40.奴隷商館1
「待った?」
「いいや。待ってないわ」
翌日俺はリーウェンの港でカイラと合流した。
「他の二人はどうしたんだ?」
俺は聞く。
カイラは珍しく一人だったからである。
「パーティー組んでてもずっと一緒ってわけではないわよ。休みの日は個別で行動することもあるわ」
「それもそうだな。俺もずっとスヴェートといるわけじゃないし」
「まぁそれと似たような感じなんじゃない」
俺とカイラは雑談をしながら奴隷商館へ向かいながら歩いた。
「そういえば奴隷ってどのくらいの値段なんだ?」
「そうねぇ。それこそ昨日言った通りピンキリよ。安いのは30万ルシエぐらいだけど性格がちょっと難あったりするわね。高いのは天井知らずに高いわね。私が知ってる中で一番高いのは2億ルシエとかかしら。でもそこまで高いのは珍しいわ。普通は100万~300万ルシエぐらいよ」
「でもそれで人の命が買えるんだろ?安くないか?」
「今私が言ったのは買うだけの値段よ。実際には服だったり食費だったりその他の経費が奴隷を持っている限り永久的にかかるのよ?一般の人にはとてもじゃないけど買えないわ。あと奴隷には種類があるの。」
「種類?」
「ええ。これが最初に言った値段のピンキリの話にもつながってくるのだけど奴隷には大きく分けて3種類あるわ。まず戦争奴隷。これは字面の通り戦争で敵国につかまったり降伏したとかで奴隷落ちした人々ね。元軍人とか多いから若干値段が張るわ。次に借金奴隷。これは借金のかたに身売りしたり、されたりした人々ね。奴隷の中では一番安い奴隷ね。サトウみたいにちゃんと働いてほしい場合手を出さないのが無難だと思うわ。最後は攫い奴隷。これは人攫いに誘拐されてそのまま奴隷になる人々の事ね。一番値段が高いのは彼ら。本当は国が攫い奴隷は法で禁止しているんだけど攫い屋が借金のかたですといえば商館側からすれば見分けがつかないのよ。親族から奴隷商館や騎士団の詰め所に通報があれば即時解放されるんだけど人攫い屋はそうなれば儲けが出ないから、攫った場所からかなり離れた商館に売るの。そうなったら一般の人が探し出すのは困難でしかもその奴隷が購入された時点で通報されても解放できなくなるからいまだに一定数存在するのよ」
「なるほどな。でも攫い奴隷は奴隷からの自己申告でどうにかなるんじゃないのか?」
「それが出来るわけないのよ」
「なんで?」
「だって借金奴隷もそういいだしたら奴隷商館側が判断できないでしょ?だから親族とかの第三者からの通報がいるのよ」
「でもそれじゃあ借金奴隷になっても親族が虚偽の通報を入れればいいんじゃ?」
「通報を受けた騎士団や商館は売りにきた側にも約束手形を確認しに行ったり捜査するからそれでウソがばれたら親族みんな犯罪奴隷落ちよ?そうなれば国の人権無しの強制労働になるからそんな嘘をつく人はいないわ」
「そうなのか。それにしてもカイラは奴隷に詳しいんだな」
「え・・・あぁまぁね。ほら着いたわよ!」
カイラはそういうとめちゃめちゃデカい建物を指さした。
そこにはジュギャイア奴隷商館と書かれた看板を掲げている豪邸が佇んでいた。




