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新生デオンの暇仕事  作者: kazfel
喜びに満ちた調べに共に声をあわせよう
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シュヴァリエ・デオン伝 モランド

 1773年7月にデオンはブロリー伯爵から、モランドからデュ・バリ夫人の情事本の出版を止めるよう指令を受けた。

 デオンはモランドに800ポンドを渡して誹謗(ひぼう)文書の引き渡しを確約させた。

 しばらくたってモランドがデオン邸を訪れて、相談をもちかけた。

「今朝、ポケットに金貨いっぱい詰め込んだ2人のフランス貴族が私の家に訪れ、デュ・バリ伯爵夫人を誹謗した『ある娼婦の秘めたる手記』の発行停止を約束して欲しいと求めたのですが、デオン殿の意見を聞いた上でなければ何一つ結論を出したくないのです」

「その2人の貴族は何者であるか?」

「彼らは完璧に身分を隠していたので、誰であれ分かりませんでした」

 モランドは要領の得ない返事ばかりでデオンは意見できないと断った。

 数日後、デオンはロナック(カロン)とローラゲ伯爵が、ルイ15世の密命でモランドと交渉して、買収に莫大な金額が使われたことを知った。

「オー、ラ、ラ、ラ! 154000リーヴルだと? そんな莫迦(ばか)な。私ならもっと上手くやれたのに! もう少しモランドを問い詰めれば良かった」

 デオンは悔やみ続けるうちに(むな)しくなってきた。

「醜いヒキガエルどもは、濁った水の中を泳がせて置くしかない。彼らは混乱に乗じて不正な利益を得る輩なのだから」

 デオンは一切を諦めた。

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