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異世界転生したら実妹ルートに突入しました~ただし、ハーレムは強制のようです~  作者: 朝霧雪乃


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第68話・来週もお泊りしたい


「お兄様。また来週も来てもいいですか?」


 帰り支度していたくるみから声をかけられた。


「ん? 俺は構わないけどどうかしたのか?」

「実はお母さんが忙しい。だから来週も来たい」


 こむぎが補足するようにそう言ってくる。


「そうなの?」

「はい。中原《なかはら》さんという弁護士の方とのやりとりもあるみたいで……」

「あー……」


 たぶん認知や遺産のことだろう。

 俺もまだ細かい調整が終わっていない。


「お兄様の方も弁護士さんとのやりとりは必要ではないのですか?」

「俺も必要だけど、俺の場合は平日も都合がつくからね」

「都合?」


 こむぎが首をかしげる。

 かわいい。


「ああ。俺が通っている探索者高校なんだけど、ダンジョン攻略をするときは管理の問題から遅刻や早退という扱いがなくなるんだよね。だから、ちょっと早く帰ってきて用事をこなすこともできるんだ」

「そうなんですか?」

「ああ。ダンジョンに入る許可さえ下りれば、あとは自由登校に近いかな?」


 ダンジョン攻略をしない場合は通常の遅刻や早退があるけど。

 このおかげでミウの迎えに間に合っているところもある。

 普通の高校だったら、時間帯的にギリギリだと思うし、日によってはミウの迎えが出来ないときもあるだろう。

 関係を持った今となっては学校よりもミウの方が大事だから、普通の高校だったらミウのために学校を辞めてたかもしれない。


「一応、中間試験や期末試験もないけど、その代わりに学校が設定した【ダンジョン攻略課題】っていうものがあって、それをこなしてさえいれば、それでいいって感じなんだよね。ほら、探索者って実力主義で有名じゃん?」

「確かにそう聞きますね……」


 くるみがゆっくりとうなずく。


「あとは、ダンジョンに入れない登校日とかは月に1回ぐらいあるから、その日は休めないし」

「へー。そうなんだ」


 今度はこむぎが言葉を返してきた。

 普段は緩いんだけど、登校日に限っては原則出席とされるからね。

 ついうっかり登校日であることを忘れて出席しなかった結果、留年したという先輩の話を聞いたこともある。


「ほかには何かあるのですかお兄様?」

「そうだな。探索者協会は365日24時間営業が基本なんだけど、探索者高校にある探索者協会――正式名称は【日本探索者高校支部】って言うんだけど、そこは探索者高校の生徒が使うことが前提だから、営業時間が決まっているとかかな? 土日や夏休みとかも原則お休みだし」


 探索者なら探索者高校に通う生徒以外も高校にあるダンジョンに出入りすることができるが、高校の中にあるという事情から特別な許可が必要なんだよね。 

 営業時間も07時30分から17時30分の間と決まっているから、生徒以外の探索者が入ることはまず入ることはないし。

 それに、俺たちは探索者ではあるが、それ以前に未成年の高校生だ。

 だから、17時以降に探索者高校にあるダンジョンに入ることが原則禁止されていたりする。

 ダンジョンから出る場合は問題ないし、ほかのダンジョンに入る場合ならそういう制限はないけど。

 このほかにも、高校の探索者協会が営業していなくても、ほかの場所にある探索者協会での手続きはできるから、営業時間に間に合わなかった人たちはそちらに行くことになっている。


「でも、お兄。遅刻や早退がないならサボり放題じゃない?」


 こむぎがどこか羨ましそうな表情を浮かべる。


「いや、それがな。その課題が毎年死人が出るレベルだから、内容としてはかなりハードだよ? サボってたら普通に死ぬから」

「そうなの?」


 いまいちピンと来てない様子のこむぎ。

 うーん、どう言ったらいいのか。


「例えるなら、人を襲うサメのいる海を泳いで渡らないといけないって感じかな? 泳いでいる途中に体力が尽きても、サメに襲われたとしても誰も助けてくれない的な……」

「それは怖い」


 想像したのかこむぎの表情が引きつってた。


「お、お兄様。お兄様はそのような危険ことをしているのですか?」


 くるみが血相を変えていた。

 ちょっと余計な心配をさせてしまったようだ。


「ま、まあな。でも、それが探索者だから仕方ないんだよ。お金も稼げるし」

「すみませんお兄様。お兄様にそこまで負担をかけてしまって……」

「いいんだよくるみ。これは俺がやりたいことだからね」


 ゆっくりとくるみの頭を撫でる。


「お兄様……」

「むぅ。くるみばっかりずるい。こむぎも――」

「わかった」


 左手でこむぎの頭も撫でておく。

 ああ、サラサラしてて気持ちいい。


「お、お兄ちゃん? 何しているの? そろそろくるみちゃんとこむぎちゃんを送る時間なんだけど……」


 引き戸を横にスライドさせたミウから声をかけられた。


「頭なでなで?」

「なんで疑問形なの? お兄ちゃん……」

「すみません。ミウお姉様。お兄様に苦労をかけてしまって……」

「んん? 苦労?」


 理解が追い付かなかったのか、ミウがその場でフリーズした。



――



「じゃあ、また来週ね?」

「はいお兄様」

「お兄また来週」


 くるみとこむぎを彼女たちの住むマンションまで送り届けた。

 久美子《くみこ》さんもいたので軽く話したが、くるみたちの要望もあり、来週もうちで預かることになった。

 「助かります」とすんなりお願いされたから、やっぱり仕事が忙しいのだろう。

 それから自宅に戻る前に通り道にあったスーパーによって。

 お惣菜のカニクリームコロッケと袋入りのサラダを買ってから、家に戻って夕食となった。

 くるみとこむぎを送るのはいいが、夕食の準備が間に合わなくなるから少し考えないといけない。

 まあ、今はそれなりに稼げているから日曜日はお惣菜やテイクアウトの日としてもいいかもしれないけど。

 とりあえず、来週もくるみとこむぎを預かることはミウと永遠に話す。


「わかりました。来週もくるみたちが来るのですね? 私の方は特に問題はありませんので……」

「ミウも問題ないよ?」

「わかった。それならいいんだ」


 ちょっとほっとする。

 俺としてはかわいい妹はウェルカムなのだが、永遠《とわ》とミウの反応が不安だったけど。

 特に問題がないのなら、これからもくるみとこむぎを受け入れていいだろう。

 俺も楽しかったからね。



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