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異世界コレクター「1番の宝」

「世界中の宝を集める!」


それが、異世界一のコレクター・ガルドの夢だった


竜王の牙


海神の真珠


星が砕けた夜にしか採れない流星鉱石


人々が伝説と呼ぶ品々は、すべて彼の宝物庫に並んでいた


しかし、ガルドは毎朝、宝物庫の扉を開けるたびにため息をつく

「まだ足りない」


その言葉を聞いて、執事は首をかしげた


「旦那様、この世にこれ以上の宝などあるのでしょうか?」


「あるはずだ」


ガルドは迷いなく答えた


「私が満足していないのだからな」


やがて、彼は「千年を生きる仙人」の噂を耳にした


世界中の宝のありかを知るという賢者である


ガルドは山奥の庵を訪ねた


「教えてほしい」


「何をだ?」


「この世界で、まだ誰も手にしていない最高の宝を」


仙人は静かに笑った


「あるとも」


ガルドは身を乗り出した


「どこに眠っている?」


「おぬしも、もう持っておる」


「何だと?」


「いや、おぬしだけではない、誰もが一度は持っておる」


ガルドは考え込んだ…


竜の牙でもない


神の秘宝でもない


ならば何なのか


「教えてくれ…」


仙人は湯飲みを置き、ゆっくり答えた


「満足だ」


ガルドは思わず笑った


「そんなもの、宝ではない」


「だから誰も集められんのだ」


仙人は続けた


「宝を一つ手に入れれば、次が欲しくなる、十あれば百を望む、千あれば世界を欲しがる」


ガルドは言い返せなかった


確かに、宝を手に入れた瞬間だけ胸は躍る


だが翌日には、もっと珍しい品を探していた


「満足は、手に入れるものではない」


仙人は穏やかに微笑む


「手を止めた者だけが見つけられる宝だ」


ガルドは黙って山を下りた


宝物庫の扉を開く


竜王の牙も、神の冠も、昨日と何一つ変わらず輝いている


それでも彼は、いつものように新しい地図を広げた


「さて……次の宝を探しに行くか」


宝物庫の隅では、誰にも見つけられない、満足という宝だけが、今日も静かに埃をかぶっていた

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