第二話ーー美人さん〜〜!
本日は勢いに任せて連続投稿です!
「質問されているのに無視をするとは何かやましい事でもあるのかい?それとも君は話せないのかな、もしそうなら手話で話すが…」
そう言って手をいろいろと動かす美人なお姉さんーーで合ってると思うけど、見た目的に年上の色香があるし。でも間違ってたら失礼なのでここは美人さんにしとこう。たぶん美人さんの動かしてる手は手話の何かなのだろう。最後に可愛らしく小首を傾げる美人さん。
めっちゃ可愛いんですがその…目のやり場に困ると言うか目の保養になり過ぎると言うか、すんませんDTチキンな俺には堂々と観察するのはもう無理です!流石にこれ以上は股間事情的にも一介の大人事情的にもDTの端くれ事情的にも危ういんです!!みんな…チキンな俺を許してくれ……。
「ん?どうしたんだ君。私が近づいた時に起き上がったから起きているものと思っていたが…、まさか寝てる最中に反射的に身体が動いたとかじゃないだろう?もしや熱でもあるのかい?すまない、私はまだこの世界でなったことがなかったので気づかなかった。許してくれ」
そう言って膝に左手を添えながら前屈みになって右手を兜に伸ばしてくる美人さん。自己主張の強い胸の巨峰が重力と美人さんの動作に合わせて形を変える。
こう…ムニっと谷間に寄せられた形になりよった!先程まで泳いでいたからまだ乾いてない身体だ、粒となって残っている水が形の変化によって谷間に垂れる…!それを見た俺も美人さんに見習って前傾姿勢だ!
「ん…。どうした、やはり熱があるのか?いきなり倒れてきて……」
あぁー失敗した!美人さんは前傾姿勢になりながら迫ってきていたので俺も前傾姿勢になることで俺の顔が美人さんの谷間にハイタッチだ!いや、ハイタッチというのは頭より上で手を叩き合うことを言うので少し違うな…。じゃない!谷間が目の前にあるのだ、これはなんと言うハ…ハッピー!じゃなくてハプニングだ!ああ…兜が無ければ肌で感触を味わえたのに〜!って、何だ?今口に何かぬめりとした液体のような物が当たったぞ。
「…ふ……あっ、どうしたんだ君…。鼻息が荒い…ぞ」
どうやら俺は鼻息が荒いらしい。だがそれも仕方がないと思う、許してくれ美人さん。後ちょっと感じたのか、口から漏れた吐息混じりの声が威力高い!
「やっぱり熱があるようだ、すまないが勝手に兜を取らせてもらうよ。何…女同士だ、他に誰かが見ているわけでもないし兜くらい取っても怒らないでくれ」
そう言って兜に手をかけ、後頭部と首筋との間にある紐を解いて緩める美人さん。
え?女同士?待った、美人さんは俺のことを女と勘違いしている?いや、確かに俺は高1の頃まで女に間違われることはあったが今では普通にどこにでいる二十歳過ぎの体型の細いオッさんだぞ。それに今の装備は重戦士系のゴリゴリの装備だ。間違えるような要素なんてどこにある?ていうかコレちょっとヤバくないか?兜を外したら中にいるのはオッさんだぞ。美人さん今の格好を隠そうとしてない理由は女同士だからまあ良いかってことだろ!?それって俺が男だとバレたら終わりじゃないか!?俺の人生設計的にも美人さんの羞恥心など諸々の思考的にもさ!ヤバいヤバいヤバい!!
そんな俺の心の中での葛藤など知る由もなく美人さんがアッサリと俺の兜を外した。
「よし、コレでもう大丈……ぶ………」
美人さんの目が見開かれる。可愛らしい小さなお口がポカーンってなってて、なのに失われない姐さんオーラ。美人さんマジ女神っす。
もう手遅れだと分かった途端俺の中の何かが切れて焦りや動揺といった物はこの時にはもう無くなっていた。それ故に先程とは打って変わってじっくりと美人さんの愛らしいお顔をガン見しました。それだけで目の保養になるなんて、美人さんは本当に凄いです。だんだん赤みが増していく顔とか恥じらいに歪む表情とかマジでアリガタヤァアリガタヤァ、神様って本当にいるんだね!
「……ぅ」
う?どうしたんだろう、腹でも痛いのだろうか。それなら俺は良い回復薬を持っているので、目の保養代として99本ほどあげても良いのだけど。凄いよ、一本飲むだけでHP全回復するよ!
「ぅうううあぁぁあぁあぁあぁあぁあああああああああああああああぁぁぁああああああ!!!!」
おお、凄い!ハイラバベロニーテシェルドレイクの咆哮よりも大きな声が出たんじゃないか?もしかしたら美人さんはボスモブ志望なのかもしれない!あ、美人さんが内海に向かって走ってく。ダメだよ美人さん!マングローブの根は結構隙間多いし、まだ全身水で濡れてるのに走ったりしたら滑って転けちゃうよ!?…あ、遅かった。コントやギャグ漫画とかでよく見るバナナ滑りみたいな転け方で、ゴンって鈍い音を鳴らして後頭部を打っちゃった。大丈夫かな、美人さん。あ、隙間に落ちた。
………。
…………………あれ?
び…美人さん?
泳いできてたから泳ぎのアビリティカード持ちだよね?ち…違ったのか?もしや後頭部打ったから意識失ってるとか?それってモブにとっては関係なくプレイヤーは攻撃対象だったよな。ヤバい!
「美人さん!」
俺は走って美人さんが落ちた根の隙間を確かめる。
「おいおい冗談だろ…。美人さんは確かに引き締まった身体つきしてて細めだけど、胸のデカさ的にもこのちっせえ穴には入れねーだろ…」
そこには子供も入るかどうか怪しい小さな隙間しかなかった。もしかしたら裸だったから美人さんは入れてしまったのかも知れないが、重鎧を着込んでいる俺はどう考えても入れる気がしなかった。
「くそっ!どうする…、早く助けに行かねーと美人さんの命が…!」
ふと視界に入った俺の愛剣伸縮自在の悪魔。こいつなら攻撃力がバカ高いからもしかしたらマングローブをぶち壊せるかも知れない。そう思い立ったが、すぐに愛剣を手にし、俺の使用できる剣士系スキルを使用する。大剣を大きく振りかぶり、大上段から思考操作という難易度の高いプレイヤースキルを使用して、剣士凡庸スキル"スラスト"を発動する。スキル発動によるエフェクトが愛剣を覆う、と同時に俺の全力全開の一撃を放つ。
スラストの効果で更に速度と威力を増した多節型伸縮刃状鞭は切っ先が鍔の速さについていけず同系統の武器の中で最も多い17節を稼働させ、刃の付いた鞭と化す。それを尋常ならざる動体視力で確認した俺は鞭として最も威力が高まるように、もう一度思考操作でスラストを次は振り上げに使った。マングローブに触れるか触れないかの位置で刃達が鞭の法則に従って下から上へと速度を増して返っていく。そして最後にやってきた切っ先が慣性の法則に従って途轍もない勢いで空気の壁を割いて、衝撃と共にマングローブを強かに打った。
仮にも木と武器が当たっただけにしてはとんでもない轟音が響く。飛び散る砂煙に木の破片と思しきもの。少し焦げたような匂いがしたが、まあマングローブは水分の保有量が凄いので問題はないだろう。
「どうだ…?」
砂煙が風で掻き消されるのを待って確認する。そこにはお世辞にも綺麗とは言い難いが重鎧どころか現実世界にある中型のバイクすら入れそうなドデカい穴がポッカリと空いていた。
「よし、コレで助けに行ける!」
そう言うや俺は美人さんを助けるために飛び込んだ。あれほど泳ぎアビリティカードがどうこうと言っていたにも関わらず、泳ぎアビリティカードを取らずに。
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