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銀星狼伝説  作者: 寿和丸


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第17話 ズダールの謎

「この星は銀河帝国にも銀河連合にも属してない。と言うよりどちらからもこの星が見放されてしまった星だ。だから何世紀も経ってもこの星は昔のまま、いや退化してしまっている。無法の星と呼ばれる理由だ。」

「見放された?それは何故?」

「まあ普通に言われているのは、この星は両勢力の中間点にあるから、どっちも手が出せないというのが理由だ。」

「普通に?あなたはそう考えてないのですね?」

「まあ、考えてもみろ、勢力の中間にあるなら、どっちのほうも、いち早く取り込んで手中にしたほうが有利と見るはずだ。そんなこと子供でも分かる。」

「だったらなぜこの星は見放されたんですか?」

「ロボットが使えないからよ。」

「ロボットが使えない?そんなことあるのか?」

「ああ、この星でロボットを使おうとすると、すぐに故障して動かなくなるか暴走する。だからどっちの勢力もこの星を見放した。ただ、ロボットが使えないのを理由にするのは、どっち側もかっこ悪いのであえて公言しないようにしている。」


「でも、ロボットがないと何もできないのでは?宇宙船の発着はどうなっているんですか?ロボットなしでどうやって運行管理しているのですか?」ウリューにとって気がかりは船が運航しているかどうかだ。宇宙船が運行していなければ、リサに会いに行けなくなる。

「この星の全域でロボットが使えないのではない。ここと反対側ではどうにかロボットが使えている。そこでは最低限、ロボットを置いて、宇宙船の保守管理や運行までを行っている。まあ、それも固いシールドを張ってどうにか使える状態で、空港など重要な場所しかロボットを置いてない。」

どうやら宇宙船の発着はあるらしい。それで一安心をする。


「でもどうやってここで生活できるんです?電気はどうしているんです?」ロボットなしで社会が維持できるとは思えなかった。

「人はロボットなしでも生きていけるものさ。遅れてはいるがそれなりにやっていける。まあ、原発などの危険なものなんてこの星では怖くて持って来れないから、電力なしだ。一部の宇宙港のある地域以外は電気なしで暮らしている。」

「電気がなしで生活しているのか?」

「この部屋を見てみろ、照明に使っているのはランプだ。こっちの照明はこんなものしかないんだ。」

言われて初めて気付く、店は暗くはなかったが、植物油を灯したランプだけで、電灯などは一切ない。薄暗いのは電気がなかったせいだ。

「川を堰き止めて水力を使って発電はできるだろう?」

「出来るよ。だがな、ここには銅線がない。銅鉱石はあっても銅線をまだ作れないから、ダムを造っても電気を送れない。電気で動く製品がそもそもないから誰も電気を必要としない。」

町に来て随分、遅れた町だと感じていたが、それは電気がないのが一つの理由だった。


「そうすると、加工機械をどうやって動かしている。エドが乗っていた飛行機も、この町を走っている車もここで作っているはず。製造装置の動力源は何だ?」

「儂がこの町に来た時、ここでの乗り物は馬車だけだった。だがな、ここには石油や石炭、それに鉄や銅などの鉱石もある。だからまず、石炭や石油で動くエンジンを作った。ここには何もなかったが、人はいる。しかもここの人間は、何もない所で色々工夫して生きていた。農機具などをここらの人間はほとんど手作りで作っておった。だから、鉄を取り出す方法、加工の仕方教えれば、鉄製品などすぐ作れるようになった。ここら辺の人間は頭もいいし、手先も器用だ。後は彼らにやりかただけを教えればよかった。」

「それをあなたは教えて来たのか。凄いですね。」ウリューは心の底から感心する。(何もない所から自動車や飛行機までも創り出すなんて、口で言うほど簡単ではなかったはず。ここの住民が優秀にしても、このサトーは知識があって教え方がうまいからだ)


「エンジンはどのようなものを造ったんですか?」

軍人教習での座学で昔のエンジンを教えられた。どんな物がここで使われているのか興味がある。

「いろいろ作っている。ガソリンエンジンからディーゼルエンジン、蒸気機関まであるぞ。ここは地球以外で最も原始的なエンジンが見られる場所だ。」

「それなら、何時かエンジンを見せてくれませんか。それに自動車や飛行機を作っているところも見たいです。」

「ああ、構わん。なんなら明日でもいい。」

「是非、お願いします」

興味本位言ったのだが、こんな未開のような星で、原始的なエンジンを間近に見れるなんて思ってもみなかった。


「ところで、ロボットがこの星で使えない理由は何なのですか?普通のエンジンは使えてロボットが使えないのは何か腑に落ちませんが。」

「原始的な機械は使えて、ロボットのような高度の物は使えない。この星の謎だよ。ただいくつかの推測は成り立つ。

まず一つは、ロボットはセンターや他のロボットと常に交信している。それが阻害されていると考えられる。ただな、ロボットは単独でも行動できるように造られておるから、少し納得がいかない。

次に、ロボットに何らかの自己破壊命令が外部からもたらされているということだ。これはあり得ないことではないが、ロボットにも自己保身機能が付いてあるから、よほど強力な命令でもないと、受け付けないはずだ。

第三に、ロボットは強い放射線によって電子回路が破壊される点だ。これは故障したロボットのいくつかに回路がダメになっているのが見つかっている。ただ、これも相当強い放射線でもないと破壊できないはず。そんな放射線を浴びたら、人間もおかしくなったはずだが、傍にいた人間は無害だった。

まあ、いろいろ考えられるがどれも決め手に欠けている。

ともかくここでは高度な電子回路を持つロボットは使えなくて、単純な配線しかない機械だけが動かせる。」

サトーにも原因を掴めてなかった。


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