁じられた魔具の一つで、発動すれば見境なく他の魔法使いの魔力を吸い取ってしまう。あれを元に戻すには、鏡を破壊するしかない。」


「では、今すぐに鏡を破壊しに行きましょう。」

フローレンスは声を上げた。


「放っておけば、今度は学園だけではなく国中に被害が及んでしまいます。この場で彼女を止めなければ。」

 ニグレス、私を背に乗せてもう一度闇属性寮まで戻って。


「何言っているんだ、正気か?

 さっき僕が君を運んだだけでアザを作ってしまったのに。

 今度は背に乗せろだなんて、まるで自殺行為だ。」


二グレスは慌てて否定したが、フローレンスは取り合わなかった。


「言ったでしょう、私もう怪我なんかしないわ。

 心配しなくとも、次は保護魔法をかけていくから大丈夫。」


「そう言う問題じゃないだろう?」


「お願い、このまま彼女の好きにさせるわけにはいかないわ。こうなったのも彼女を追い詰めた私に責任の一端があるし、手伝わせて欲しいの。」


「仕方がないな…。」

ニグレスはようやく承知した。

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