『天の羽衣』
美の化身、天の羽衣をアレンジしてヘヴン!普通の男が異世界に転生しちゃうお話。
むかし、むかし、働き者で顔もまあそこそこの男が住んでいました。
ある日、いつもより早く目覚めた男は朝の散歩に近くの浜辺へ足を運びました。
白い砂浜に緑の木々、波が穏やかで、朝日が水面に反射する光景はとても美しいものでした。
男は鼻歌を歌いながら浜辺を歩きます。
一方、この美しい光景に惹かれたのか、天から舞い降りた天女たちが浜に近い所で水浴びをしていました。
美しい景色の中、美しい天女たちが泳ぐその光景は、それはもう、何というか、ごちそうさまです!
しかし、天女たちは男の気配を敏感に感じ取り、慌てて身支度を整えると、急いで天に帰って行きました。
もう少しの所で脳内フォルダを十二分に満たせる光景にありつける所だった男は、ちょうど雲に隠れる天女を目の当たりにしました。
その美しさは筆舌に尽くし難く、男は天女が見えなくなってからも、彼女らが消えた雲を見つめていました。
ふと、浜辺へ視線を戻すと波打ち際に日の光を浴びて光るものが置かれていました。
それは見た事もない綺麗な羽衣でした。
男はそれを手に取ってみましたが、その肌触りも今まで触った事のないような良い肌触りです。
男は、これは天女たちが纏っていた羽衣だ待てよという事はあの美しい天女たちの肌に触れていたものだから温もりや匂いが残っているのかそうだそうに違いない天女の肌に間接的に触れる事ができるものという事だからそれはもう天女に触れていると同義じゃないかていうか僕は羽衣を手に取っているから既に触っているなんて事だ僕は天女に触れてしまったやべえ興奮するんですけど興奮に僕の愚息が起床してしまったんですけどおはようごさいますそして神様ありがとうございます彼女もできなかった僕を神様は見捨てていなかった今日は仕事を休んで神社に行こうお賽銭を奮発しようご飯もちょっと豪華にしよう帰ったらこの羽衣でズキューンをバキューンしてカキーンしよう。
と、一瞬の内に思考し、羽衣に頬ずりしてキスをして匂いを存分に嗅ぐと綺麗にたたみ始めました。
「待たれよ」
羽衣を懐にしまおうとした男に後ろから随分と野太い声が掛かります。
「すまぬが、その羽衣は私のものなのだ。返してもらえぬか?」
男が振り返るとそこにはこれでもかこれでもかこれでもかと盛り上がる筋肉に包まれた全裸の金髪ポニーテールが立っていました。
海から上がったばかりなのかその体はずぶ濡れで、朝日を浴びてキラキラと輝いています。
また、右手には見た事もないくらいでっかいタコがぐったりとした状態で握られていました。
「私は天女でな。仲間と海水浴に来たのだが、小腹が空いてしまって、素潜りでこいつを捕まえていたのだ。その間に皆は帰ってしまったようだ。私も帰りたいのだが、その羽衣がないと帰れぬ」
ゴリゴリの筋肉を持つこの存在はどうやら天女のようでした。
どこからどう見ても天女感ゼロですが、本人は天女とのたまっています。
男は呆然としながらも、手にしていた羽衣を天女もどきに差し出しました。
「うむ、すまぬな。お礼にこいつを少しばかり分けてやろう」
羽衣を受け取った天女もどきは、手にしていたタコの足を数本引き千切ると男に渡しました。
何か必要以上にヌメヌメしてました。
「では、さらばだ」
天女もどきは羽衣を身に纏うとULTRA男のように飛び立つと、天に帰って行きました。
浜辺に取り残された男は能面のような顔で家に帰りました。
男は無表情のままタコを台所に投げ付けると、ダッシュで近くの神社まで行き、そのままの勢いで神社にソバットをお見舞いしましたが、その一撃で柱が折れて神社が崩壊して男は潰れてしまいました。
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数年後、異世界に転生した男は天女を探す旅をしましたが、行く場所行く場所に筋肉が現れてノイローゼになりましたが、それでも諦めず、天女を探し続けました。
おしまい
やっぱり筋肉!天女も筋肉!!容赦なく筋肉!!!
この作品は「天女が筋肉」を書きたかっただけです。
ごめんなさい。




