41.奴隷商館2
カイラと俺はジュギャイア奴隷商館の戸を開けて中に入っていく。
中に入ると屈強な男が老紳士を囲むような形でこちらを見ていた。
「何か用か?」
男の一人がこちらに問いかけてくる。
「カイラよ。奴隷を見せて」
カイラが老紳士をまっすぐと見据えながら言った。
それを聞いた老紳士は一瞬目を見開いたかと思ったら表情を戻し男たちに何かを囁いた。
すると男たちが別の部屋に消えてゆき老紳士は奥の部屋についてくるよう俺ら二人に言った。
奥の部屋に移動すると老紳士はソファに腰かけて、俺とカイラに向かいのソファに座るよう促した。
「ジュギャイア奴隷商館へようこそ。私は当奴隷商館の主のジュギャイアと申します。してあなた方はどういった奴隷をお求めですかな?」
老紳士改めジュギャイアは問いかけてきた。
「今日ここを訪れたのはこの男、サトウっていうんだけどこの人が国際連合っていう組織を立ち上げるのに文官が不足しているからなの」
俺の代わりに答えたのはカイラである。
「カイラ。それはいくらなんでも馬鹿正直に言いすぎじゃないか」
俺はカイラに耳打ちした。
もしこれを利用されてジュギャイアに利のある人物を国連に紛れさせたくなかったからである。
「この人は信用できるから大丈夫よ」
カイラが言った。
「その自信はどこから」
と聞こうとしたところでカイラが俺の話を遮りジュギャイアに組織の役割と希望する条件を述べてゆく。
このあたりの条件はここに来るまでの中でカイラに話してあったので俺の意見をそのまま伝えてくれていることになる。
俺が希望した条件は以下の三つだった。
・口が堅いこと
・文字の読み書きなどが出来ること
・冷静な判断が出来て仕事を放りだすような性格ではないこと
この条件をカイラが国連の役割と共に言ってくれた。
それを聞いた老紳士は「なるほど。では少々お待ちを」とだけ言い部屋を出ていった。
「ジュギャイアという人は信用できるのか?」
ジュギャイアが部屋を出るのを俺は確認してからカイラに尋ねた。
「奴隷商館で主の批判をするのはタブーよ」
カイラはその一言だけ言うと黙ってしまった。
10分ほどたったところでジュギャイアが戻ってきた。
部屋を出た時は老紳士らしく杖を持って出ていったが部屋に戻ってくるときには杖ではなく大量の紙を両手で抱えて戻ってきた。
「お待たせしましたな。これが条件に見合う奴隷かと存じます」
ジュギャイアはそう言うと紙の束を机の上にドサッと広げた。
紙には一枚につき一人の奴隷の事が書かれているようで名前から奴隷になった理由や特技に至るまで様々なことが記してあった。
さすがにこれ全部は見ていられない。
「この中からおすすめの奴隷は居ますか?」
俺は意を決してジュギャイアに聞いた。
「そうですな。このなかからおすすめするのはこの子らですかな」
そう言うとジュギャイアは10枚ほど紙を提示してきた。




