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新生デオンの暇仕事  作者: kazfel
ハプスブルクの黄昏
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和協前夜

 シシィは1864年に地方出身のエルトリア娘イーダ・フェレンツィを側近に加えた。

 23歳の田舎の純朴なエルトリア娘は、貴族ではないので女官の資格すらなかった。

 たが誰かの入れ知恵でイーダを女子聖堂参事会員に任命された。貴婦人(フラウ)の称号がイーダに確保できて後に皇妃殿下つきの読師に任じて晴れて女官になれた。

 イーダは後に女官長になり、ジェラ・アンドラーシやフェレンツ・デラークたちとの連絡係となるのだ。


 1866年1月。エルトリア使節団とエルトリア領主首座大司教がウィーンにやって来た。

 議会の副議長アンドラーシも来ていた。

 使節団は帝国及び王国の親衛隊が立ち並ぶ控えの間を通り抜け、皇妃のアパルトマンへと進んだ。

 2つ目の控えの間で、皇妃の侍従長が使節団を出迎えて謁見の広間へ導いた。


 アンドラーシは金の縫取りのあるマジャール人貴族階級の正装、アッティラ服の上着と宝石を散りばめたマント、拍車付きの長靴、虎の毛皮を肩にかけた。

 横には領主首座大司教やギリシャ正教会司教、その他の代表団が揃っていた。

 アンドラーシは野性味あふれる端正な趣で、迎えたシシィのいでたちも異国風だった。


 エルトリアの民族衣装に黒い胴衣のある白い絹のドレスの縁にダイヤや真珠が縫い付けてあった。上に白いレースの胸当て、頭にはエルトリアの帽子、額にはダイヤの冠。

 天蓋の下に立ち、女官長と8名の貴婦人に取巻かれている。

 シシィは完璧なエルトリア語でスピーチを行い、善意に感謝を表明した。

 一同の間から万歳(エーヤン)と歓声があがった。

 夕方の晩餐会ではシシィは裾の長い白いドレスをまとい、長い髪に真珠を編み込んで姿をみせた。

 後の歓迎舞踏会の席上ではシシィとアンドラーシが親しげに談笑していた。


 1月末、皇帝夫妻はエルトリアへの訪問へ旅立ち、3月上旬にはウィーンへ帰還した。

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