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異世界転生したら実妹ルートに突入しました~ただし、ハーレムは強制のようです~  作者: 朝霧雪乃


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第47話・モンスターハウス

【前書き】

作者からのお知らせ

第47話から第50話までミウちゃんはお休みとなります。

少し長めのお休みなのでお知らせしました。


「各員、戦列を崩すなっ‼ 持ち場を守れっ――」


 青い髪をポニーテールにした先輩が叫ぶ。

 そして、魔物の群れに単身で突撃する。

 舞を舞うように抜いた刀で魔物たちを一刀両断にしていく。

 すごい。

 ちょっと突出しているような気もするが、敵を引き付ける意味合いもあるのだろう。

 先輩に引き付けられるように魔物たちが集まっていく。


「ったく。まさかモンスターハウスを引くとはなっ――」


 自身の背丈よりも大きな盾を持った大柄な先輩。

 文句を言いながらも迫ってきたオークを盾で弾いて、その体勢を崩した。

 たぶんシールドバッシュという技だろう。

 オークが片足を地面につく。


「はわわっ。氷の雨よ、我らが敵を穿うがてっ――」


 続けてウィッチハットをかぶった先輩が魔法を発動させ、周囲に無数の氷のつぶてをばら撒く。

 これは範囲魔法かな?


「「「ギギッ――」」」


 つぶてが当たった魔物たちがバタバタと倒れていく。

 小型や中型の魔物には効果があるようだが、大型の魔物にはあまり効いていないように思える。

 それでも、片膝をついていたオークが頭を撃ち抜かれるように仰向けに倒れた。

 威力はそれなりにあるようだ。


「よし。槍使いはポーターたちを守れ。近づかせるなっ――」


 ハスキーな声が周囲に響く。

 声が聞こえた方を見ると、金髪の小柄な先輩が力強く旗を翻す。

 金色のドラゴンが描かれた白い旗。


「「「応っ」」」


 その先輩の指示に従うように、様々な種類の槍を持った人たちがポーターたちを守るように円陣を組んだ。

 数が足りなくて隙間があるものの、その隙間を埋めるように弓をつがえた人や杖を構えた人たちが見えた。

 真ん中には大きなリュックを背負ったポーターたちがいるから、そういう陣形なのだろう。

 剣や盾などを装備した人たちが前衛として戦うようで、ブロードソード《剣》を装備している俺も「お前はそこを守れ」と前衛に割り当てられた。

 鞘から剣を抜いておく。

 普通は槍使いが前に出るものだと思うが、今は奇襲に近いので仕方ない。

 でも、たった1年違うだけでここまで連携が取れるようになるのは本当にすごい。


『今日、我らと共に戦う者は皆、我が兄弟であるっ――』


 ハスキーな先輩の声が頭に響いた。

 ()()()()()()()()()()()

 瞬時に体が温かくなった。

 不思議と手足に力が入る。

 体が軽い。

 今なら空でも飛べそうだ。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()が、それと同時に動きが鈍くなったようにも見える。


(なるほど、これがバフとデバフか……)


 ゲームではよく見ることが多かったが、実際にそれを見るとちょっと感動する。

 すると、斧を持ったゴブリンたちが鉄砲玉のように次々と飛び出してきた。

 速い。

 人の間を縫うように突進してくるゴブリンたち。

 途中で無防備そうに見えた先輩たちもいたが、それには目もくれず、まっすぐこちらに向かってきている。

 その勢いから俺が目標というわけでもなさそう。

 たぶん狙いは旗を持つ先輩か?

 斧を持つゴブリンたちの頭にはサンタクロースがかぶってそうな赤い帽子があった。


(レッドキャップかっ――)


 ゴブリンの上位種とされる。

 初めて見るので本当にそれで合っているかはわからないけど。

 肩に力が入る。

 本来ならば格上の相手だ。

 剣を中段に構え、その進路を()()

 先頭を行くレッドキャップが俺を避けようと、体を傾けさせて右に避けた。


(逃がすかっ――)


 そいつにタックルするように剣を突き刺す。

 思ったよりも体が軽くてびっくりしたが、たぶんバフのおかげだろう。


「ぐごっ――」


 真横から剣に貫かれて、目を大きく見開いたレッドキャップと視線が合う。

 たぶん致命傷になっただろう。

 すぐに剣をレッドキャップの体から引き抜き、左右を確認。


(よし、周囲に味方はいないな)


 素早く剣を野球バットのように持ち替えて、俺の横をすり抜けようとした後続のレッドキャップめがけてフルスイング。


「ぎっ――」

「おっらっ――」


 ドンっという重い手ごたえと共にレッドキャップの体を一刀両断する。

 痛てぇ。

 手が痺れる。

 生温かい返り血ももろ浴びた。

 でも、意外とできるものだ。

 さすがにあのポニテの先輩とは比べ物にはならないと思うけど――


「くっ――」


 息つく暇もなく、次が来た。

 慌てて剣を頭の側面付近に高く構える。

 いわゆる霞の構え。

 迎撃するっ――


「ぐ、ぐぎぃぃぃ――」


 レッドキャップが顔を引きつらせて斧を振るおうとしたが、俺の剣が首筋に突き刺さる方が早かった。

 武器のリーチ差。

 ただ、その勢いは殺しきれず、レッドキャップとぶつかる。

 バランスを崩して倒れこむ。


(ちっ。抜かれた――)


 すぐにレッドキャップを押しのけながら起き上がったが、残りの集団はすでにいなかった。

 振り返って後ろを見るも、旗を持ってた先輩がその旗を翻しながらレッドキャップたちを倒していた。

 すごっ。

 棒術というやつだろうか?

 倒れたレッドキャップたちにすかさず数本の矢が突き刺さる。


(はー。これが上級生なんだねぇ。たった1年の差でここまで連携ができるようになるのか……) 


 そうこうしているうちに片付いた。

 やることもないので、とりあえず先輩たちに倣って倒れている魔物たちにとどめを刺して回る。


(えいっ――)


 ローブを着たゴブリンの背中に剣を突き刺す。


「ぎぃぃぃ」

「あっ――」


 ゴブリンが絶命の声を上げた。

 上半身が無くなっているオークの後ろに倒れていたからてっきり死んでいると思ったのだが。

 どうやら死んだふりをしていたようだ。

 たしか擬死ぎしスキルとか言ったっけ?


「みなさぁん、魔物の反応が完全に消えたそうですぅ。ですのでぇ、戦闘は終了ですぅ――」


 アニメキャラのような甘くかわいい声が響き渡った。



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