↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
劣等騎士、追放ライフは剣精霊姫とともに  作者: たまねこ
ギルド編
29/38

試験②

 ☆




 少年少女の年齢はクロエと同じか。

 少年と少女の髪の色は同じで、顔立ちもよく似ていた。


 二人とも紫色の髪をしているから転生者だ。

 そしてなぜか不機嫌な表情をしている。

 どちらもやや幼いが端正な分類に入る顔立ちで、切れ長の目をしていた。

 二人はお互いを見ようとはしてない。


 それなのに二人は手をつないでいた(・・・・・・)


 これはどういう状況だ?


 クロエはフレデリックに視線を向けた。



「二人は俺の秘蔵っ子でその実力はSクラスにも負けない━━と言いたいが、まだ力は未発達だからな。太刀打ちできない」

「おい、フレデリック。俺たちをなめるなよ?」

「そうよ、フレデリックさん。アタシたち(・・・・・)は最強。それを実証積みでしょう?」



 双子は軽くフレデリックを睨んだ。

 フレデリックは苦笑しつつ、



「個人としてはどうだ?」

「それを言われたら自信はない」

「悔しいけど」



 双子は唇を噛んで俯いた。



「この二人も紹介する。ソラとソアラだ。わけあってファミリーネームはあかせないが」

「俺はクロエ。嫌々ながらここに通うことになった」


 すると双子はばっ、とクロエを見た。

 少年━━ソラはクロエの手を取り、



「何だ、お前もかよ?」

「ん?」

「それはちょっとアタシたちもなの」



 少女━━ソアラは遠い眼差しをして、



「無理やりにね。拉致同然にここに連れられて、そのまま」

「人聞きの悪いことを。二人が寝ていた時にこっそりはこんできたことの何が悪い?」

「「それは犯罪だ!」」



 ソラとソアラは同時に叫んだ。

 フレデリックを睨む。



「少しは自覚しろよ!」

「俺は二人の両親に頼まれて仕方なくだな」

「どうだか」

「あのまま家に閉じこもっていても力の制御・・ができずに自滅していたぞ」

「いつかは出来ていた!」

「そのいつかは十数年先かもしれないぞ?」

「「・・・・・・」」



 双子は反論せずにそっぽを向いた。

 自覚はしているのだろう、今の自分たちに力がないことを。



「今日から二人にはこのギルドに属してもらう。その間、俺が引率する」

「必要ない」

「アタシたちは出来る子」

「エミルから見て二人はどうだ?」



 フレデリックが視線を投げるとエミルは困ったように、



「そうですねー。力的にソロには向かないでしょうね。二人はセットで一つ、でしょうから。引率の方がサポートする形を取れば覚醒もはやいでしょうし」


 エミルは「ふむ」と頷いてから、



「クロエさんもどうです?三人と同行しては。何かと勉強になりますし」

「一つ聞きたいんだが?」

「何ですか?」

「アンタにではなく、ソラとソアラにだ」

「何?」



 答えたのはソアラだ。



「二人の力って、何だ?」



 二人が二人一緒に行動するのが常なら、そうする必要があるのだろう。

 ソロで登録するにしろ、二人と行動を共にするにしろ、どういったものか知っておきたい。

 まあ、初対面の相手にバカ正直に答えるとは思えないが━━



「共鳴増幅魔術」



 ソラは答えてニヤリと笑った。




 ☆




「このギルドに属せるか否かは、試験を受けてもらいます」



 エミルは胸を張るように言った。



「アンタにその権限はあるのか?」

「正式に決めるのはギルマス様ですけど、一部に関しては私に委任されてます」

「別の誰かはいないのか?アンタは信用できん」

「そんな~。クロエさん。私をお捨てになるのですか~?」

「足にしがみつくな」

「クロエさんは鬼畜ですね~」



 泣き真似をするエミルを冷めたような眼差しがい抜いた。

 それに気づいたエミルは何事もなかった顔をして、



「ソラさんとソアラさんはともかく、クロエさんには是が非でも試験を受けてもらいます。これは強制です」

「あぁ。それは別に構わないが」

「嫌がらないんですか?」

「試験なしにしてくれればいいんだがそれはできないんだろう?」

「もちろんです。ここでは実力がモノを言いますからね。学生さんだろうと甘えさせません」

「具体的な試験内容って何だ?俺としてはすぐに終われるのが好ましいが」

「今日すぐには無理ですね。ちゃんと準備をしていただけないと」

「初っぱなから命にかかわるのか?」

「まあ、簡単な魔物退治ですよ。ここに属している方たちも何人か向かってもらいました。なぜかまだ報告がないんですよね。ですからクロエさんには現場報告と、場合によっては魔物のほうを」

「はっきり聞くが。これは俺は目立たない試験だよな?」

「どういうことですか?」



 エミルはクロエの真情を探るような眼差しをした。



「危険度は限りなく低いよな?多少危険度があがったとしても」



「はい。ギルドランクCが数人とギルドランクAの方が二人、います。クロエさんがやることなんて些細なことですよ」

「それを聞いても不安しかないが。いまだに依頼未達成が気になる」

「それは私もですが、今は実力がある方たちは出払っていまして。クロエさん、別の試験でも構いませんが?」

「いや。ランクAの奴らに興味ある。そいつらの力をこの目で見るいい機会だな」

「それでは仮ギルドカードをお渡ししますね。クロエさんが働いたぶんだけポイントもつくようにしますから」

「分かった。で、退治する魔物と数は?」



 クロエが聞くと何が楽しいのか、エミルは笑いながら、



「魔物の名前は【火喰い】。知能が低い火炎蜥蜴と同じ種類で、数はざっと千」

「「「は?」」」」



 クロエ以外が間抜けな声をもらした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。