38話 世界一の輝き
4月6日午後2時
星のライブが始まった。
かなたはまだ到着していなかった。
三人は配置につき、星を見守る。
「私の声聞こえる?」
「こっちは聞こえる」
「かなめは?」
「……」
「かなめ?」
「は、はい!聞こえます!」
かなめは最前線で星がよく見える、そのため楽しまずにはいられなかったようだ。
三人はマッスルを使って連絡を取り合っている。
だがマッスルは携帯型で、手に持ちながらスピーカーで話しているため周りから見ると結構変な奴に見られてしまうのだ!
今回は周りの人々はライブに集中しているため誰も気にしてはいなかった。
「片手に持ちながらだとかなり不便ね」
「そうだな……」
「それにしてもかなた遅いわね」
「まさかまで寝てるとかないよな?」
「ないとは思うけど、電話でないんでしょ?」
「何回かかけてるが全くでない」
それもそのはず、かなたは喫茶店にマッスルを置いてきているのだから。
――
一方その頃、かなたはというと。
気絶していた。
数十分前――
「いや~ホントありがとうございます!」
「いえいえ、気にしないで!目的地が同じだから手間もかからないし」
「着いたらお金、渡しますね!」
「え?いいよ!気使わなくて」
「いやいや!さすがに乗せてもらってるので!じゃあ飲み物でも買いますよ!」
「飲み物もいいよ、あ!じゃあ一つお願い聞いてくれない?」
「なんですか?」
「死んで」
「ッ!!」
お兄さんがかなたの顔の目の前に手を伸ばすと、いきなり爆発した。
ババババシュン!
近距離の爆発を浴びせられたかなたは何もできぬまま気絶した。
「車壊さないように小規模爆発にしたせいで殺しきれなかったか」
「ま、気絶してくれたしいいか、どうせこのまま車ごと死ぬんだし」
そういうとお兄さんは速度を上げ会場に向かった。
星のライブ会場は高速を降りてすぐの場所にある。
そしてとてつもなく広い駐車場、速度を上げたまま高速を降りると、スピードを緩めることなく駐車場を駆け抜け、ライブ会場目掛けてで突っ込んでいく。
「あははは!この車に積んである特性爆弾が爆発するとライブ会場の至る所に仕掛けられた爆弾が同時に爆発する!星もろとも会場にいるやつ全員バーン!だ!」
高笑いしながら会場に向かう、目の前には会場の入り口、あと少しのところで突然車の前に何者かが現れた。
「どけ!ひき殺すぞ!」
ガシャーン!
車はそのまま何者かに激突した。
気が付くと、ボンネットが開き大破した車の中にかなたはおらず、お兄さんだけが取り残されていた。
「は……?どうなってる、何にぶつかった!?」
前方からは煙が出始める、運転席部分は衝撃で潰れ身動きが取れない。
正面に誰かの気配、しかしボンネットが開いているせいで正面に誰が居るのかわからない。
「クソが!クソクソ!」
もがいているうちに徐々に車全体が燃え始め、お兄さんは車に残されたまま爆発した。
爆発は連鎖し、周りの車にも火が引火し次々と爆発し、辺り一面が一瞬にして鉄の塊と火の海に変わった。
「この程度で死ぬとは思っていなかったが、まだまだ余裕そうだな」
ババババ!
辺りを爆破し火の海から出てきたお兄さんはまだまだ元気そうだ。
「誰かと思えば――世界指名手配中のガチメルじゃねぇか」
「そうか、私は世界指名手配に載っているのか」
「随分余裕そうだな……!俺が誰だか分かっているのか?」
「対獣人団体幹部バクマ、爆発の人工魂持ちだろ?残念だが君じゃ私の相手にはならない」
「なんだと!獣人界の汚点が!今ここで殺してやるよ!」
――
水竜が必死にかなたに語り掛ける。
(かなた、かなた起きろ!いつまで気絶してるつもりだ!)
「あ、ああ」
「頭がくらくらする、いったい何が起きたんだ……」
(お前はさっき顔面直撃で爆発を受けて気絶した、しかもそいつがまさかの殺害予告の犯人だったってわけだ)
「……ええ!まじか!こうしちゃいられない!そいつを捕まえないと!」
(そいつは今バケモンみたいなおっさんにボコされてる)
「……は?どういうこと?」
(お前は助けられたんだ)
かなたは車が潰れる前、なんだかの能力によって助けられたのだ。
車が潰れる瞬間、助手席のドアが開きタコの足のようなものに巻かれ車から脱出、そのまま担がれ戦いの場から離れたところに移されたのだ。
助けられるとき微かな意識の中でかなたは少し話していた。
「あんた、なんで俺を助けた……」
「なんでだろうな」
「俺が敵かもしれないだろ」
「そうには見えないな」
「……」
かなたは目を瞑った。
「それと私は、五感には自信があるんでな」
またしても投稿頻度が落ちていますが週一は出そうと思っているので見てくれている方々は気長に待っていただけると、ありがたいです
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