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異世界転生したら実妹ルートに突入しました~ただし、ハーレムは強制のようです~  作者: 朝霧雪乃


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第36話・勉強


「駄目だドク。わからん」

「ドクって誰よ?」


 笑みを浮かべながらミウがツッコミを入れてくる。

 某吸血鬼アニメに出てた少佐の側近である博士と、某SF映画に出てた車型タイムマシンを開発した科学者のことだよ。

 ミウを膝枕した後に彼女の要望で勉強を見ることになったんだけど。


「数学は()()()駄目なんだ。何次式かわからん」

「そっか。じゃあ次の計算問題だね?」

「えー……」


 それからミウと問題を解いていくが、正直、宇宙を背景にする猫の状態だった。


「お兄ちゃん。よくそれで探索者高校に進学できたね……」

「自分でも謎なんだよな。もしかしたら偏差値が低いところだったかもしれない……」


 昔から勉強は本当に駄目だったのだ。

 スポーツも苦手。

 体育の成績は悪くなかったため、運動神経自体は悪くないらしいけど。

 スポーツは興味がなくて情熱を持てなかったんだよね。

 暑苦しいのは苦手だし。


「ミウね、お兄ちゃんが進学する時に気になったから担任の先生に聞いてみたんだけど。そしたら“探索者と両立するから一定の学力があったうえで、何かしらの才能か技能を持ってないと入れない”って言ってたよ?」

「それは知ってるけど。てか、聞いたんだ?」

「うん、ミウも心配だったからね。それにお兄ちゃんの場合は調理師免許が技能になるんじゃない?」

「ああ、あれか……」


 チート能力の類はなかったものの、資格などは前世から引き継ぎとなっていた。

 法律的な問題で、俺が前世で取得した日付から有効となるらしいけど。

 「神様が何度も世界に介入するのはよろしくない」という事情もあって、それらの証明書はすでに手元にある。

 どれも数年先の日付で交付されているため、ちょっと偽物っぽい。

 でも、その部署に照会してもらえば、「特例で交付されている」という事情を説明してもらえるのだ。


「まだ有効にはなってないから微妙なんだけどな」

「でも、資格を持っている人と同等の扱いでしょ? しかも働くときは有効になるみたいだし」

「まあそうだな……」


 現状では、資格を持つ人と同等の知識と技術を持つ人となっているため、資格は有していないことになっている。

 しかし、アルバイトを含めて働くとなった場合は扱いが調理師となるそうで、今通っている探索者高校も調理師の扱いでの入学となっているのだ。

 うん、そりゃあ入学できるわけだね。

 国家資格だし。

 また、俺の場合はすでに交付されていることから、その年齢になれば自動的に有効になる。

 だから、講習や試験などを受ける必要もなく、現時点で何らかの事件を起こしたとしてもその資格がはく奪になるということはないそうだ。

 本来ならば、資格類は引継ぎになる予定ではなかったらしい。

 ただ、今世の俺の両親が病死はイザナミ様も想定外の出来事だったそうだ。

 それで色々と考慮した結果、お詫びという形で、資格以外にも前世で使っていた預金通帳や貯蓄などが引継ぎになったのだ。

 もちろん、投資に回してたお金や非常用として手元に残してた現金は、俺が目覚めた数日後に、【女神教】というこの世界の最大宗教から義援金という扱いで入金となった。

 まあ、40万円ぐらいしかなかったけど。

 念のため、銀行と女神教に連絡を取って確認したし、イザナミ様からダンジョンの説明を受けた際にも聞いたので間違いない。

 ちなみに、イザナミ様の所属というかこの世界にいる神様は基本的に女神教に所属しているらしい。


「それよりもお兄ちゃんの友達のことだよ?」

「えー。いいよ別に。俺はミウがいればそれでいいんだから」


 そっとミウの肩を抱く。

 この温もりがあれば十分だ。

 これ以上は望まない。

 まあ、エッチは別だけど。


「お兄ちゃん。でも……」

「ミウの気持ちもわからなくないが、探索者は対人戦も考慮しないといけないからね。最悪、クラスメイトと交戦することも視野に入れている」


 ちょっと真面目な話をしておく。

 ダンジョン内は基本的に無法地帯なのだ。

 だから何があっても自己責任であり、必要ならばクラスメイトだって殺すだろう。

 一応、探索者同士の私闘などは禁止されているが、目の届きにくいダンジョン内では日常的と聞く。

 もちろん、警察にはダンジョン内で起きた犯罪などを捜査する専門的な部署があるし、ダンジョンで犯罪者を逮捕することもある。

 しかし、それはあくまでも極端な事例だ。

 ダンジョン内には魔物だけではなく武装した探索者もいるため、専門的な訓練を積んだ警察官であっても普通に死傷する。

 そのうえ、ダンジョンは自己修復することから証拠が残りにくいのだ。

 だから、余程のことがない限り、警官がダンジョンに入るなんてことなんてない。

 複数の目撃証言や録画データなどがあれば別とされるが、それでも状況によっては立証が難しいと判断されて、処罰できないなんてこともある。

 これがダンジョンが無法地帯と言われるゆえんである。

 ゲームとは違ってフレンドリーファイア(同士討ち)もあるし。

 何よりもダンジョンに入らなければ、安全で平和な暮らしを送れるのだ。

 普通の人がこんな危険な仕事をやるわけがない。


「そっか。わかったよ。お兄ちゃん」

「うん。心配かけてごめんね、ミウ……」


 お詫びも兼ねて軽くミウにハグをしておく。




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