後輩は実は〇〇です
〇〇のヒント:ロリも良いけど、ね?
「ん〜……あ、ここだここ。『リテノテクス研究所』」
長い道を歩いて歩いてようやくたどり着いたこの場所が、我が後輩のいるであろう、イェラ=リテノテクス先生の研究所……『リテノテクス研究所』だ。
ここまできたら女装姿は“高速着脱”を使用していつものクイナスタイルに戻して……いざ突入!
「遊びに来たぜ我が後輩、よ―――」
不意に言葉が切れる。
その原因は扉をバンッ!と開け放った瞬間、視界が太陽の如き光で潰されたからだ。
「んな!?し、“衝撃吸収”!!」
取り敢えずどんな物理的衝撃をも無効化する魔法を施すが、質量のない光に対しては目をつぶることでしか対処はできない。
しかし、それでもその瞼を通り越して光が目に影響を及ぼしてくるので、“土生成”で作り出した俺の魔力百パーセントの土ですぐさま二重で目を塞ぎにかかる。
「あ、先輩じゃないですか!!目は大丈夫ですか!?」
なんとかなりそうなところで、ようやく聞きたかった声が聞こえてきた。
「その声はシアンだな!?取り敢えずこの光が収まったら教えてくれ!」
「分かりました!」
とそこまで時が経ったところでとあることに気がつく。
「(いやマジか。この光全てが魔力で生み出されてんのかよ)」
なんか俺の作った土が乱されるなとは思っていたが……ある見方によっちゃあどんな方法で光を生み出してるかも分からないが、もうこれ立派な兵器だぞ。……いやそんなん今更か。
いや、それよりもこんなぶっ飛んだものが当たり前だと思うようになってしまうこの学園がとことん恐ろしい。もう一種の洗脳だろ。
「もう大丈夫ですよエシハ先輩」
そんな末恐ろしいことについて考えているうちに既にもう光は収まっていたようで、目を覆わせていた土をどけてもあの圧迫するような白は見えない。
「はぁ……鍵もかけないで研究所でなんつーもん放射させてんだよ。俺以外が間違えてこの部屋に入ったら失明どころか生命の危機だぞ」
「あ、そこは大丈夫です。もしもこの部屋に入ろうとした人がいたらアインベルト先生に止めてもらうようお願いしてましたから……って先輩も分かってて入ったんじゃないんですか?」
「……分かってたらそもそも俺とて入んねぇよ」
睨みつけるような視線を天井に向ける。
反応は……ない。
「シカト決めてやがる。まぁいいや。それで……久しぶりだなシアン。半年ぶりくらいか?」
「そうですね。前会ったのが卒業式の日でしたから」
そう言って俺は見下ろしながら口角を上げてニヤリと笑う。
……この身長低めの俺が視線を下に向けながら、だ。
「……身長、伸びたか?」
「ちょ!その話題は止めてくださいって言ったでしょ!先輩たち全員が会うたびにそのことを言うんですから」
コイツの正式な名前は『シアン=ファンタズマ』。
俺ら『五色の賢者』の後輩で、魔道具作りが得意な弟系のカワイイ後輩だ。
しかし、コイツはとある別称がある。
纏う雰囲気と言葉遣い。そして声変わり起きたのか?と思うくらいの声の高さと身長の低さが相まって、彼は入学時からこう呼ばれた。
『ショタ後輩』
……まぁ名付けたの俺なんだけども。
しかも噂で聞くと、今では最高学年であることから『ショタ先輩』が主流なのだとか。
「というかそもそもエシハ先輩のせいでしょうよ。なんですかショタ後輩って」
「いいじゃねぇか。その御蔭でとっつきやすくなって友達とかも増えたわけだし」
「……その件に関しては感謝しないこともないです。でもショタ後輩はやっぱないでしょうよ!!」
ダメなのかー。語呂も良いし呼びやすいし、なにより先輩後輩からも親しみやすさがでるじゃないの。
「それにお前が先に俺に相談したんじゃないか。『友達ができるようになるにはどうしたら良いんですか?』って」
「そうっ!……ですけど……!!」
しかも本人がそれほどその名前を毛嫌いしてないんだから別に……ねぇ?
「はぁ……。もう良いです。それで……何か用があったてここに来たんですか?もしかして魔石の補充ですか?」
「そそ。それとエディの改良も少し行ってみようかなって」
「改良……ですか」
その言葉に、少しだけシアンの顔に曇りが見られた。
「……なんだよーその顔は。別に大きな変化を起こすわけじゃねぇよ。ただこの前作り出した唯一の魔法の新機構を組み込んで見ようかなって思うだけだ」
「あ、それ僕も不思議に思ってたんですよ。アレ結局何だったんですか?先輩の作ったゴーレム見ても微妙に理論とか理解できなかったんですよ」
「なんだお前も分かんなかったのか。ウェルナルドとかは初見で理論まではいかなくとも効果自体は看破できたのに」
「ダンタリオン先輩みたいな真性の天才と比較しないでください」
そりゃそうだ。
これが天才の嫌われる所以の一つだな。
「ま、理論に関しては後で教えるけど……お前が考えているヤツの正体は技術の塊だ。ついてこい」
そう言って俺はこの研究室のとある壁まで歩み寄る。
そして右手を当て、
ここにかけられている魔法を解除する。
「実はこれもその技術を使ってかけられた魔法なんだぜ」
「そ、そうだったんですか……」
その驚愕の事実に、目を大きく見開いて驚きを表す。
その後は長い螺旋状の階段を無言で歩く。
時折後ろを振り向いてシアンがついてきているかを確認するが、短い足を使って慎重に一歩一歩降りているのをみると、なんとも可愛らしい。
「…………」
「な、なんですか先輩!仕方ないじゃないですか!」
信じられるか?これで十九歳なんだぜ?
……とまぁそんなこともありつつも、長い階段を下り続けようやく下へと辿り着いた。
そして目の前には、忘れもしない俺の作った最初の名付けをした魔道具。
「久しぶりだな、『エディ』」
淡い光を放ち続ける巨大な魔道具がそこに健在していた。
さて、ようやく俺のこの新機構についての種明かしだ。
「んじゃあまず最初に説明しておくとして、これから話す内容は唯一の魔法にも関係してくるからなるだけ誰にも喋らないでね。あ、学園長とアイツらは大体理解してるから」
「りょ、了解しました」
誰にも話す機会がなかったし、そもそもとして誰にも話していい内容でもなかったから今まで口を噤んできたが、ようやく誰かにこの革新的な技術を話せるものだ。
「まぁ、まず最初に言っちゃうけど……枠組み的に言えばウェルナルドの詠唱短縮とか、いやそれよりも『投影』とかの方が近いかな。一応名前は『独立』」
「独立?」
いまいち想像ができていなさそうなシアンに、俺はある魔法の魔法陣を投影してみせる。
「これは……土魔法の“土生成”ですか」
「そ。俺のよく使う魔法。この魔法陣、よく見てみ?」
「……特に何か違う点も見られないですが……」
「特に何も変化はないからな」
「え?」
その魔法陣に俺は魔力を込めて、いつも通り土を作り出す。
「もちろんこのままじゃ、いつか土に含まれる魔力は尽きて魔気へと還元されるじゃん?」
「そうで……ってまさか!!」
彼は今とある不可能な可能性に至ったはずだ。
魔法を永久に独立させるという絶対的な法則を捻じ曲げることに。
「そのまさかだ。今俺が作ったこの土の最大持続時間は十秒に設定した」
土魔法の土生成で作られた土の顕現された時間は、魔力の差はあれど、大体が一分が最大だ。
故に、この魔法は今まで火の消化だったり相手の目を潰すくらいしかの主な利用方法はなかった。
その当たり前で、絶対的に変化しないその法則が……この技術によって覆される。
「か、変わらない……!」
十秒経ってもその土は魔気へとならなかった。
それがこの『独立』の技術。
ただゴーレムを作り出すだけの魔法を唯一の魔法へと昇華させた魔法界を覆す新技術である。
特に一週間連続で投稿したけど何も変わらないねぇ。
さて、今日で一週間連続の投稿は終了!これからはいつも通り不定期投稿の始まりだよ〜。
それはそれとしてPKMNが楽しすぎる。




