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新生デオンの暇仕事  作者: kazfel
大ドイツ帝国の興亡
103/185

英国本土計画

 1940年4月ドイツ軍はデンマーク、ノルウェー、オランダ、ベルギーを占拠した。

 フランスは攻撃開始後1ヶ月でパリを明け渡し、6月22日には休戦条約を結んだ。

 またウィーンのライヒシュタット公の遺体がパリのアンヴァリッドに移された。

 ナポレオンの墓と並べたいというヒトラーの考えだが、フランスのペタン元帥は不機嫌であった。


 8月。ドイツがルーマニアにかけた圧力の成果で、第2次ウィーン裁定によってルーマニアからトランシルヴァニア北部を取り戻した。

 カフェ「テレーゼ」は週2回くらいの休日で開くことになった。

「国土も少しずつ戻り、めでたいなぁ」

「ドイツについておかげで多少は景気が落ち着いてきたかな」


 7月10日、ドイツは英国本土上陸戦、バトルオブブリテンを開始した。

 ドイツ爆撃機の連日による大空襲の中でも英国は善戦した。

 国土の沿岸部に配置したレーダー早期警戒網でドイツ軍編隊の接近を探知し、戦闘機のスピットファイアやハリケーンで迎撃した。


 一方、満月の夜に英国本土ではあちこちの荒野やニューフォレスト丘に8000人の魔女たちが集合していた。

 魔女たちは裸になり、火を囲んで円を作った。

 手をつなぎ、火の周りを呪文歌をうたいながら、右に左に回っていた。

「エコエコ・アザラク、エコエコ・ザメラク、エコエコ・アラディーア、エコエコ・ケルノーヌス!」

 集団念力「力の円錐」を用いて、ヒトラーの心に呪縛をかけた。

「ヒトラーよ、お前は海を渡ることは出来ない!」

「お前の軍隊はドーバーを渡れないのだ!」

 念力の解放ショックで各地の数百人の魔女が死亡した。


 9月15日。ヒトラーの英国本土上陸作戦、アシカ作戦は延期され、何度も延期が続いた。

 魔女たちの曾祖母たちも同様の方法でナポレオンの侵攻を、阻んでいた。


 10歳になった娘たちは、デオンの面影を残したまま可愛さ全開であった。

 双子はマシロがひどく短い脚を細かく動かして移動するのを、腹ばいになって真似ていた。

「それでは高速で動く毛虫じゃないか」

 尾がひょこひょこ動く様が面白いが、でぶトカゲを真似する遊びはないだろうとデオンは呆れていた。

「お父さんもやろうよ」

「いや、それは無理……」

「やってやって!」

 双子が騒ぎ出した。

 デオンは仕方なく腹ばいになった。

「こうか?」

 腹を使ってひたすら進んだ。

「それじゃあ、イモリよ」

 ジュヌヴィエーヴが評した。

「どう違うのだ……」

「お前もまだまだだぜぃ。イモリちゃん」

 マシロも茶化した。

 デオンはダメ元で腰を浮かせてはった。

「お父さん、これヒャクトリムシ!」

 ティモテが笑い出した。

「ううむ」

 妙に奥が深い遊びであった。

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