ラシオンの爆弾発言
天運スキルを手にして回した従者ガチャの結果がこれだ。
・元王宮お抱え絵師 デューク 34歳
安定のおっさんに片足を突っ込みかけている男で、ここまで来ると逆に凄い。
俺のガチャ運は天運スキルを持っていたとしても全く関係ないみたいだ。
「戦士ではなかったですね」
「ええ、みんな外れてしまったわ」
いや、まだ町娘チャンスが残っている。
俺はまだ賭けに負けたわけじゃない。
そう思いながら住民ガチャを111連回した。
・元宝石細工師 竜人族 ラグナス 625歳
・元ガラス職人 池内 48歳
・元時計職人 堀田 40歳
俺はもう何も信じない。初めから天運スキルなんてものはなかった。そうだろう?
「竜人族であってるかな?鱗が付いてる君とても大きいね。戦士かな?僕の勝ち?」
「……?いや、俺は宝石細工師だが」
「宝石!?その大きな手で宝石を扱えるのかい!?」
「ああ、キラキラした物が好きなんだ」
俺もすっかり職業のところを見ていなくてゴリゴリの戦士だと思っていたのだが、どうやらゴツイ見た目には反して繊細な宝石を扱うらしい。
これがギャップ萌え……?
今回のラインナップは職人気質な人ばかり集まったな。
ユグドラシルがもっともっと発展していくのは嬉しいことなのだが、俺の発展はいつになったら始まるのだろうか。
受け入れ準備は出来ているので早めにお願いしますね神様。
あっ……ついつい物欲センサーが反応して神様にお祈りしてしまったではないか。
俺は住民たちの説明は2人に任せ、デュークを連れて屋敷に帰宅した。
「お帰りなさいませご主人様。いつも通りのご様子で安心しました」
「セバス、一言余計だ。こちらは新しく従者となったデュークだ、屋敷の説明を頼む」
「かしこまりました」
そして俺は逃げるように癒しを求めてラシオンのところへ向かった。
「ラシオン……お前だけだよ俺の癒しは」
『えへへ、ぱぱくすぐったいよ』
俺はまた少しだけ大きくなったラシオンに癒しを求めてスリスリしていた。
『ぼくおおきくなったからね、うろこはがれそう!』
……確かに何枚かが今にも剥がれ落ちそうになっている。
「痛みはないか?」
『うん、へいき!もうとっちゃってもいいよ!』
そう言うとラシオンは何故か自分でペリっと鱗を剥がしてしまった。
「あっ、おい!そういうのは自然に剥がれるのを待つものだろう!」
全く……子供というのは何をしでかすか分からなくて困る。
『これあげる!えりおっとがぼくのうろこほしいっていってた!』
「優しいんだなラシオン。後でこれはエリオットに渡しておくよ」
前から剥がれ落ちた鱗はポーションに使いたいと言っていたからな。それをラシオンも覚えていたらしい。
だからといって自分で剥がすことは今後しないようにお説教だ。
『うぐっ、もうしないから、やくそくするから!』
「よし。わかってくれたならいいんだ。外は寒いから体育館に遊びに行くか?」
『ぐすっ、いく。ぱぱだいすき』
「俺もだ。ほらおいでラシオン」
俺は大きくなったのにまだまだ泣き虫なラシオンを連れて体育館へ向かった。
ラシオンは頭で器用にボールを操りバスケットゴールに入れるのが最近のお気に入りの遊びである。
「そういえばラシオン、今日新しく竜人族が来たんだ。竜の仲間だな」
『ぼくのなかま!?そらもとべる?』
俺が見た時は羽根などなかったが、竜人族は空を飛べるのだろうか?
その辺は追々聞いてみるしかないか。
「空を飛べるかは分からないが、ラシオンの方がこの街の先輩だからな。分からないことがあれば手伝ってあげるんだぞ」
『うん!りゅうのおじちゃんたすける!』
「……まだおじさんだとは言っていないんだが?」
『ちがうの?』
くっ、否定出来ないのが悔しい。
この際、竜人族の若い女騎士とかでも良かったのに!
ラシオンにまでおじさんしか出ないと認識され始めているのはまずい。俺はまだラシオンのママを諦めたわけじゃないのに。
『ぼくは、ぱぱがいればいいよ』
「ラシオン……」
『だからもっといっぱいあそぼうね』
「が、頑張るよ」
体力がもつか心配になってきた。可愛い彼女が出来る頃には枯れてましたなんてことになってないといいが…
『あとね、すれいとぷにるもあそびたいっていってたよ』
スレイとプニルというのは動物ガチャで手に入れたスレイプニル2頭の名前だ。
わかりやすくていい名前だろう?みんなからはネーミングセンスが酷いと大ブーイングを食らったが。
そういえばここ最近はあまり顔を見せに行けてないな。明日あたりにでもリンゴを持って行こう。
「それよりもラシオン、スレイたちの言っていることがわかるのか?」
『ねんわでつたわってくる!』
サラッと念話が使えるなんて爆弾発言するのはやめてくれラシオン……




