84.案内2
「ねーねーあっちの黒いぷかぷかしてるの何!?もしかして小隊長さんが巨大化したの!?」
シルが聞いてくる。
どうやら潜水艦を使い魔と勘違いしたらしい。
「いや、あれは違うよ」
「じゃあ何なの?」
「いやーなんというか。ね?」
俺は言葉を濁す。
イージス護衛艦だけであんなに驚かれたのに潜水艦の大まかな性能など言えるわけがない。
しかしシルから向けられてくる視線はそう簡単にはあきらめてくれなさそうな雰囲気であった。
「どんなの!?」
シルは追撃するかのように聞いてくる。
ガルも気になるのか娘を諫めるような感じはなかった。
「そうだね。時と場合によってはイージス護衛艦を倒すことが出来る船だね」
「ハッハッハ」
俺の答えに笑い声をあげたのはガルだ。
「おいおい。イージス護衛艦とやらで王国が滅んじまうほどの攻撃力があるんだろ?それを沈めちまえる船がたくさんあるように見えるのは俺だけかい?」
ガルは笑みを浮かべて言い寄ってきたが目だけは完全に笑っていなかった。
「見間違いじゃあないと思いますよ。複数隻ありますので・・・」
俺は遠くを見ながら言った。
なんというか、さすがにガルの顔を直視しては言えなかった。
「あんた。一体どこの国を亡ぼす気なんだ・・・」
ガルは独り言のように呟いている。
スルーしておこう。
「さて次は飛行場に案内しますよ」
俺は飛行場へ歩き出した。
「広いな」
飛行場に着いてガルの第一声である。
たしかに木とか生えていないから初めて見る人にとっては灰色の固い土で覆われているだだっ広い土地に過ぎない。
飛行機は格納庫に駐機しているから屋外には無い。見えるのは本部の建物と管制塔とロケットの発射台、B-52用の格納庫くらいである。
「飛行機を言葉で説明してもわかりにくいですから本物を見ましょうか」
俺は格納庫へ案内する。
格納庫は地下にある。
入り口は地上にありそこから超大型のスロープを下って地下に入る感じだ。
B-52などは格納庫に入らないので地上に格納庫を作ってある。
なので地下格納庫にはF-22やF-35B、MQ-1Cなどが駐機してあった。
「あんた、これ。私の見間違いでなければスヴェート倒した奴じゃないの?」
カイラがF-35Bを指さして言う。
「そうだけど」
「増えてない?」
カイラの指の先には6機のF-35Bが駐機してあった。
「前来たときは1機しかなかったように思ったんだけど」
「増やしたから」
俺がなんでもなさそうに答える。
「はぁ。一機で龍種倒せる飛行機が6機あるって何?」
カイラが睨みつけてきた。
「いやぁ。ははは」
俺は本日何度目かになる乾いた笑いを繰り出す。
「それでとぼけれると思ってんの?」
しかしカイラに効果はなかったようだ。
「いやね。戦争とかあったし何があるかわかんないじゃないですか」
俺は言い訳のように呟いた。
「だからってねぇ・・・」
カイラはあきれ顔である。
「こっちの奴の性能はどんな感じなんだ?」
カイラと入れ替わりでガルが聞いてくる。
ガルの視線の先にはF-22が駐機してあった。




