24.帝国とは何者か
ガジス王国の陸続きの隣国「アルトパキア帝国」
帝国は軍事が発展し大陸にある多くの国が騎士団を軍隊と扱っているのに対し、騎士団を解散させ陸軍や海軍を有する唯一の国であった。
なぜそこまでの強大な軍事国家になれたのか。それは5年前に遡る。
5年前。今は亡きバレル王国という国で権力闘争が巻き起こった。
それは前国王が死去した際その子供を次期国王に担ぎ上げた王子派と前国王の弟でアルトパキア公爵派間での内部紛争であった。ここまではよくある話なのだがバレル王国では内紛が2年近く続き国内の産業は全滅状態しかし戦いは継続し農民を徴兵するなど国が滅ぶかに思えた時に隣国のガジス王国が王子派の援助を表明。これはまだ10歳と若かった王子をガジス王国に有利に働く駒にしてしまおうという策略の元に行われた軍事介入であった。
両陣営とも騎士団が疲弊し農民の徴兵を行うまでになっていた所でのガジス王国の王子派への増援。それはアルトパキア公爵側にしてみれば悪夢そのものであり敗北が決定した瞬間のはずだった。
このときにアルトパキア公爵が使い始めた武器が鉄砲であった。
鉄砲はこの内紛が始まる5年ほど前にギルドメンバー向けに開発された武器であったが地球で言う火縄銃のような形式で、雨が降ったら使えないしそもそも火縄に点火してからは銃口を相手からそらしてはいけない武器であったため使い勝手が悪く、発射を待っている前に魔物に襲われるということでボツになった武器であった。
しかしギルドはその欠点が分かる前に鍛冶職人に大量の鉄砲を作らせていたためにギルドの倉庫に眠っていた鉄砲が6000丁あったのである。
アルトパキア公爵はその銃を格安で買い上げ徴兵した農民にあたえた。そしてガジス王国騎士団に銃弾の雨を浴びせかけたのである。
それが元で騎士を多く失ったガジス王国は軍事介入を中止し騎士団をバレル王国より撤退。
形勢がアルトパキア公爵に大きく傾いたことで王子派が降伏。
それによりアルトパキア公爵が皇帝を名乗り始めバレル王国の領土を引き継ぐ形で国家が形成された。
しかし騎士団はその多くが内紛で失われたためそのまま再建することなく廃止し、農家の3男や4男などが入隊する軍隊が出来た。それがアルトパキア帝国陸軍となり大量の鉄砲などの銃火器類で騎士を蹴散らす軍隊を持っていたためにこの世界の国では圧倒的な軍事力を保持していたのである。
しかし2年超続いた内戦により国内産業はズタズタのために他国を侵略することはなく国力育成を図っていた。
そして3年後国力は王国時代を抜き大陸随一の物になったことでアルトパキア皇帝は他国の侵略を内密に指示。第一目標は内紛に軍事介入し国内を無茶苦茶にしたため討伐するという大義名分でガジス王国を攻撃するはずだった。
そこに飛び込んできたのは国際独立軍とガジス王国が軍事同盟を結んだという一報である。
これに対してアルトパキア帝国は作戦を一時中断し国際独立軍という得体のしれない軍隊を調査することにしたのである。




