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新生デオンの暇仕事  作者: kazfel
ハプスブルクの黄昏
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第一次世界大戦・中期

 戦争のたびにオーストリア軍は多民族構成という弱点があった。

 オーストリア軍は25%がドイツ語系、23%がエルトリア語系、42%がスラブ語系からなっていた。

 開戦まもなく、チェコ人連隊がロシアに投降して、敵方の連合国軍側で戦うという事態が起きた。

 それでもクロアチア人やボスニア人の連隊は帝国軍団の精鋭をなしていた。

 

 1915年5月にはイタリアが協商国側で参戦して、オーストリア軍はアルプス戦線で苦労を重ねていた。


 夏ごろ。

「オーストリア軍はポーランドを占領か」

「最初はクリスマスまでには終わるなんて、皆言っていたのにな。このまま長引いたら、経済はどうなるのだろう」

「若者が皆戦争に行けば働き手が不足するしな」

「でもオーストリアとセルビアだけでいいのに、ドイツとロシアに英国、フランスとお仲間が増えちゃうのね」

 リアは7年戦争はプロイセンと英国だけ叩けば良かったが、第一次は敵だらけである。

「そういや、我々の味方はいくつだ?」

「ドイツ、ブルガリア、オスマントルコであとは敵だらけだ。大丈夫かいな」

「あの皇帝のことだから、セルビアなんてすぐに叩けるなんて思ってたりして」

 客もそろそろ呆れだした。


 オーストリア軍は秋にはバルカン方面のセルビア軍を敗走させていた。


 1916年1月。

「モンテネグロとアルバニアを占領したと」

「こっちは農地が広いからいいけど、そろそろウィーンは食糧事情が悪化するんじゃないのかなぁ」

「そうすると我々の立場が上向きになるな!」

「どさくさにまぎれて独立運動かな?」

 リアが無邪気に聞いた。

「そりゃ、こんな大戦にいつまでも付き合ってられないからねぇ」

(私、ここで働いて100年以上も経つのか)

 給仕の仕事が板につき過ぎてリアは呆れもしたが、妙に誇らしくもなった。


 8月にはルーマニアが参戦し、エルトリア南部のトランシルヴァニアを侵略してきた。


 シェーンブルン宮のフランツ・ヨーゼフはカール夫妻の長男オットーを愛でるのが楽しみだった。よちよち歩きに接してしわくちゃの老顔になった。

 皇帝は11月になると衰弱が激しくなってきた。

 11月21日。フランツ・ヨーゼフが86歳で逝去した。帝位は甥の子のカール1世が継いだ。

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