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異世界転生したら実妹ルートに突入しました~ただし、ハーレムは強制のようです~  作者: 朝霧雪乃


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第55話・ひにんまほうをおぼえた


 10階層を攻略したこともあり、学校にあった鑑定室でスキル鑑定をしてみる。

 鑑定室というのは、鑑定魔法が組み込まれた水晶のようなマジックアイテムが置かれている小部屋のことだ。

 事前に申請する必要はあるが生徒なら自由に使える部屋の1つ。

 水晶に手を触れて魔力を流す。

 すると、目の前にスキル覧と書かれた空中ディスプレイが表示された。

 スキル覧には「家事全般」と「調理師」があるが、これに特に変わりはなし。


「ん?」


 ついでに魔法の覧を見てみると、「避妊魔法」という文字が追加されていた。

 この前までは空欄だったのに。


(最初に覚えた魔法が避妊魔法でワロタ……)


 スキル鑑定を終えた後、携帯電話《スマホ》で調べてみた。

 普通なら指先からろうそくのような火を出したりする【ファイア】という魔法を覚えるそうだ。

 でも、初歩的な魔法を飛ばして別な魔法を覚えるということは、珍しくないらしい。

 特に諸事情で基礎的な教育を受けられなかったという人たちの間ではよくあることらしい。

 個人的にも避妊魔法は必須だと思っているので不満ではない。

 そう。

 不満ではないのだが。


(なんか納得がいかないっ――)


 頑張って勉強したんだけど、そこは普通にファイアとかクリーンじゃないの?



――



「おにー(兄)ちゃんのえっち。すけべぇー。へんたいー。すけこましー」


 家に戻った後、ミウにそのことを話してみるとそんなことを言われた。


「そんなこと言われても覚えちゃったんだから仕方ないじゃん?」

「そんなにミウとエッチなことがしたいの?」

「うん。それに避妊薬使うと少なからずミウの体に負担かかるからね。魔法ならそこまで負荷がないみたいだし……」


 魔法の場合は使った側に負担が来るため、俺が自分の体もしくはミウの体に避妊魔法をかけても負担が来るのは俺なのだ。

 だから問題ない。

 もちろん、避妊魔法は俺が自分の体にかけるし。

 俺が覚えた避妊魔法は錬金術に近いものであるそうで、魔法で精液を魔力に変換するものだそうだ。

 この事情から性行為で魔力を回復できる存在となるようで、この世界では避妊魔法を習得した男娼のことを【インキュバス】と呼ぶそうだ。

 そして、これが女性になった場合は【サキュバス】となるらしい。


「ふ、ふーん。そうなんだ。じゃあ、お兄ちゃん。避妊魔法見せてよ」

「え? 今?」

「うん。夜ご飯も食べ終わったしいいでしょ? ついでにお風呂入ろ? 一緒に」 


 まさか「見せて」と言われるとは思わなかったけど、とりあえずお風呂場でそれを見せることになった。


(普通に淫紋(いんもん)でワロタ……)


 鏡に映ったそれを見るも、エロ同人とかに出てきそうな淫紋(いんもん)だった。

 ハートっぽいのやつ。

 普通は女性側のお腹に浮かばせるやつ。

 男の俺に浮かばせても「誰得?」というやつである。

 これで俺が女っぽい体だったらわかるけど。

 普通に男だからね。

 TS(性転換)もしない。

 ミウにかけるのならまだわかるけど。


「なんかすごくえっちだよ。お兄ちゃん」

「そう?」


 ミウがその模様をなぞるように指を這わす。

 思わず下半身が反応しかけた。


「それでこの模様が消えると避妊魔法の効果が失われるんだよね?」

「そうらしい」


 聞いた話ではこの紋様が浮かんでいる間は避妊魔法の効果があり、消えると効果が無くなるそうだ。

 目視で判断できるということは良いことだ。

 効果時間は早いもので数分だが、通常は数時間で、長いものだと数日になるらしい。

 もちろん、魔法を発動するということから、何らかの魔法を使っているというのが周囲にばれてしまう。

 俺も最初はわからなかったが、魔法の勉強をするうちに、自然とわかるようになったんだよね。


「あ、消えちゃった……」

「ほんとだ」


 端っこから紋様が薄くなるように消えていった。

 そんなに魔力を込めなかったというのもあるけど、数分ぐらいしか持たなかった。

 ちなみに、行為中に避妊魔法が切れたら普通の行為と同じになるため、妊娠のリスクが出てくるそうだ。

 あとはすでに妊娠している場合は避妊魔法が弾かれるとかで、古くは妊娠を確認する際にも使われたそう。


「初めて使ってみたけど、こうなるんだね」

「そうだね。それとお兄ちゃん。そのお腹のあざはどうしたの?」


 左脇腹のあざを見ながらミウが聞いてきた。

 昨日よりは良くなったと思うがまだ青紫色のままだ。


「ああ。ちょっとな。魔物との戦っている時にぶ(・)つ(・)け(・)て(・)ね」


 実際には石のナイフでお腹を突かれたときの痕《あと》なんだけど。

 正直に言ったら心配されそうだったので言わない。


「そうなの?」


 ミウの細い指先がお腹にあるあざに触れた。

 ズキっとそこが痛む。


「うっ。まだ痛むから触らないで――」

「あ。ごめん」


 慌てて指を引っ込めるミウ。

 その後もなんか彼女の視線を感じる。


「どうした?」

「お兄ちゃん。もしかして痩せた?」

「そうか?」


 ミウに指摘されて改めてお腹を見る。

 さすがに腹筋が割れるほどではないけど、ちょっとお腹が締まってきたのかもしれない。

 ダンジョンに入るようになってから、昼食は市販されている栄養機能食品で済ませる。

 だから、もしかしたらその影響もあるだろう。

 個人的には大盛りの牛丼とかガッツリ食べたい。

 でも、今は安定した収入がないから少しでも節約したい。

 コスパ的にはラップに包んだおにぎりがベストなんだけど、俺の分だけと考えるとなんかすごく面倒に感じるのだ。

 米を研いで、炊飯器で炊いて、釜を洗うだけなんだけどね。

 あとは栄養バランスの偏りもちょっと気になるし。

 この結果、値段が手頃かつ片手で食べられて、バランスよく栄養が取れる栄養機能食品となったのだ。

 コンビニやドラックストアなどでも売っているから、補充も簡単だし。

 一応、軍隊で使われる戦闘糧食(レーション)やそれを民間向けにした【救難糧食《きゅうなんりょうしょく》】なども用意しているが、それらを常食とするにはちょっと高いんだよね。

 圧縮ビスケットタイプの非常食は探索用のリュックに3食だけど1日分入れているし、戦闘糧食《レーション》は、災害用の備蓄やダンジョン探索用の非常食としてミウの分を含めて自宅に保管している。


「ミウ? そろそろお風呂に入りたいんだけどいい?」


 ちょっと寒い。

 俺もミウもバスタオルを巻いているけど裸であることには変わりないし。


「あ、うん」


 それからミウとお風呂に入った。

 避妊魔法に関してはどれくらい持つのかわからなかったから、とりあえず全力で避妊魔法をかけてお風呂に入ってみた。

 もちろん、エッチなことはしていない。

 そして、お風呂からあがってミウの背中をバスタオルで拭いていたら消えた。

 大体50分ぐらいは持つのだろう。

 これなら行為中に魔法が切れることはないと思う。

 安心して使えそうだ。



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