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『かさじぞう』

お地蔵さまが恩返し、かさじぞうをアレンジしてスープレックス!おじいさんが異世界に転生しちゃうお話。

むかし、むかし、貧しいおじいさんとおばあさんが住んでいました。


暮れも押し迫った大晦日、おじいさんは雪の中、笠を売りに町へと出掛けましたが、まったくこれっぽっちも売れませんでした。

吹雪になりそうだったので、仕方なく帰る事にしました。

その帰り道、おじいさんは108体のお地蔵様を見付けました。

お地蔵様は頭に雪を積もらせ、なんとも寒そうです。実際何体かは眉間にシワを寄せながら、ブルブル震えていました。


「これはこれは、お地蔵様。さぞ寒いでしょうに、この笠をかぶってくださいな」


おじいさんは手持ちの108枚の笠をお地蔵様にかぶせてあげました。


「これだけでは、まだ寒さはしのげませんな。こちらもどうぞ」


おじいさんはバッグに入っていた108着のフリフリのメイド服をお地蔵様に着せてあげました。


「ついでにこちらもどうぞ」


おじいさんはポケットに入っていた108個のサングラスをお地蔵様に掛けてあげました。


「これでよし。では、良いお年を」


おじいさんは満足気に頷くと、帰路につきました。

帰ったおじいさんはこの事をおばあさんに話すと、「わたしのメイド服をどうしてくれる!?」とボディブローを見舞われ、悶絶しました。



その晩の事、遠くの方からズシンズシンと重い足音が聞こえてきました。

おじいさんとおばあさんはそっと外を覗いてみると、笠をかぶり、溢れんばかりの筋肉をメイド服に包み、サングラスを掛けた108人のお地蔵様が、家を包囲していました。

それぞれの手にはお米や野菜、お肉にお魚、トイレットペーパーやサランラップなど、食料やら生活必需品やらがこれでもかと担がれていました。


「親切なおじいさんの家はここか・・・野郎ども!ここに全部置け!!」


一人のお地蔵様の号令でズシンズシンと家の前に荷物が置かれます。


「我を含め、2号から13号までは残り、後は帰って待機だ!!」


リーダー格であろうお地蔵様の再度の号令である者は残りある者は帰って行きました。

外には大量の食料に生活必需品とタビデ像をふた回りくらい肉厚にしたお地蔵様が13体。


「親切なおじいさん。我々はあなたを守りに来ました。どうぞご安心ください」


全然安心できないような事を言われたおじいさんですが、あまりの圧力に諦めました。


それからというもの、


「ごめんください。おじいさん、保険りょ、ウバラァ!!」


「おじいさんには手出しさせない」


バックハンドブローで、保険料の集金に来たサラリーマンを殴り飛ばし、


「ごめんください。マンションの購にゅ、ビラバァ!!」


「おじいさんには手出しさせない」


ウエスタンラリアットで、物件販売員を吹き飛ばし、


「おじいちゃん?おれおれ、孫のと、バクチュ!!」


「おじいさんには手出しさせない」


投げっ放しジャーマンスープレックスで、オレオレ詐欺師を投げ飛ばしました。


おじいさんとおばあさんは悠々自適に老後を過ごす事ができましたが、お地蔵様7号がバランスを崩し、下敷きになったおじいさんが死にました。



ーーーーーーーーーー



数年後、異世界に転生したおじいさんは錬金術を極め、ゴーレムを大量に作り出し、森の奥で悠々自適に暮らしました。


おしまい

一家に一台地蔵様!まさかの大量恩返し。


この作品は「おじいさんのバッグからメイド服」を書きたかっただけです。


ごめんなさい。

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