83.案内
「なんでしょうか」
俺は不満そうに手を挙げるガルの方を見る。
「いやよ、事件の背景はわかった。でもだ、そんなことよりもっと大事なことがあるだろうが!」
ガルは強い口調で俺を睨みつけるが俺にはさっぱりだ。
「他に何かありましたっけ?」
「とぼけるんじゃねぇよ。お前らが使ってる船とか武器とかはなんなんだよ!」
ガルが気になったのはそっちらしい。
「あまり細かいことは機密なので言えませんが、簡単には説明させてもらいます。でも話だけではわからないでしょうから現物を見ながら説明しますよ」
俺は全員に席を立つように促した。
「では、港から案内しましょう」
「しかし、こんなデカイ基地どうやって作ったんだ?」
港へ向かう道すがらガルが聞いてくる。
「機密です」
俺はキッパリと答えた。
だってスキルがどうのこうのなんて言えるわけがない。
言ったら俺個人の希少性爆上がりである。
俺を誘拐して兵器を出させれば、最強国家が出来上がるのだから。
「まぁ、いいけどよ。しかしここに居るとこれまでの価値観が全部壊れるぜ」
ガルは疲れたような顔で言った。
「はは、」
俺は乾いた笑いで相槌を打つ。
そうこうしているうちに港についた。
船の中に入るとまたガルが「あれなんだ」だの「これはなんだ」だの言いそうだったので港から船を眺める形で説明していく。
「やっぱり規格違いだな。材質の見当もつかねぇ」
ガルが声を漏らす。
「この船はイージス護衛艦という艦種です。この艦はほぼ全ての任務に対応することができます」
俺はめちゃくちゃ簡単に説明を済ませる。
あまり突っ込まれた質問をされないことを願うが鍛冶屋の男からその希望を打ち砕くようなオーラが発せられていた。
「この船の攻撃能力はどんな感じなんだ?」
ガルが聞いてくる。
「そうですね・・・」
俺はチラッとガルの方を見る。
ガルは腕組みをして艦の方を見つめており、到底誤魔化せるような雰囲気ではなかった。
「この一隻でガジス王国と戦争しても勝つでしょうね」
俺は答えた。
「「「「はぁ!?」」」」
この回答にはガルだけでなく、シンステリアやカイラ、ムルまで驚いた様子である。
「そんな兵器を俺らの送り向かいだけに使ったのか!?」
ガルは信じられないという様子で俺に詰め寄ってくる。
「えぇまぁ」
「はあぁぁぁ」
ガルは大きなため息をつく。
「シルから船の中で変わった奴だとは聞いていたが、まさかここまでとはな」
ガルがしみじみと言った。
しかしちょっと待ってほしい。
ちょっと変わったシルに変わった奴だと認識されていたのか!という事実にちょっとだけ俺がダメージを受けているとその張本人が口を開いた。




