私の戦闘力は
――魔王。魔物の王様なんだろうけど、やる事は嫌がらせやイタズラが殆んどらしい。
魔王は吸血鬼(多分)の貴族でいかにも紳士、といった感じのイケメン中年なのだが……
このおっさんはこの見た目でイタズラや嫌がらせが趣味の変態か。てっきり某アンコの敵役みたいなのを想像していた。
魔王が無造作に近付いてくる。
ムーニンとキーヨが嫌な汗をかきながら俺達を守る様に身構えた。
「そやつが噂の真人か……?」
「そうだ、耕作さん達は真人だ、それがどうした魔王!」
いきなりこちらの情報を漏らすムーニン。ダメだ、こいつら正直すぐる。
さすがに俺も嫌な汗を流すが殺されはしないようなのでまだ余裕があった。
俺は魔王に問うた。
「魔王、ちょっと聞きたいんだが、アンタが神様なのか?」
「……うむ、如何にも。よく分かっておるな。我輩こそが神的存在。いや魔神と言ってもよかろう。フハハ」
「そうか……」
どうやら変態=神様≠魔王=変態らしい。
「ムーニン、キヨ、魔王って強いのか?」
「とんでもなく強い、STRもINTも少なくとも10000はあると言われている」
……10000か強すぎんだろ。
「ちなみにムーニンは……?」
「強化して2000ってところかな。キーヨさんも同じくらいだよ」
「おい、真人!魔王はワイらが抑える。お前らは早よ逃げい」
事態は俺が思っているよりは深刻なようだ……。
10000対2000+2000か、俺も『破壊王』でSTR×2入ってるしさらに身体強化できる、従魔もいるし……相手が殺さないならつもりなら多少助けにはなるだろうか……
「フム……貴様らは勘違いをしておるな……我輩はそこの真人と話をしに来ただけであるぞ。……あと我輩のSTRとINTは100000だ貴様らごときに抑えられはせぬ」
私の戦闘力は530000です――漫画越しにも感じた絶望感。
今、皆はそれを味わっているのだろう……俺と舞以外は。舞は怯えるガンちゃんの上でニコニコしている。
俺はわりと冷静だった。肝が座ってきたのもあるが、殺さない魔王が真人の事で話がしたいというのだ。
どちらにせよ戦力差は如何ともし難く、殺されるか言うことを聞くしかないのである。
……恐らく交渉になるか、覚悟決めてやるしかないな。まさか魔王と交渉とは、上司に(嫁にも)絶対服従の俺がね……
「魔王よ、絶対にこちらには手を出さないと誓うなら話し合いに応じよう。」
こうして魔王との話し合いが始まった――




