第四話
「サヨク先生、どうして日本人は嘘をつくのでしょうか。日本人が嘘さえつかなければ、僕はもっと穏やかに暮らせるのに……」
「本当ですね。私も同じ日本人として恥ずかしいと思います」
「白雪姫に出てきた鏡があればいいのに。こちらが訪ねたことに、必ず真実で答えてくれるあの鏡があれば、日本人も嘘を認めざるを得ないでしょう」
そう言ってみたものの、チョン君はむなしさを感じずにはいられませんでした。そんな便利な鏡なんて、現実には存在しないのです。
「どうにかして日本人に思い知らせる方法がないでしょうか……」
チョン君はしばらく考えていましたが、突然、名案が浮かびました。
「そうだ、僕が鏡になればいいんだ。日本人が嘘を言っても、それは間違っていると言える鏡、そして真実を教えてあげられる鏡に僕はなりたいと思います」
「チョン君、それはとても素晴らしいアイデアです。もちろん、私も手伝いたいと思います」
こうして、チョン君は日本人が話すことすべてに、それは嘘だ、と言うようになりました。また、サヨク先生はチョン君の言うことこそが真実であると主張し続けました。
*
ある日のことでした。インターネットの掲示板を見ていたチョン君は、自分の言ったことが否定されている書き込みを見つけました。テレビや新聞ではそんなことは決してないのですが、ネットでは誰もが書き込みできるせいで、そういうことが起こります。
チョン君は洗面台に行き、鏡をのぞきこみました。
(鏡よ鏡。どうして日本人はあんな馬鹿げた主張をするのか)
チョン君は鏡に向かって、心の中で問いかけました。
『それは日本人が、嘘つきだからだ』
『それは日本人が、嘘つきだからだ』
『それは日本人が、嘘つきだからだ』
鏡の中の自分が、何度でも答えてくれます。
「白雪姫の方が美しいことを認められなかった、あの恥知らずのお妃のような日本人が、この世からいなくなりますように……」




