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異世界転生したら実妹ルートに突入しました~ただし、ハーレムは強制のようです~  作者: 朝霧雪乃


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第51話・すき焼き


「あれ、お兄ちゃん。今日はすき焼きなんだ……」


 ふらっとリビングに入ってきたミウから声をかけられた。


「ああ。臨時収入があったからな」


 その収入が思ったよりも多かったので、今日の夕食はちょっと奮発した。

 食材だけではなく、コンロが付いた1人用のすき焼き鍋のセットも一緒に買ってしまったけど。

 数千円だったからね。

 仮に今回限りになってしまったとしても後悔はない。


「臨時収入?」


 ミウがこてんと首をかしげた。

 かわいい。

 好き。

 結婚しよ?


「ああ。この前、ダンジョンで先輩たちと一時的にパーティーを組むことになったんだけど、その際の報酬を少し分けてくれたんだ。だからそれでね」

「へー。それでお兄ちゃん。これは1人1セットなの?」


 鍋とコンロが入っていたパッケージの画像を参考にしながら、鍋に焼き豆腐や牛肉、ネギなどを盛り付けていた。

 ミウが興味深そうにのぞき込んでくる。


「ん? そうだけど何か問題があったか?」

「いや。その。すき焼きってテーブルの真ん中に鍋を置いてみんなで取って食べるようなイメージだったから……」

「ああ、普通はな。ただ、それだと()()()()()()()()からね。会席料理に出てくるように1人前にした。作り置きのおかずのように皿に盛ってレンジでチンして食べるというのもあったけど、今日はせっかくいい牛肉を使うから鍋で食べたいなと思って……」


 お寿司のときの失敗もあるしね。

 今度注文するときは寿司桶を選ぶけど。 


「あー、いいお肉だったらそうだね……」


 料理によっては一緒に煮たり炒めることもあるが、基本的には食材ごとに火を通してから皿に盛りつけるというのが俺のやり方だった。

 あとは母親と同じで、「食べたい時に勝手に電子レンジでチンして食べてください」というスタイル。

 ただ、前世の母親は大鍋で一気に作ってから取り分けるタイプだったし、そもそもカレーやシチューですらレシピを気にせずに目分量で作る人だった。

 だから、レシピ通りに作る俺とは料理のやり方が合わなくて苦労した。

 掃除や洗濯はこまめにやる人だったけど。


「じゃあ食べるか? すぐに食べるなら固形燃料に火をつけるけど、どうする?」

「う、うん。ちょっと早いけど食べようかな? なんか見てたらお腹空いてきちゃった」

「わかった。具材が生だから火が通るまでちょっと時間がかかるけどいい?」

「うん。じゃあ、ミウはお皿並べるね? ご飯はどうするの?」

「先にお皿並べてからだね。あ、卵は冷蔵庫の中にあるから」

「うん。わかった」


 そして、ミウと話しながらすき焼きを食べた。

 今回は鍋でやったということもあり、少し残したご飯と卵、刻んでおいた青ネギを鍋に入れて締めの雑炊を作ってみたりしたけど。

 中々においしかった。



――



 食事を終えて後片付けをするとミウも手伝ってくれた。


「やっぱりミウがいると楽だね……」

「そう? お皿拭いて、棚に戻してただけだよ?」

「それでもさ。自分でやるってなったらやっぱり時間かかるじゃん?」

「そうだね……」


 前世では手伝ってくれる人はいなかったんだよね。

 母親が手伝ってくれるときもあったけど。

 あの人、多少なら皿に水気が残ってても気にせずにしまうねん。

 掃除や洗濯はしっかりするのにそこはちょっとずさんで俺と合わなかった。


「ありがとミウ。手伝ってくれて……」


 いつものように軽くミウをハグする。


「う、ううん。大丈夫だよ?」

「そう?」


 ミウと目が合うも、あどけなさが残る顔を赤くしていた。

 腰まで伸ばした黒い髪に目じりの下がった茶色い瞳。

 髪と目は俺と同じ色だけど、どうしてこんなにかわいいのか。

 軽く頭を撫でる。

 もうちょっとミウとお話したい。


「それでミウ。これからどうするの?」

「うーんとね。お部屋に戻って勉強かな? どうしたのお兄ちゃん?」

「いや。ちょっとミウとお話したかったんだけど、勉強だったら――」

「ううん。お兄ちゃん。ミウね。お兄ちゃんとお話したくなっちゃった」


 てへへと言わんばかりにそんなことを言ってきた。


「そう? お勉強は大丈夫?」

「うん。大丈夫。ささ、ミウの部屋に行こ?」

「わかった」


 ミウに手を引かれて彼女の部屋へと向かった。



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