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新生デオンの暇仕事  作者: kazfel
ハプスブルクの黄昏
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イタリア陥落

 後に皇帝の敗北を聞きつけたマシロはデオンを誘ってウィーンのカフェを訪れた。

「あんな遠くで多くの兵士が倒れたのは、皇帝とゾフィーのへっぽこ政治と軍事作戦のせいだ」

「無能な皇帝はやめて弟のマクシミリアン大公にやらせろ」

「マクシィ人気だね」

「なんたってライヒシュタット公爵の子供だから、知的なところがそっくりだよ」

「へ?」

 デオンは聞き直した。

「知らないのかい? ゾフィーとライヒシュタット公爵の子供がマクシミリアン大公なんだぜ」

 市民の間では噂が独り立ちしたようだ。デオンは彼らの夢を壊すのは悪いと思い黙っていた。


 カフェ「テレーゼ」に戻ると「軟弱な皇帝は見事に負けた!」

「あんなに無能なら付け入るスキだらけだな」と客が息巻いていた。

「皆、革命したい気満々ね!」

「おうよ!」

 リアの一声で皆がほえた。


 7月11日、フランツ・ヨーゼフはヴィヤフランカで招かれたナポレオン3世と単独で交渉した。

 11月10日のチューリッヒの和ではミラノを首都とするロンバルディアはサルディーニャ王国に併合された。

 トスカーナ、モデナ、パルマも住民投票の結果で同王国に帰属された。

 ヴェネツィアだけはオーストリアに残されたが、下層国民すらこの属州を長く維持できるとは思ってはいなかった。

 

 1860年4月。シチリア島で反乱が起き、革命家ガリバルディ率いるイタリア統一軍がシチリアを制圧した。

 ナポリ王フランチェスカ2世の王妃マリアはエリザベートの妹で、王はフランツ・ヨーゼフの元に救援を依頼した。

 6月にはシシィの兄のルードヴィヒと弟のカール・テオドールもウィーンへ駆けつけた。

 ブルボン家の王国を救うにもオーストリアには軍事支援の余裕がなかった。

 7月6日にシチリア首都パレルモが陥落した。

 ナポリ王国の首都ナポリもガリバルディに占領された。


 前からシシィは激しく咳き込むようになり、侍医のスコダ博士は、彼女が肺病になるのかと恐れていた。


 シシィはウィーンを離れ、ギーゼラを連れて実家のポッセンホーフェン城館に戻り、両親のもとで静養していた。

 7日過ぎにはザルツブルクで出迎えた皇帝の元に弟妹を同伴して戻ってきた。


 9月下旬頃にデオンたちは早めにウィーン王宮に戻ってきた。

 シシィは相変わらず体操室で鍛錬をしていた。

 赤壁と床の部屋には木の棒、吊り輪、平行棒、ダンベルなどが設置してあった。

「せっかくだからフェンシングやろうぜ」

「ではお願いします」

 デオンたちは激しくレイピアを合わせていた。

 運動が済むと長身のシシィはデオンを見つめた。

「あなた女装した写真を撮らせてくれない?」

「もちろん!」

 デオンは女装のプロとして誇らしげに着飾ってもらい、写真を撮ってもらった。

 昼食はゾフィーと一緒に子牛のカツレツや青カビチーズと果物をたらふく食べた。

 後でシシィの所へ行くとオレンジジュースとシャーベットを食べていた。

「肉食べないとためだぞー」

「私はあなたみたいに太りたくはないの」

「マシロはぷくぷくしているだけだぞー」

 デオンの右腕に乗ったマシロは器用に立って短い足を回していた。

 シシィは腰回りが細かった。

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