第58話・避妊魔法があればしてもいいよね?
「うーん。体重を落とすのに一番いいのは運動なんだけど……」
夜の運動なら得意だと思うけど、普通の運動は苦手なんだよね。
今は探索者という事情もあり、ある程度は筋トレとかもしているが、必要最低限のやつしかしていないし。
「おにーちゃん。いもーとをそーゆー目で見たら駄目なんだよ?」
「ごめん。それが俺だからそこは諦めてくれ。それに避妊魔法も覚えたからいいんじゃない?」
「あ、そう言えばそうだったね。ふふーん。なるほどぉ。お兄ちゃん、それ使いたいんだ?」
なんかニヤニヤしてミウが言って来る。
避妊魔法を覚えたのはいいが、そういう機会には恵まれなかった。
だから、まだ実戦では使っていない。
「うん。使ってみたいかな?」
「ミウね。ちょぉっと早いけど、これからお風呂に入ろうと思うんだけどどうかな?」
「わかった。なら、一緒に入ろうか? お風呂場なら汚しても大丈夫だろうし」
「お兄ちゃんのえっち。でも、代わりに頭洗ってね? 背中もだよ? なんだったら前も洗ってもらおうかな?」
「わかった。じゃあ前も洗っちゃおうかな? 全身コースだね?」
「きゃー。お兄ちゃんのえっちー」
ミウとじゃれ合いながら一緒にお風呂に入る。
彼女の要望通り、背中だけではなくちゃんと前も洗った。
思ったよりもミウが乗り気だったため、普通にのぼせかけたのは内緒である。
初めて使ってみた避妊魔法もすごかった。
錬金術で精液を魔力に変えるものと聞いたが、見た目や触った感じはそれとまったく同じなのに、濃厚な魔力になっててびっくり。
さすがに学校の授業で飲んだマナポーションには劣るが、それに近い魔力があったのだ。
エロゲやエロ同人では定番だが、これなら性行為で魔力が回復するというのも納得である。
――
『きゃぁぁぁ――』
金髪の女優さんが絶叫しながら、迫りくる無数のゾンビたちを野球バットで次々と殴り倒していた。
色々とツッコミたくなるところはあるが、これはそういうのを楽しむB級映画なので仕方ない。
映画に出てくるようなゾンビや人型のクリーチャーとは戦ったことはまだないものの、いずれはそういう連中と戦わなく行けなくなるだろう。
普段からゴブリンのような魔物と戦っているという事情もあり、ゾンビやクリーチャーに対する恐怖心というものはあまりない。
むしろ、「ああなるほど。そういうタイプか……」と思ってその対処法を考えてしまう。
おかげでホラー映画というよりはアクション映画を見ているようなのだ。
そして、主人公たちのピンチを救うように軍の救助ヘリが颯爽と現れたところでスタッフロールが流れ、最後に主人公たちが倒したはずのクリーチャーの人差し指がピクッと反応したシーンで終わった。
続編が出ることも想定しているというような終わり方だ。
「面白かったね」
「そうだね」
ミウがどうしてこの映画をチョイスしたのかわからないが、「一緒に見たい」と言われたのだから仕方ない。
パソコンで見ていたこともあり、ミウを抱っこしながら見たけど。
抱っこして一緒に映画を見るというのもいいかもしれない。
ちらっと時計を確認するものの、まだ21時前。
お風呂に入るまでは少し時間があるかな?というぐらい。
「それでね、お兄ちゃん。キスシーンすごかったね」
「そうだね」
外国人らしいディープキスというやつだろう。
そう言えば、舌を絡めるようなのはミウとやったことはなかった気がする。
「じゃあ。してみる?」
「う、うん」
ミウの体の向きを変えてから、ゆっくりとキスしてみる。
最初は重ねるだけ。
映画で俳優さんたちがやっていたようにすると、歯がぶつかってしまうことがあるらしいんだよね。
だから焦らずにゆっくりとする。
先ほどまで飲んでいたコーラの甘い味がかすかにする。
好き。
キスをしたまま、ミウを抱きしめてその場にそっと押し倒す。
「お、おにいちゃ――だめ――だよぉ――」
「じゃあやめる?」
キスを止めて距離を取る。
「だめ。もっとぉ――」
甘えるように両手を伸ばしてきた。
少し休んでミウを見るも、その目がとろんとしている気がする。
ハートマークでも浮かんでいるような感じ。
また口づけをする。
「お兄ちゃ――」
「ミウ――」
明日は月曜日なのであまり夜更かしはできないけど。
避妊魔法もあるし、軽めにすればいいよね?




