82.カイラ合流
「報告します。アウトバーナーで暴動発生の模様」
俺は報告を聞いていた。
報告の情報元は空の上。宇宙にある監視衛星からの画像である。
その画像を見れば全世界で起きることを逐一知ることが可能だった。
ただしMQ-1Cよりも解像度は低下するため詳細な情報を得る際には航空機を飛ばさないといけないが大まかな情報であれば衛星で充分であった。
「ちょっといろいろ起こりすぎだろ」
俺は呟く。
さっきから報告が連続して届いていて休む暇どころか一つの事案に対処できる暇すらなかった。
主な出来事としては大陸各地のギルドが現地当局によって封鎖されたこととギルドメンバーの暴動が各地で起こりつつあることである。
「報告します。イージス護衛艦が帰港しました」
使い魔からの報告が聞こえた。
「じゃあ港まで迎えに行ってくるよ」
俺は作戦情報室を後にした。
「あんたねぇ!」
顔を見るなりこっちに向かって走り出したのはカイラである。
「なんでこんなことしたの!」
「君らを助けたかったから」
俺はさも何でもないように告げる。
「はぁ?あなたガジス王国を敵にまわした事分かってるの?」
ちょっとイイ感じのセリフを言ったと思ったのだがカイラは気に召さないようだった。
やはりミリオタ大学生にこういうセリフは早いのだろうかなどと考えているとまたうるさい声が近づいてきた。
「助けてもらったことは礼を言う。だがここはどこだ?そしてこの船はなんだ?俺らが途中に乗った空飛ぶ箱は何だ?何がどういう経緯でこの状況になった?」
声の方を見るとガタイのいい男が居た。
「あなたがシルの父親ですね?」
俺は丁寧に聞く。
「あぁシルの父親でガルっつうんだ。あれが嫁のシンステリアだ。さて説明してもらおうか」
ガルはまっすぐにこちらを見据えている。
「えぇ説明します。でも外じゃ何ですから室内でお話ししますよ」
俺はカイラ達三人とシルの両親を会議室に案内した。
会議室に移動し終わると俺は全員に椅子に座るように促した。
会議室は中央に大きな楕円形の机がありその周りを椅子がかこっている。
俺は会議室前方の座席に座ると説明を始めた。
「では、この事件の顛末をお話しします。まずこの事件はアウトバーナー男爵が我ら国際独立軍の軍事情報を知ろうとしたために起こったものです。その目的達成のために我らと交流のあったカイラ達三名が不当に誘拐され逮捕監禁されました。そしてシルのご両親のガルさんとシンステリアさんが連れ去られた理由はあくまで私の憶測となりますが、カイラ達三名に早く情報を言ってもらうための交渉材料にしようとしたものと考えます。ギルドとアウトバーナー男爵のつながりは今のところ確実とは言えませんが高確率であるという風には考えています。そして国際独立軍の対応ですが現場上空をはじめとしてアウトバーナーへ部隊を小数展開し救出作戦を行ったものです。作戦は成功しています。以上が現在の状況です。ただしこの先急な情勢変化がある可能性がございますので申し訳ないですが皆さんにはしばらくこの島にとどまって頂きたく思います」
俺が言い終えるとガルが手を挙げる。
「ちょっといいか?」
その顔には不満の色が見て取れた。




