『ウサギとカメ 弐』
帰ってきたウサギとカメ!今度もカメが異世界に転生しちゃうお話。
むかし、むかし、足が速いと有名なカメがいました。
詳細は誰にも分かりませんが、とにかく足が速い、その速さは陸上生物では最速ではないか、と噂されるほどです。
それを聞いたウサギは鼻で笑いました。
「いつもノロノロ歩いているカメがそんなに速いはずないじゃないか。ヘソで茶が沸いてしまうよ」
ヘソでお茶が沸いてしまったら、それはもう生物として大変です。
ウサギはカメと競走し、噂がただの噂である事を証明する事にしました。
「カメさん、カメさん。僕とどっちの足が速いか競走しよう!」
「いいよー」
わたがしのように軽い感じの返事にウサギはイラっとしましたが、同意を得られた事で噂を払拭できると思い、ぐっと堪えます。
競走は翌日となりました。
翌る日、ウサギとカメはスタート地点にいました。ゴールは丘のてっぺんです。
「ウサギさん、今日はよろしくねー」
カメはのんびりとウサギに話し掛けます。
ウサギはバカにしたように鼻を鳴らすと、カメに指を突きつけて言いました。
「カメがウサギに勝てるわけない事を証明してやる!カメなんかいつものーんびり歩、ぃがぁぁぁぁぁあああ!!?」
「人を指差すのは良くないよー」
カメはウサギの人差し指を握ると、あれ?指ってそん風に曲がるの?という方向に凄い勢いで曲げました。
良い子は人を指差してはいけません。
いよいよ、スタートです。
ーーー位置について・・・
右手の人差し指が3倍くらいに腫れ上がったウサギはクラウチングスタートの体勢から、チラッとカメを見ました。
カメは大きな欠伸をしています。
(全然やる気も感じられないな。こりゃ楽勝だ!)
ーーーよーい・・・
ウサギは後ろ脚に力を込めます。
ーーードンっ!
最高のスタートを切ったウサギは軽快な走りで丘のてっぺんを目指します。
既にスタート地点は遥か後方、カメも遥か後方にいる事でしょう。
ウサギは勝利を確信しています。
しかし、それは背後から猛烈な勢いで近付く何かを感じ取るまででした。
背筋に寒気が走ったウサギはチラリと後方を確認します。
甲羅からにょきりと生えた、カモシカのような筋肉を纏った黒人特有のしなやかな脚。
大きなストライドで軽快に、しかし力強く地面を蹴りながら、さらに加速していくそれは試作型もびるあーまー、ビ○・ザムのような外見の・・・
カメでした。
「気持ち悪っ!!」
ウサギは思わず率直な感想を述べます。
しかしながら、気持ち悪くともその走りはまさにスプリンター。
あっという間にウサギを追い抜き、風を切りながら丘のてっぺんへ。
ゴールテープを切った後もそのまま走り抜き、丘の先にある崖から落ちていきました。
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数年後、異世界に転生したカメはその珍妙な外見から『陸の脚長おじさん』という異名で呼ばれながらいじめられました。
おしまい
カメのイラスト化、誰かしてくれないかなぁ・・・こう、リアルな感じの・・・。
この作品は「ビ○・ザム」を書きたかっただけです。
ごめんなさい。




