第43話・朝チュン
「おはよ。お兄ちゃん」
ふと目が覚めたらミウと目が合った。
一瞬、視線が胸の方へと移るがこれは仕方ないことだろう。
だってミウは何も着ていないのだから。
「ああ。おはよう」
いわゆる朝チュンというやつ。
まさか異世界で妹とすることになるとは夢にも思わなかったけど。
「しちゃったね?」
「ああ、そうだな。それで体の方は大丈夫?」
ミウの頬に軽くキスしてから聞き返す。
お互いに初めてだったこともあるが失敗らしい失敗はしていないと思う。
「う、うん。な、なんかさ。海外のドラマのワンシーンみたいだね?」
「そう? というか、そういうシーンのあるドラマ見てたんだ……」
「うん。友達の推しの俳優さんが出ているドラマなんだけど、おすすめされたからは見ないといけないと思ってね」
「へー、そうなんだ。あと、起きたいんだけどいい? ほら、昨日のあれで、ちょっとシーツ汚しちゃったから」
「あー、そうだね。うん……」
そして、ミウのベッドから出て脱ぎ散らかした服を着てからシーツなどを取り換えるのだった。
――
汚してしまったシーツなどを洗濯機で洗っているとミウがもじもじとしながら脱衣所に入ってきた。
「大丈夫かミウ?」
「う、うん。ちょっと違和感あるけど大丈夫」
昨日はお互いに見つめ合ったまましてみたんだけど、十分に時間をかけてから行為に及んだのであまり痛くなかったようだ。
それでもそれなりの痛みがあったというのは、表情から読めた。
だから、なるべく優しくしたつもりではある。
血もちょっと出てたし。
こういうのは最初が肝心と言う。
まさかこんなことになるとは思わずコンドームを用意していなかったけど。
初体験同士はどうしても生でしたかった。
それに明日は土曜日で休みだから押し倒しても大丈夫だと思ったし、途中で理性が飛んで避妊のことは頭になかったし。
もちろん、出来ちゃってたら責任取るし、出来てなくても責任は取る。
「それよりもお兄ちゃんうまくなかった? 素人童貞って言ってたよね? さっきネットとかで調べてみたら、初体験で失敗する人もいるって見たんだけど」
文句のようにそう言って来るミウ。
「まあ、それはあれだ。ネットで予習復習はしてたから――」
前世を含めて経験はなかったけど、何気なく見てたエロ動画とかエロ同人でその辺の知識だけは無駄にあったからね。
スムーズにできたと思う。
「えっち。お兄ちゃんのえっち――」
――
朝食を終えたあとはドラックストアに向かった。
昨日は避妊しなかったという事情もある。
最初は俺だけで行こうと思ってたが、ミウに声をかけたら「一緒に行きたい」と言い出したので、仲良く腕を組んで行ったけど。
極薄のコンドームや緊急避妊薬に妊娠検査薬なども買ったら、ミウが耳まで真っ赤になってた。
対応してくれた女性店員も色々と察してたし。
家に戻ってからは、ミウと一緒に薬の取扱説明書などもよく読んだ。
もちろん、次からはちゃんと避妊する予定だ。
まさか薬の取扱説明書に避妊魔法のことが書かれているとは思いもしなかったけど。
おかげで避妊魔法の習得も視野に入れて勉強し直さないといけなくなった。
それからは、ミウと一緒に家事を片付けたり、勉強をしたり、ボードゲームで遊んで土曜日が終わった。
――
「お兄ちゃん朝ですよ――」
ミウがそんなことを良いながら俺の部屋に突撃してきた。
「ん? 今日は早いな……」
「そう言うお兄ちゃんも早くないですか?」
「まあ、俺も今日は朝早く目が覚めちゃったからね」
昨日は別々に寝た。
一線を越えたからと言っても、さすがに毎日のようにやってたら妊娠してしまう可能性もあるわけで。
なるべく行為自体を控えるようにしている。
それに毎日の処理が必要になる俺とは違ってミウはそんなにしなくていいみたいだし。
でも、やっぱりそういうことはしたい。
だから、避妊魔法の習得に向けて色々と勉強はしている。
「それで魔法の勉強ですか? お兄ちゃん、魔法使いにでもなるつもりなの?」
「まあな」
使えるのなら俺だって使いたいさ。
せっかく魔法がある世界に転生したんだし。
まさか避妊魔法を使えば避妊率が100パーセントになるとは思いもしなかったけどね。
ただ、錬金術の知識も必要らしいから、一朝一夕で習得できるものではなさそうだ。
「少し早いけど、朝食にするか?」
「うん――」
家の中であるがミウと腕を組みながらキッチンへと向かった。




