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異世界転生したら実妹ルートに突入しました~ただし、ハーレムは強制のようです~  作者: 朝霧雪乃


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第81話・人形(ドール)とパンツ


(さてと……)


 魔物はすべて倒したと思う。

 魔石の回収も終わった。

 あとは2階にある部屋の探索だ。

 手始めに近くの小部屋へと入る。

 中は暗くてよく見えない。

 ヘルメットに着けてたライトのスイッチを入れ、中を見ながら壁を触っているとスイッチのようなものがあった。

 とりあえずそれを押してみる。


「おっ――」


 照明がついた。

 ここにも電気は来てるのかな?

 入る前に見たが電線はつながっていたと思う。

 誰がその料金を払っているのかわからないけど、管理会社っぽい看板は立ってたからそこかもしれない。

 ダンジョンは神の試練と言っていたが、介入になってしまうので神様が料金を払うことはできないと思う。

 部屋は応接間っぽい感じだった。

 低いテーブルを囲むようにソファーが置かれている。

 テーブルの上には、ガラスの灰皿。


「ん?」


 真ん中にある1人用のソファーに黒髪の人形が置かれていた。

 着物だが、下がミニスカというやつ。


(どこかで見たことがあるような?)


 警戒しながら進むも特に何も起きず。

 近くでその顔を覗き込む。

 オタクが好きそうな二次元美少女風ドール。

 その中でも、かわいいタイプのやつ。

 胸元に視線を落とすも、ふくらみは大きい。

 胸が大きいボディのやつ。


「もしかして夜々(やや)か?」


 名前を呼ぶ。

 前世で持ってたドールにつけてた名前。

 まあ、元から「夜々(やや)」という商品名がついていたやつだけど。

 頬に手を添える。

 どこかひんやりとしていた。

 魔力を感じない。

 ただの人形だ。

 なんでこんなところにあるのかは知らないけど。

 ぴらっとスカートをめくってみる。

 赤いリボンがついた白いパンツ。

 うん。

 前に持ってたのと同じやつだね。


(そう言えば、彼女たちはどうなったのだろう?)


 前世で持ってたドールたち。

 1人暮らし初めて数年たった後、どうしても欲しくなって買ってしまったのだ。

 ミウたちにやっているように、膝に乗せたり、髪をとかしたりしていた。

 もちろん、あっちの用途で使うこともあったけど。

 4人目をお迎えしたところで満足できたし、お金の問題もあったからそれ以降は買わなくなった。

 俺が死んだ以上、彼女たちは処分されているだろう。


(まあいいや。それよりも何か金目のものはないかな?)


 物色してみるも人形以外は特になかった。



――



「夜々(やや)、セレスティア、アリサ、ルーシー……」


 前世で俺が持ってたドールたちが勢ぞろいしていた。

 あれからすべての部屋を回ったものの、この人形が1体ずつ置かれているだけ。

 だから、とりあえず全部フロントに持ってきて、俺のいる位置から全員のスカートの中が見えるように微調整して並べてみた。

 夜々が白で、セレスティアが緑で、アリサが黒で、ルーシーが青と白の縞々。

 あれから魔物は出てきてないから、すべて片付けたと思うけど。


(弱ったな。ミウの迎えがあるから長居をしたくないんだが……)


 携帯電話《スマホ》を見るも、時間はまだある。

 仮に閉じ込められたとしてもトイレはあるし、水も流せたから、持ち込んだ食料が無くなるまでは持つだろう。

 圏外にもなっていないから救助も呼べるはず。

 でも、ここはダンジョンの中。

 任意で入っている以上、お金を積まない限りは救助が来る見込みは薄い。

 脱出できなかったら、一大事だ。

 ミウとの約束を破ってしまう。

 なんとかしないと。


(もしかして謎を解かないといけないのか? でも、謎解きは苦手なんだよな……)


 ゲームでは定番なんだけど、攻略本か攻略サイトがないと攻略できなかったんだよね。

 俺がゲームを苦手とする理由の1つ。

 それとも応接室っぽい部屋にあったガラスの灰皿に何か秘密があるのか?

 飾りっぽかったから持ってこなかったが。


「ん?」


 夜々にふと目をやると、まくってたスカートが元に戻っていた。

 ほかの子たちのスカートも元に戻ってる。

 せっかくこの位置から中が見えるように調整して座らせてたのに。

 前世でもよくやってたけど、やっぱり人形でもパンツは見たいじゃん?


(パンツって、まさか――)


 ゆっくりとホルスターから拳銃を抜く。

 安全装置を解除して、彼女たちに向ける。

 しかし、動くことはなかった。


「気のせいか?」


 そんな言葉をつぶやきながら、夜々の頭に狙いを定めて引き金を引く。

 すると、夜々の頭が弾けた。

 非常に。

 非常に心苦しいのだが――


「「「カタカタカタ――」」」


 残りの人形が一斉に動き出した。


(やっぱり、擬死《ぎし》スキル持ちかお前らっ――)


 触ったとき魔力の反応無かったぞっ。

 素早く拳銃で人形たちの撃ち抜いて倒す。

 そして、倒した人形から魔石を回収して入り口を見ると、いつの間にか鉄格子が消えていた。


「なるほどね……」


 たぶん、探索者が油断して寝たりしたところで襲う魔物なのだろう。

 休むついでにネットでよく調べてみたら、全部答えが載ってた。

 脱出のキーとなる人形は、自分の記憶の中で最も愛着のある人形を人形型の魔物として生み出すダンジョンなのだそうだ。

 イザナミ様から「ダンジョンは神が作った試練の場」と聞いたが、今回のダンジョンはその性質が強いところだった。

 情報収集を怠ってた俺が悪いんだけど、これからはちゃんと下調べしてからダンジョンに入らないと駄目だね。

 改めて忘れ物がないか確認して、ダンジョンを脱出する。



――



 高校の探索者協会に戻って報告するも、特に何か起きることもなく、今日のお仕事は終了となった。


(20万か……)


 手数料を引いた状態での金額だった。

 もちろん、帰りもタクシーを使ったから、ここから移動費としてタクシー代を引かないといけないけど。

 思ったよりも人形型魔物の魔石が高かったんだよね。

 探索者協会での買取は最低買取価格だから、オークションに出した方が高くなりやすいそうだ。

 ただ、その手間暇を考えると、そのまま探索者協会で売却してしまった方がいい気もするんだよね。

 面倒だったから探索者協会に買い取ってもらったけど。

 オークションにも興味がある。


(でも……)


 今回は運よく倒せたから良かったが、一歩間違えば、あのダンジョンから抜け出せない可能性もあったわけで。

 たった1つしかない命をかけて、その報酬が20万というのはやっぱりリスキーな仕事だと言えるだろう。

 回復魔法があるものの、戦う以上、怪我のリスクもある。


(うーん。探索者に代わって、安全な場所で楽に稼げる仕事があるといいんだけどなー)




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