襲撃
参考文献
フランツ・ヨーゼフ ハプスブルク「最後」の皇帝 江村洋
エリザベート 美しき皇妃の伝説
ブリギッテ・ハーマン
中村康之 訳
1853年2月18日の正午頃、フランツ・ヨーゼフ皇帝はオドンル大佐に伴われてウィーン市壁のプロムナードを散歩した。
ケルントナー内の稜ほで訓練中の部隊を見に止まった。
鋭いナイフを持った若者が皇帝を襲った。
近くの女性の叫びで皇帝は振り向いた。
君主の首から胸に突き刺し、血まみれの皇帝は崩れ落ちた。
オドンル大佐が若者を押さえ、肉屋の主人も暗殺者の刃物を奪い、逮捕出来た。
「彼を殴ってはいけない。殺したりしてはいけない」
フランツ・ヨーゼフは駆けつけた人々に向かって叫んだ。
犯人はヤーノシュ・リベーニでエルトリア人で、刃を振りかざした後に「コッシュート、万歳。エルトリアを共和国に」と叫んだ。
「皇帝が襲われたから夜の舞踏会は休みかぁ……」
「今日ばかりは仕方ないわねぇ。公女ヘレーネのお見合いも中止ですし」
疲れた様子のゾフィー大公妃はデオンとサラマンダーマシロに皇帝の無事を伝えていた。
翌日のグラーベン通りのカフェ客たちは、皇帝襲撃事件を話し合っていた。
「何か怖そうな人だと思っていたけど、犯人を殺すなとか、なかなかの好人物なんだなぁ」
「ほんと、少し弱みがあったから余計、身近になったよ」
「そんなものなのかなぁ」
デオンはカフェに兵隊をけしかけた恨みは忘れていなかった。
「気楽なものだぜぃ」
マシロもクリームをなめていた。
2月26日、リベーニはウィーン南部外の刑場で処刑された。
1872年まではプロットの元型があるから多少は更新できそう




